税理士・公認会計士のご紹介

公益法人会計・税務Q&A

公益法人会計でよくある質問と回答をご紹介

公益法人会計・税務Q&A

区分経理

移行法人における他勘定振替額の会計上の取扱い

【質問】
 実施事業の連年黒字により、一般財団法人(非営利型法人)の公益目的支出計画において、公益目的財産額が計画通りに減少しないことから、「他勘定振替額」を利用することにより、実施事業等会計からその他会計へ計画的に振替計上を行うことを考えています。
  公益財団法人おいては、公益目的事業から収益事業への振替は認められていませんが、一般財団法人においては公益財団法人のような制限はなく公益目的事業から収益事業への振替は認められるという解釈でよろしいでしょうか。
  また、振替額の金額的な制限はあるのでしょうか。
【回答】
 一般財団法人において「実施事業等会計」から「その他会計」に「他勘定振替額」を利用して、会計上振替計上を行っても、差し支えはありません。会計基準そのものには、特段の制限がないためです。
  しかしながら、単に会計処理上で振替処理をしただけでは、何ら実施事業等会計から支出したことにはならないので、仮に「他会計振替額」を用いてその他会計への費用支出を計上しても、決算書を基礎に作成している「公益目的支出計画実施報告書」上で否認され、当該費用支出は公益目的支出として認められません。せっかく会計上で実施事業等会計としての費用を計上しても、実態が公益目的の支出ではないので、残念ながら公益目的支出計画の進捗には影響を与えません。
  なお、公益目的支出計画実施報告書上では、「2.実施事業の状況等」のうちの「(3)実施事業収入の額、公益目的支出の額の算定について」において、公益目的支出の額から当該金額を除外することとなります。
【根拠となる法令等】
整備法施行規則第16条(整備法第119条第2項第1号の支出の額)

※当Q&Aの内容は、個別の質問に対する回答であり、TKC全国会公益法人経営研究会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。