税理士による開業コラム

税理士資格と勉強

自分を信じて、唯一無二の道を突き進む

望月敬太先生

望月敬太税理士事務所

税理士 望月敬太(昭和59年生まれ、栃木県那須塩原市で令和3年に開業)

私は結婚し、移住することを決めてから税理士を志しました。勉強に本腰を入れたのは、公務員を辞め、移住して無職になってから。予備校には通わず、通信教育も受けず、5科目とも市販の参考書と移住後に勤務した会計事務所で得た知識で勝負。今振り返るとなかなか無謀なことをやったと思いますが、こんな人でも合格して開業できるんだなと、今勉強していらっしゃる方の気を少しでも和らげられたらと思います。

受験のきっかけ

私が税理士試験の受験を決めたのは、神奈川県の某市役所の職員をしていた平成25年に参加したある研修がきっかけでした。その研修は全国の市町村の職員を対象にした、2週間ほどの宿泊研修でした。そこで知り合った方と縁あって結婚をする運びになったのですが、その方は栃木県那須塩原市在住。双方話し合いの末、私が退職し、栃木に移住することを決めました。

さて、退職した後何をしよう。その時すぐ思い当たったのが税理士でした。当時は5年ほど個人住民税の担当をしていたことで所得税と住民税の計算を知っていたことと、資格を取ってしまえばとりあえず働き口には困らないだろう(独立もできるし)というかなり安易な考えが理由でした。

受験の内容

事務所の写真(外観)

私の試験の結果は次の通りでした。

1年目:簿記論 財務諸表論 合格
2年目:所得税法 住民税 合格
3年目:科目合格なし
4年目:相続税法 合格

タイトルにも書いた「唯一無二」とまでいえるかどうかはわかりませんが、私の受験方法はかなりイレギュラーだった点がいくつかあります。

  • 1 5科目同時に受験
    栃木に移住して最初の年は会計事務所に勤務せず勉強に専念したため、思い切って5科目を同時に受験しました。このページでも紹介されている科目別の必要勉強時間からすると無理があるのですが、私の性格上1つのことが長続きしないので、どれか1科目勉強していて、やりたくなくなったら別の科目に手を出す、なんてことをやっていました。
  • 2 独学
    近くに通える予備校がなかったことと金銭的な理由から、独学での受験を選択しました。手に入る参考書に限りがあること(特に税法)や、切磋琢磨する相手・相談できる先生がいないなど、デメリットが多い独学ですが、自分のペースで勉強が進められるメリットがあります。また、孤独で限られた参考書での勉強となり不安が募ることが多々ありましたが、逆にその不安が勉強を推し進めてくれたと思っています。
  • 3 6科目受験
    3年目と4年目は、住民税の科目合格を外し、相続税法と消費税法の2科目を受験しました。
    これも性格上の問題ですが、1科目に集中して合格できなかったらどうしようと不安になったので保険として2科目を受験しました。

メッセージ最後にお伝えしたいこと

開業の仕方や税理士事務所のあり方にも言えることですが、税理士試験の勉強に決まったやり方や正解はありません。自分が信じたやり方を貫いて、唯一無二の道を突き進んでください!