注目の判例

労働法

2020.08.18
未払賃金等請求事件
LEX/DB25566310/横浜地方裁判所 令和 2年 6月25日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第4303号
引越関連事業を主な事業とする被告会社との間で雇用契約を締結し、勤務していた原告らが、被告会社に対し、(1)各未払残業代、(2)被告会社に引越事故責任賠償金名目で負担させられた金員について、法律上の原因を欠く旨主張して、不当利得に基づき、原告aが24万9500円、原告cが37万1500円、原告bが26万4500円の各返還、(3)原告a及び原告bが、未払の通勤手当がある旨主張して、雇用契約に基づき、未払の通勤手当として、原告aが38万3120円、原告bが13万円の各支払、(4)原告cが、被告会社からは業務用携帯電話の支給がなく、個人で業務専用の携帯電話を使用していたが,この携帯電話料金は被告会社が負担すべきであると主張して、不当利得に基づき、4万9563円の返還、(5)労働基準法114条に基づき、本件提訴日である平成29年10月10日から2年以内の上記未払割増賃金等と同額と原告らが主張する付加金(原告aにつき38万2696円、原告cにつき56万3629円、原告bにつき52万1953円)の支払、(6)原告らが、原告らは被告組合に加入しておらず、組合費の控除について同意していないのに、賃金から組合費の控除が行われ、これが被告組合に支払われていたと主張して、被告会社に対しては、雇用契約に基づき、未払の賃金として、平成27年3月分以降に賃金から控除された金員(原告aが1万7000円、原告c及び原告bが各2万4000円)の支払等を求め、被告組合に対しては、不当利得に基づき、入社時から退職時までに賃金から控除されて被告組合に支払われた金員(原告aが5万3000円、原告cが7万3000円、原告bが4万8000円)の各返還の支払等を求めた事案で、原告らの被告会社に対する請求は、請求額を減額した内容で一部認容し、原告らの被告会社に対するその余の請求及び被告組合に対する請求については棄却した事例。
2020.07.21
公務員に対する懲戒処分取消等請求事件
LEX/DB25570942/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 7月 6日 判決 (上告審)/平成31年(行ヒ)第97号
市立中学校の教諭であった被上告人(原告・控訴人)が、顧問を務める同校柔道部における部員間の暴力行為を伴ういじめの事実を把握しながら、受傷した被害生徒に対し、受診に際して医師に自招事故による被旨の虚偽の説明をするよう指示したこと等を理由に、任命権者である県教育委員会から停職6月の懲戒処分を受けたため、本件処分は重きに失するなどと主張して、上告人(被告・被控訴人。兵庫県)を相手に、その取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めたところ、原審は、本件懲戒処分の取消請求を認容し、国家賠償請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、本件懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱した違法なものであるとした原審の判断には、懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法があり、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、被上告人の請求につき、これらを棄却した第1審判決が正当であるから、上記部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。
2020.06.09
懲戒免職処分等取消請求事件
LEX/DB25565396/新潟地方裁判所 令和 2年 4月15日 判決 (第一審)/平成30年(行ウ)第5号
地方公共団体である被告新潟市の職員として勤務していた原告が、所属する課の課長の印鑑を無断で押捺して時間外勤務命令票を偽造し時間外勤務手当を詐取し又は詐取しようとしたことを理由として、新潟市長から懲戒免職処分、退職手当支給制限処分をそれぞれ受けたことに関し、本件各処分には事実誤認の違法があり、また、仮に事実誤認がなかったとしても処分権者に与えられた裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があると主張して、本件各処分の取消しを求めた事案で、本件非違行為に対し、違法支払等の例に該当するものとして特に軽微な処分をもって臨むのではなく、詐取の例に該当するものとして本件懲戒免職処分をしたことについて、処分行政庁に裁量権の範囲の逸脱又は濫用があったとは認められないから、本件懲戒免職処分は適法であるとする一方、本件非違行為が原告の退職手当の受給権すべてを否定するに足りる程度の重大性を有するということは困難であり、退職金の全部の支給を制限する旨の本件支給制限処分については、本件非違行為の内容及び程度と不利益処分との間の均衡を欠き、原告に対して過度に重大な処分を課すものとみるのが相当であるから、本件支給制限処分は、社会観念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法な処分であると認められるとして、退職手当支給制限処分を取り消し、原告のその余の請求を棄却した事例。
2020.05.26
遺族補償給付等不支給処分取消請求控訴事件
LEX/DB25565296/高松高等裁判所 令和 2年 4月 9日 判決 (控訴審)/令和1年(行コ)第20号
香川県高松市所在の本件会社の支社で勤務していた亡q7の父である亡q5において、q7がくも膜下出血を発症して死亡したのは業務上の事由に起因するものであると主張して、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したところ、高松労働基準監督署長がいずれも不支給とする旨の各決定(本件不支給決定)をしたことから、上記請求後に死亡したq5の権利義務を相続により承継した控訴人が、本件不支給決定の取消しを求め、原審は、q7のくも膜下出血の業務起因性を否定して、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が、原判決の取消しと自己の請求認容を求めて控訴した事案で、q7の業務と本件疾病との間には業務起因性が認められるから、本件不支給決定は違法であり、その取消しを求める控訴人の請求を認容すべきところ、これを棄却した原判決は失当であるとし、原判決を取消し、本件不支給決定を取り消した事例。
2020.05.12
雇用契約上の地位確認等請求事件
LEX/DB25570794/福岡地方裁判所 令和 2年 3月17日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第1904号
原告が、原被告間で、昭和63年4月から、1年毎の有期雇用契約を締結し、これを29回にわたって更新、継続してきたところ、本件有期雇用契約は、労働契約法19条1号又は2号に該当し、被告が原告に対し、平成30年3月31日の雇用期間満了をもって雇止めしたことは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、従前の有期雇用契約が更新によって継続している旨主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、賃金等の支払を求めた事案において、原告が本件雇用契約の契約期間が満了する日までの間に更新の申込みをしたのに対し、被告が、当該申込みを拒絶したことは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないことから、被告は従前の有期雇用契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2020.05.07
賃金支払請求事件
LEX/DB25565229/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 3月30日 判決 (上告審)/令和1年(受)第1922号
被上告人らのいずれかに雇用され、タクシー乗務員として勤務していた上告人らが、歩合給の計算に当たり売上高(揚高)等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める被上告人らの各賃金規則上の定めが無効であり、被上告人らは、控除された残業手当等に相当する金額の賃金の支払義務を負うなどと主張して、被上告人らに対し、未払賃金等の支払を求めた事案(揚高が同じであれば、時間外労働等の有無やその時間数の多寡にかかわらず、原則として総賃金の額は同じとなることから、定めの効力や、残業手当等の支払により労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたといえるか否かが争われている。)で、原審は、上告人らの請求をいずれも棄却したため、上告人らが上告した事案で、割増金及び歩合給を求めるための対象額から控除された割増金は、割増賃金に当たらず、通常の労働時間の賃金に当たるものとして、労働基準法37条等に定められた方法により上告人らに支払われるべき割増賃金の額を算定すべきであるとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決を破棄し、被上告人らが上告人らに対して支払うべき未払賃金の額等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例。
2020.04.28
損害賠償請求事件(甲事件、乙事件)
LEX/DB25565176/東京地方裁判所 令和 2年 3月13日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第205号 等
被告らを雇用していた原告会社が、雇用契約期間中に被告らが業務専念義務、機密保持義務及び競業避止義務に違反して全国情報ネットワーク協同組合の指示により原告会社が管理する保険関係資料等を持ち出したとして、主位的には債務不履行に基づく損害賠償請求として、予備的には不法行為に基づく損害賠償請求として、被告Bにつき損害合計4661万円のうち200万円、被告Cにつき損害合計4656万円のうち150万円の支払等を求めた事案において、原告会社は、本件業務委託契約に基づいて書類等を管理占有していたにすぎないから、同契約が終了した以上、同書類等を使用収益する権原を失い、その返却義務を負うにすぎないから、これらの書類等の使用収益を妨げられたとしても、そのことによって損害が生じるものとは認められないとして、原告会社の請求を棄却した事例。
2020.04.21
賃金請求事件
LEX/DB25570841/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 3月30日 判決 (差戻上告審)/平成30年(受)第908号
被上告人に雇用され、タクシー乗務員として勤務していた上告人らが、歩合給の計算に当たり売上高(揚高)等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める被上告人の賃金規則上の定めが無効であり、被上告人は、控除された残業手当等に相当する金額の賃金の支払義務を負うなどと主張して、被上告人に対し、未払賃金等の支払を求めた事案の第2次上告審において、割増金及び歩合給を求めるための対象額から控除された割増金は、割増賃金に当たらず、通常の労働時間の賃金に当たるものとして、労働基準法37条等に定められた方法により上告人らに支払われるべき割増賃金の額を算定すべきであるとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして原判決を破棄し、被上告人が上告人らに対して支払うべき未払賃金の額等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2020.03.17
債務確認請求本訴、求償金請求反訴事件 
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LEX/DB25564902/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 2月28日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1429号
本件本訴請求は、被上告人の被用者であった上告人が、被上告人の事業の執行としてトラックを運転中に起こした交通事故に関し、第三者に加えた損害を賠償したことにより被上告人に対する求償権を取得したなどと主張して、被上告人に対し、求償金等の支払を求め、原審は、上告人の本訴請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え、その損害を賠償した場合には、被用者は、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができるものと解すべきであるとしたうえで、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、上告人の本訴請求に関する部分を破棄し、上告人が被上告人に対して求償することができる額について更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例(補足意見がある)。
2020.02.25
解雇無効確認等請求事件 
LEX/DB25564694/佐賀地方裁判所武雄支部 令和 1年11月 8日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第32号
新興宗教の信者であった原告が、同じ新興宗教の信者である被告らに対し、被告らが原告にした排斥の処分は無効であると主張して、その排斥が無効であることの確認を求めるとともに、そのような無効な排斥をしたことなどは不法行為に該当すると主張して、共同不法行為に基づき、各自慰謝料及び遅延損害金の支払を求めた事案で、不法行為の成否は、実質において法令の適用による終局的解決に適しないといえ、本件訴えは、いずれも、法律上の争訟に該当せず、不適法であるから、却下した事例。
2020.02.18
労災保険遺族補償給付等不支給処分取消請求控訴事件
LEX/DB25564683/福岡高等裁判所 令和 1年12月 5日 判決 (控訴審)/令和1年(行コ)第28号
被控訴人(原告)が、その夫であり養殖業者に対する魚薬の営業販売等の業務に従事していたDが心室細動を原因とする急性心不全を発症し、これにより死亡したのは、取引先からのストレスにさらされながらの長時間の過重労働や海上での過酷な消毒作業に従事したことによるものであるとして、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付等の請求をしたところ、処分行政庁がいずれも不支給とする決定をしたため、同決定は違法である旨主張して、控訴人(被告、国)に対し、同不支給決定の取消しを求め、原審は、被控訴人の請求を認めて、処分行政庁による不支給決定をいずれも取り消したため、控訴人が、これを不服として控訴した事案において、亡Dの業務と急性心不全の発症との間に相当因果関係があると認めることはできないとして、控訴人の控訴を棄却した事例。
2020.02.12
行政措置要求判定取消請求事件(第1事件)、国家賠償請求事件(第2事件) 
(性同一性障害訴訟:トイレ使用制限は「違法」)
LEX/DB25580421/東京地方裁判所 令和 1年12月12日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第667号 等
トランスジェンダーで国家公務員の原告が、その所属する経済産業省で女性用トイレの使用に関する制限を設けないこと等を要求事項として国家公務員法86条の規定に基づいて人事院に対してした勤務条件に関する行政措置の各要求に関し、本件各措置要求がいずれも認められない旨の判定を受けたことから、本件判定がいずれも違法である旨を主張して、被告国に対し、本件判定に係る処分の取消しを求めた事案(第1事件)、また、上記の原告が、経済産業省において女性用トイレの使用についての制限を受けていること等に関し、経済産業省の職員らがその職務上尽くすべき注意義務を怠ったものであり、これによって損害を被った旨を主張して、国家賠償法1条1項の規定に基づく損害賠償請求として、被告国に対し、慰謝料等の支払を求めた事案(第2事件)において、第1事件に係る本件判定のうち原告が女性トイレを使用するためには性同一性障害者である旨を女性職員に告知して理解を求める必要があるとの経済産業省当局による条件を撤廃し、原告に職場の女性トイレを自由に使用させることとの要求を認めないとした部分を取り消す内容で一部認容し、第2事件に係る慰謝料等の支払を一部認容した事例。
2020.01.21
地位確認等請求事件
LEX/DB25564433/東京地方裁判所 令和 1年 8月 7日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第23597号
被告の入社試験を受け、採用内定を得た原告が、その後、被告から内定を取り消されたが、本件内定取消しは、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないようなものであって、取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができない事実に基づきなされたものであるから無効であり、被告との労働契約は成立しているとして、被告に対する労働契約上の地位確認及び賃金の支払を求めた事案で、「本件採用内定が被告の錯誤により無効といえるか」について、本件全証拠に照らしても、原告が被告に対し、その経歴や能力を詐称したこと(原告による欺罔行為)を認定することはできず、また被告において、これらの事情が本件採用内定の判断の基礎とした事情となったことや、これらの事情に関する認識が真実に反すること等についての主張及び的確な立証はなされていないから、被告の主張を採用することはできないとする一方、遅くとも、試用期間満了後の時点では、原告の雇用状況は一応安定していたと認められ、原告の被告における就労意思は失われたと評価するのが相当であるところ、本件訴えのうち、原告の被告に対する労働契約上の地位確認を求める部分(請求1)については、もはや訴えの利益がなく、却下を免れないが、本件採用内定通知に定められた労働契約の始期(平成29年1月1日)から同年7月9日までの賃金(バックペイ)請求については、使用者たる被告の責めに帰すべき事由により、原告が労務の提供ができなかった期間に当たり、原告はその間の賃金請求権を失わないから(民法536条2項)、その限度において理由があるというべきであるとして、原告の確認請求を却下し、賃金請求を一部認容した事例。
2020.01.14
懲戒処分無効確認等請求控訴事件 
LEX/DB25564423/東京高等裁判所 令和 1年 6月27日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第630号
被控訴人(被告。放送法に基づく基幹放送事業及び一般放送事業等を目的とする株式会社)の従業員である控訴人(原告)が、被控訴人に対し、控訴人の受けたけん責処分が懲戒権の濫用に当たり無効であって、違法な懲戒処分により精神的苦痛を被ったと主張して、けん責処分の無効確認とともに、不法行為に基づく損害賠償金の支払等を求め、原審は、控訴人の請求について、けん責処分の無効確認請求に係る訴えを却下し、その余の請求を棄却し、控訴人が控訴した事案で、当審における当事者の補充主張についても、控訴人の主張は採用することができないとし、本件控訴を棄却した事例。
2019.12.03
地位確認等請求事件
LEX/DB25564170/横浜地方裁判所 令和 1年10月10日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第3828号
被告が経営するスーパーマーケットで勤務していた原告が、商品を会計せずに持ち帰ったことを理由になされた懲戒解雇について、これが無効であると主張して、〔1〕労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、〔2〕懲戒解雇後の未払賃金、未払賞与の支払等を求め、被告が経営する店舗で、原告の氏名を明記し懲戒解雇の事実を公表したことが名誉棄損の不法行為に該当すると主張し、〔3〕慰謝料及び弁護士費用相当損害金の支払、〔4〕就労期間中の未払残業代、〔5〕付加金の支払等を求めた事案で、本件懲戒解雇の有効性については、本件懲戒解雇及び予備的に行った本件予備的解雇意思表示は、いずれも、客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められず無効であるとし、未払賃金等については、被告が、原告に対し、未払賃金及び未払賞与の支払義務を負うとし、被告行為の名誉毀損該当性については、本件掲示は、原告の社会的評価を低下させる事実を摘示するものであり、違法性が阻却されるとは認められないため、不法行為に該当するなどとして、原告の請求を一部認容した事例。
2019.11.19
地位確認等請求事件 
LEX/DB25570540/最高裁判所第一小法廷 令和 1年11月 7日 判決 (上告審)/平成30年(受)第755号
上告人(控訴人・被告)との間で有期労働契約を締結して就労していた被上告人(被控訴人・原告)が、上告人による解雇は無効であると主張して、上告人に対し、労働契約上の地位の確認及び解雇の日以降の賃金の支払を求めたところ、第1審判決は、被上告人の請求を全部認容したため、上告人が控訴し、控訴審も第1審判決を維持し控訴棄却したため、上告人が上告した事案で、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中、労働契約上の地位の確認請求及び平成27年4月1日以降の賃金の支払請求を認容した部分を破棄し、被上告人が契約期間の満了後も本件労働契約が継続する旨主張していたことを踏まえ、これが更新されたか否か等について更に審理を尽くさせるため、同部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。
2019.06.04
配転命令無効による地位確認等請求事件
LEX/DB25562769/津地方裁判所 平成31年 4月12日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第273号
原告は、被告会社(レンタカー会社)との間で、反復継続して労働契約を更新してきており、被告会社のD店に勤務してきたが、雇止めがされたことから、雇止めが合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないとして、〔1〕労働者の地位確認及びそれに伴う賃金の支払を求めるとともに、〔2〕被告会社には、社会保険の加入手続を取っていなかった不法行為責任があるとして、それに基づく損害の支払、〔3〕未払割増賃金の支払並びに〔4〕付加金の支払を求める訴訟を提起したところ、控訴審において、〔1〕を認容し、〔2〕ないし〔4〕を一部認容する判決(〔2〕については,以上に加え,控訴審における拡張請求を一部認容する判決)がなされ,同判決は,平成29年6月3日確定した。被告会社は、原告に対し、同月26日付けで就業場所をC店とする旨の配転命令(本件配転命令)を出したが、原告は、本件配転命令が無効であると主張して、被告会社に対し、C店において勤労する労働契約上の義務がないことの確認を求めるとともに、被告会社が社会保険の加入手続をとっていなかったことが債務不履行に当たるとして、被告会社に対しては債務不履行に基づき、被告Bに対しては会社法429条1項に基づき、連帯して損害賠償金の支払等を求めた事案で、原告が、被告会社に対し、原告がC店において勤労する労働契約上の義務がないことの確認を求めること、損害賠償の金員の支払については、請求を認容したが、被告Bに対しては、請求を棄却した事例。
2019.05.14
未払賃金等、地位確認等請求事件
LEX/DB25570206/最高裁判所第一小法廷 平成31年 4月25日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1889号
被上告人(貨物自動車運送等を業とする株式会社)に雇用され、全日本建設交運一般労働組合関西支部(建交労組)に所属していた上告人が、被上告人に対し、労働協約により減額して支払うものとされていた賃金につき,当該減額分の賃金(平成25年8月から同26年11月までの支給分のもの)及びこれに対する遅延損害金の支払等を求めたところ、原審は、上告人の本件各未払賃金に係る請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、被上告人と建交労組との間でされた本件合意により上告人の賃金債権が放棄されたというためには、本件合意の効果が上告人に帰属することを基礎付ける事情を要するところ、本件においては、この点について何ら主張立証はなく、建交労組が上告人を代理して具体的に発生した賃金債権を放棄する旨の本件合意をしたなど、本件合意の効果が上告人に帰属することを基礎付ける事情はうかがわれないため、本件合意によって上告人の本件各未払賃金に係る債権が放棄されたものということはできないとし、原判決中、本件各未払賃金に係る請求及びこれに対する遅延損害金の請求に関する部分を破棄し、当該賃金の請求に関する部分に係る第1審判決を取り消し、上告人の請求のうち、本件各未払賃金の元本221万2720円を請求する部分を認容した。また、上告人の請求のうち、本件各未払賃金に対する遅延損害金を請求する部分については、その遅延損害金の起算日について更に審理を尽くさせるため、同部分につき本件を原審に差し戻しを命じ、上告人のその余の上告を棄却した事例。
2019.03.26
報酬支払債務不存在確認請求事件 
LEX/DB25562303/立川簡易裁判所 平成31年 1月24日 判決 (第一審)/平成30年(ハ)第360号
原告(風俗店勤務女性)が、司法書士である被告との間で交わした「風俗店の退職トラブル交渉代理」委任契約中、被告による交渉代理業務なるものは、法律上許されておらず、本件委任契約は無効であり、また仮に有効であるにしても、契約書中にある他言禁止条項は、消費者契約法10条により契約が無効であるとして、原告の交渉代理人である司法書士である被告の要求する成功報酬支払義務のないことを求めた事案で、被告の行為は、もはや法律及び司法書士倫理規定に反する行為に該当し無効であると言わざるを得ないとして、原告の請求を認容した事例。
2019.03.12
損害賠償等請求控訴事件(契約社員にも退職金認める 高裁逆転認定)
LEX/DB25562230/東京高等裁判所 平成31年 2月20日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第1842号
第1審被告の契約社員として有期労働契約を締結して東京メトロ駅構内の売店で販売業務に従事している第1審原告P1並びに同業務にかつて従事していた控訴人P2、同P3及び同P4が、無期労働契約を第1審被告と締結している労働者(正社員)のうち上記売店業務に従事している者と第1審原告らとの間で、本件諸手当に相違があることは労働契約法20条又は公序良俗に違反していると主張して、第1審被告に対し、不法行為又は債務不履行に基づき、平成23年5月20日から各退職日と同期間に第1審原告らに支給された本件諸手当との差額に相当する損害金、慰謝料及び弁護士費用の合計額並びに本件諸手当のうち褒賞を除く部分に対応する損害金に対する各支払期日から、慰謝料の支払等を求め、原審は、第1審原告P1の請求のうち不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容したが、その余の請求及び控訴人らの各請求をいずれも棄却したところ、双方が敗訴部分を不服として控訴した事案(第1審原告らは、当審で、選択的に上記有期労働契約に基づき、上記と同額の金員の支払を求める訴えを追加し、第1審原告P1は、請求する差額又は差額に相当する損害金の発生する時期を平成30年4月20日までとし、控訴人P2は、本給の計算に誤りがあったとして、それぞれ請求を拡張する訴えの変更をした。)において、〔1〕第1審原告P1の請求は、66万3793円及び各金員に対する「年月日」欄記載の各日から、うち6万0344円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、〔2〕控訴人P2の請求は、87万8783円及び各金員に対する各日から、うち49万8094円に対する平成27年4月7日から、うち7万9889円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、〔3〕控訴人P3の請求は、67万1935円及び各金員に対する各日から、うち45万0450円に対する平成26年4月7日から、うち6万1085円に対する同年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があるが、第1審原告P1、控訴人P2及び同P3のその余の請求はいずれも理由がなく、原判決はこれと異なる限度で失当であるから、第1審原告P1、控訴人P2及び同P3の各請求に係る部分を変更するとともに、第1審被告の控訴を棄却することとし、また、原判決中控訴人P4の請求を棄却した部分は相当であるから、控訴人P4の控訴を棄却し、控訴人P4が当審において追加した選択的請求も棄却した事例。