税理士による開業コラム

事務所のビジョンと戦略

どのような事務所に
していきたいですか?

角入亮太先生

かどいり税理士法人

税理士 角入亮太(昭和56年生まれ、静岡県富士宮市で令和2年に開業)

経営者の身近な相談相手として、企業の黒字経営を伴走支援する。そんな仕事をしたいと思っています。開業したては不安ばかりですが、TKCでは周りには頼りになる先輩税理士が多く、相談できる環境があります。

みなさん、開業にあたって、自分の事務所をどのような事務所にしていきたいとお考えですか。

顧客獲得優先、その結果・・・

開業したての頃は、私自身事務所経営に関して明確なビジョンを持てずにいました。
事務所の方針も定まらないまま「関与先数を増やし売上げを確保しないと、家族を養っていけない」と考え、新規関与のお話をいただいた際には、相手の要望に応じて報酬を値引きしてでも顧客獲得に走りました。

すると、顧客単価は一向に上がらず、提供するサービスにもバラつきが生じるという結果に陥ってしまいました。

これでは職員の採用や教育もままならず、事務所が正しく発展していかないと思うようになりました。

TKCとの出会い、そして方針転換

  

そんな折、TKCの事務所見学会に参加させていただく機会をいただきました。
それまで自分がやってきたこととは全くレベルの違う事務所経営をされていることに衝撃を受け、「自分の抱える課題の解決の方策がここにある」と感じTKC入会とTKC方式の自計化推進を決断しました。

TKCに入会したといっても、私はそれまでTKCシステムを触ったことがありません。
分からないことしかない中、担当SCG(※)の多大なる支援を受けながら、少しずつTKCシステムに事務所の業務を合わせていくというやり方で改善に取り組みました。

既存の関与先に対して、事務所の方針転換を説明していくことに苦労はありましたが、丁寧に説明したところ、離れてしまう関与先はそれほど多くありませんでした。

※SCG:システム・コンサルティング・グループの略。TKC会員事務所のTKCシステムの活用をサポートする株式会社TKCの社員

事務所経営の最適解は?

  

事務所経営に関して、これが正解というものはないのかもしれません。所長がご自身で色々と試行錯誤して最適解を見つけていくのも良いと思います。

しかし、先達の多くの先生方の試行錯誤の結果がTKCシステムに集約されており、それを享受できるのであれば、TKCシステムを徹底活用するのが事務所発展への最短ルートであると私は思っています。

ビジョンに向かって日々前進

事務所の写真(内観)

現在、開業から4年と少しが経過したところです。
関与先数は約100社、スタッフは私を除き7名体制。
徐々にではありますが、TKC方式の自計化が進んできています。それに伴って報酬単価も改善し、付加価値の高いサービスが提供できる素地ができつつあります。

そして今は、目指すべき事務所のビジョンが明確になり、それを職員と共有できるようになっています。

「黒字化支援を業務の柱にする」
「高付加価値事務所へ転換して、従業員の処遇をより良いものとする」

今後は目指すビジョンに向かって、さらに歩みを進めていくつもりです。