公益法人会計・税務Q&A
公益法人会計でよくある質問と回答をご紹介
公益法人会計・税務Q&A
区分経理
他会計振替額
- 【質問】
- 法人会計から公益目的事業への繰入(他会計振替額)はできますか?
また、その時には理事会等の決議は必要ですか? - 【回答】
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- 1) 法人会計から公益目的事業会計への財産の繰り入れは可能です。
平成23年5月13日日本公認会計士協会「貸借対照表内訳表及び正味財産増減計算書内訳表の作成と会計処理について」の50ページ(Q8)をご覧ください。法人会計の財産を、公益目的事業会計へ他会計振替額の欄を用いて振り替えることは、許容されていると記載があります。 - 2) 公益目的事業会計に属する財産を増加させる取引は、認定法施行規則第26条第8号において、「当該法人の定款又は社員総会若しくは評議員会において、公益目的事業のために使用し、又は処分する旨を定めた額に相当する財産」を公益目的事業財産とする旨が定められています。
このため、理事会決議を経て(法人法第38条第2項、第181条第1項)社員総会又は評議員会で決議をすることにより、公益目的事業財産を増加させることができます。
通常の決算承認手続きをもって、上記社員総会・評議員会決議に代えることが可能かどうかは明確ではありませんが、少なくとも繰り入れをする法人会計の財産額を文面で明示して決議をすれば、社員総会・評議員会の決議はされたことになると考えられます。 - 3) 2)により繰り入れした金額は、公益目的取得財産残額の増加になります(認定法施行規則第48条第3項第1号ル)。
- 4) 前述「貸借対照表内訳表及び正味財産増減計算書内訳表の作成と会計処理について」の40ページ(Q2)によれば、経済的価値が会計区分をまたいで異動した場合に、精算を要する場合は貸借勘定を用い、精算を要しない場合は他会計振替額を用いるとされています。
- 1) 法人会計から公益目的事業会計への財産の繰り入れは可能です。
- 【根拠となる法令等】
- 平成23年5月13日日本公認会計士協会「貸借対照表内訳表及び正味財産増減計算書内訳表の作成と会計処理について」Q2、Q8
認定法施行規則第26条第8号
認定法施行規則第48条第3項第1号ル
※当Q&Aの内容は、個別の質問に対する回答であり、TKC全国会公益法人経営研究会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。