注目の判例

刑事訴訟法

2014.03.25
犯罪被害者等給付金不支給処分取消請求事件
LEX/DB25502998/福岡地方裁判所 平成26年1月21日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第73号
犯罪被害者の遺族である原告が、犯罪被害者等給付金の支給を申請したところ、犯罪被害者の行為に犯罪被害者等の支援に関する法律6条及び犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則4条3号に該当する行為があったことを理由に給付金を支給しない旨の裁定処分がされたことから、被告に対し、本件裁定処分の取消しを求めた事案において、本件被害者のAに対する本件強姦行為を認めることができないにもかかわらず、これを認定して本件犯罪行為に関連する著しく不正な行為が存すると判断した本件裁定処分は、事実誤認の違法があるというべきであるとし、請求を認容した事例。
2014.03.25
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25502995/大阪高等裁判所 平成26年1月16日 判決 (控訴審)/平成24年(う)第538号
被告人が、共犯者と共謀の上、暴力団の活動として、その組織によりA殺害の機会をうかがった上、これを実行したとして起訴された事案につき、原判決が、無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、原判決の事実認定は、暴力団の若頭などの最高幹部を含む複数の組員が、当該暴力団の指揮命令系統に従って組織的に犯行を準備し、当該暴力団の活動であることを顕示するかのような態様で犯行を実行しているというような事実関係の下では、経験則上、特段の事情がない限り、その犯行は、当該暴力団の会長や組長が共謀に加わり、その指揮命令に基づいて行われたものと推認すべきであるのに、被告人による共謀及び指揮命令を認定しなかった点において、経験則に反する不合理なものであることが明らかである等とし、原判決を破棄し、懲役20年を言い渡した事例。
2014.03.18
再審請求事件手続終了決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446236/最高裁判所第二小法廷 平成26年1月27日 決定 (特別抗告審)/平成25年(し)第726号
死刑判決を受けた者の養子である再審請求者の死亡を理由とする再審請求事件の手続終了決定に対する特別抗告を棄却した事例。
2014.03.18
勾留理由開示請求却下決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446237/最高裁判所第二小法廷 平成26年1月21日 決定 (特別抗告審)/平成25年(し)第752号
第一審で被告人の勾留が開始された後、勾留のまま第一審裁判所が被告人に対して実刑判決を言い渡し、その後、被告人の控訴により訴訟記録が控訴裁判所に到達している場合には、第一審裁判所に対して勾留理由開示の請求をすることは許されないとした事例。
2014.03.18
 
LEX/DB25502950/最高裁判所第一小法廷 平成25年12月19日 決定 (上告審)/平成23年(オ)第1697号等
殺人未遂の被疑事実で逮捕・勾留された被疑者の弁護人であった上告人兼申立人が、担当検察官が上告人兼申立人と被疑者の接見内容を聴取し、これを調書化して被疑者に署名・押印させ、証拠調べ請求をしたことは、上告人兼申立人の固有権たる秘密交通権の侵害に当たるなどとして、国家賠償を求めた事案の上告において、本件上告を棄却し、上告不受理決定をした事例。
2014.03.05
国家賠償請求控訴事件
LEX/DB25502786/東京高等裁判所 平成25年12月17日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第7545号
被害申告者のスカート内を撮影する目的で、携帯電話をスカート下方に差し入れたとの公訴事実により起訴され、無罪判決を受けた一審原告が、一審被告東京都に対しては、違法な取り調べを受けた等主張して、一審被告国に対しては、違法な起訴がなされた等主張して、一審被告らに対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金の支払いを求め、原審が一審被告東京都に対する請求を一部認め、一審原告及び一審被告東京都がそれぞれ控訴をした事案において、一審原告の一審被告東京都に対する本訴請求は、損害賠償金110万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余は理由がなく、また、一審被告国に対する本訴請求にはすべて理由がないと判断すべきところ、これと同旨の原判決は相当であり、一審原告及び一審被告東京都の本件各控訴を棄却した事例。
2014.02.04
道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件
LEX/DB25446153/最高裁判所第一小法廷 平成26年 1月20日 判決 (第一審)/平成25年(さ)第4号
公訴提起当時、少年であった被告人が、道路標識により右折方向への車両の通行を禁止されている交差点において、同標識を確認しこれに従うべき注意義務があるのに、同標識を確認しなかった過失により、通行禁止場所であることに気付かないで、普通乗用自動車を運転して右折通行した事実は、罰金以下の刑に当たる罪の事件であり、少年法20条1項の趣旨に照らし、検察官が家庭裁判所から送致を受けた故意による通行禁止違反の事実と同一性が認められるからといって、公訴を提起することは許されなかったものと解するほかはなく、略式命令の請求を受けた簡易裁判所は、前記事実につき刑事訴訟法463条1項、338条4号により公訴棄却の判決をすべきであったが、これをしなかった原略式命令は、法令に違反し、かつ、被告人のために不利益であることが明らかであり、本件非常上告は理由があるから、刑事訴訟法458条1号により原略式命令を破棄し、原略式命令の罪となるべき事実中、被告人が普通乗用自動車を運転して過失により通行禁止場所を通行したとの事実につき、刑事訴訟法338条4号により公訴を棄却し、罰金20万円に処し、被告人は原略式命令当時少年であったから、少年法54条により労役場留置の言渡しをしないこととした事例。
2014.02.04
偽証教唆被告事件
LEX/DB25502479/岐阜地方裁判所 平成25年10月25日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第137号等
弁護士である被告人が、私選弁護人を受任していたAに対する別件被告事件について、Aと共謀の上、同事件で共犯者とされたBらに対し、接見交通権を濫用する方法等で受領したA作成に係る文書等を渡すなどして、複数回にわたって、Aは関与していない旨偽証するよう働きかけ、別件被告事件の証人尋問において、Bらにそれぞれ虚偽の証言をさせたという偽証教唆の事案において、本件各犯行は、被疑者・被告人の人権を擁護し、適正な防禦権を行使するために保障された弁護人の接見交通権等の弁護権を濫用したものである上、遮蔽板の丸穴を通じて偽証指示文書を授受するなど、常軌を逸した大胆な手口を用い、かつ複数回にわたり多くの関係者を巻き込みつつ、数か月間にわたり行われており、その犯行態様は、前例を見ない極めて悪質なものというべきであるとして、被告人を懲役3年(執行猶予4年)に処した事例。
2014.01.28
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇事件
LEX/DB25446101/最高裁判所第二小法廷 平成25年12月18日 決定 (上告審)/平成25年(医へ)第34号
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律42条1項3号の同法による医療を行わない旨の決定に対しては、対象行為の認定を争うものであっても同法64条2項の抗告をすることは許されないとした原決定は正当であるとして、本件抗告と棄却した事例。
2014.01.28
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25446109/最高裁判所第三小法廷 平成25年11月19日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第508号
控訴審が被告人の控訴に基づいて第1審判決を破棄する場合には、控訴申立後の未決勾留日数は、刑事訴訟法495条2項2号により、判決が確定して執行される際当然に全部本刑に通算されるべきものであって、控訴裁判所には、上記日数を本刑に通算するか否かの裁量権が委ねられておらず、刑法21条により判決においてその全部又は一部を本刑に算入する旨の言渡しをすべきでないとした事例。
2014.01.28
収賄、地方公務員法違反、犯人隠避被告事件並びに贈賄被告事件
LEX/DB25502351/福岡地方裁判所 平成25年11月8日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1069号等
警察官である被告人Aは、Bに係る覚せい剤取締法違反被疑事件の捜査主任官に指名された者であるが、被告人Aが指定暴力団の会長に電話し、事務所に対する捜索の実施が予定されている旨を告げ、もってその職務上知り得た秘密を漏らし、前記事件に関し、Cを取り調べた際、CがBとの共犯関係を認める供述をしたのに、Cの処罰を免れさせるため、Cを覚せい剤取締法違反事件の被疑者として取り調べるなど必要な捜査を行わず、「Bは知らない」旨を記載したCを供述人とする供述調書1通を作成し、同供述調書を上司に提出するなどし、覚せい剤取締法違反の罪の犯人であるCを隠避させ、被告人Dは、恐喝等被疑事件への関与が疑われていたもの、被告人Eは、被告人Dの兄貴分に当たるものであるが、被告人Aは、被告人D及び被告人Eから、捜査方針や捜査状況に関する情報を漏洩するなど有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼の趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、現金約10万円の供与を受け、自己の職務に関し賄賂を収受し、被告人D及び被告人Eは、共謀の上、被告人Aに対し、現金約10万円を供与し、被告人Aの前記職務に関し賄賂を供与した事案において、被告人Aの地方公務員法違反、犯人隠避については懲役1年、執行猶予3年を言い渡し、被告人Aの収賄、被告人D及び同Eの贈賄については無罪を言い渡した事例。
2014.01.28
傷害被告事件
LEX/DB25446095/横浜地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1049号
飲食店の店長である被告人が、客であるAの顔面を殴打するなどして傷害を負わせたとして、起訴された事案において、被告による殴打の事実を認定した上で、被告人は、客同士のトラブルを避けるため、Aらを退店させようとしたところ、店内でCから暴行を受け、さらに路上でもCから殴られそうになったため、Cの顔面を殴り、その後にBに押し倒されて起き上がったところ、Aから暴行を受けそうになったため、本件暴行に及んだものであり、被告人の暴行には正当防衛が成立するとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2014.01.28
傷害致死、監禁、傷害、逮捕監禁、死体遺棄被告事件
LEX/DB25502421/神戸地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第125号等
大手私鉄に勤務していた被告人Aが、電車のドアにベビーカーが挟まれたと執拗に苦情を申し立てたGに対応したことに端を発し、Aの元妻である被告人C及びCの姉である被告人BらとともにGの指示に盲従して共同生活を営むようになり、被告人3名が、Gらと共謀の上、被告人B及び被告人Cの実母である被害者を居室に監禁し、虐待を継続的に加えて死亡させ、同人の死体をドラム缶に詰めて遺棄するなどした事案において、被告人3名いずれについても、本件各犯行当時、責任能力を有していたと認められ、また、警察に保護を求めるなどの行動に出て本件各犯行に及ばないことが物理的に十分に可能であったことなどに照らすと、期待可能性もあったと認められるとして、被告人Aを懲役3年6月、被告人Bを懲役3年(執行猶予4年)、被告人Cを懲役2年(執行猶予3年)を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.01.28
傷害致死被告事件
LEX/DB25502416/横浜地方裁判所小田原支部 平成25年10月11日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第188号
被告人が、近隣住民に異物を飲まされたとか、自分はがんであると思いこむなどの妄想性障害を発症し、これによるイライラ感からくる暴力的衝動に駆られ、実母である被害者に対して暴行を加えて死亡させた傷害致死の事案において、本件犯行は、妄想性障害の中身とは関係のない母親に向けられたものであって、上記妄想に支配されて行われたものとは認められず、単に妄想によって生じたイライラを母親に対する八つ当たりという形で発散させたに過ぎないと評価すべきであることなどから、被告人の完全責任能力を認め、被告人を懲役6年(求刑5年)に処した事例(裁判員裁判)。
2014.01.28
公正証書原本不実記載、同行使、詐欺被告事件
LEX/DB25502356/京都地方裁判所 平成25年9月26日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第699号等
被告人が、Aに本邦における長期の在留資格を取得させるため、同人と婚姻したように偽装しようと企て、役所の出張所において、前記両名が婚姻する旨の内容虚偽の婚姻届を提出して虚偽の申立てをし、同婚姻届を受理させ、被告人の戸籍簿原本にその旨不実の記載をさせた上、これを備え付けさせて行使し、自衛官である被告人は、Aに本邦における長期の在留資格を取得させるため、Aを扶養親族とする扶養手当名下に金員を詐取しようと企て、Aとの婚姻は有効で、Aを扶養しているかのように装い、扶養手当の支給を申請し、その旨誤信させて扶養手当を支給する旨認定させ、19回にわたり、扶養手当及び同手当の支給により増額となる地域手当及び期末手当の増額分を交付させた事案において、懲役2年、執行猶予3年を言い渡した事例。
2014.01.14
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25502392/静岡地方裁判所 平成25年11月22日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第506号
被告人は、実質的に違法な身柄拘束(逮捕)の中で、尿を提出したものであり、その尿及びこれに関連する証拠は違法な捜査によって収集された証拠というべきであり、そしてその違法は令状主義を没却する重大なもので到底看過できるものではなく、将来の違法捜査抑制の観点からも、司法の廉潔性保持の観点からもそれらの証拠の証拠能力を認めることは相当でないから、既に取り調べたこれらの証拠については証拠排除するとした上で、被告人は公判廷で覚せい剤の使用について認めているものの、この自白を補強すべき証拠がないから、被告人を有罪とすることはできず(刑事訴訟法319条2項)、結局、犯罪の証明がないことに帰するとして、被告人に対し無罪の言渡しをした事例。
2014.01.14
殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件、証拠隠滅被告事件
LEX/DB25502347/福岡地方裁判所小倉支部 平成25年11月15日 決定 (第一審)/平成24年(わ)第949号等
被告人甲及び乙の両名は、氏名不詳者らと共謀の上、午前5時31分ころ、路上において、被害者(当時52歳)に向けて、けん銃で弾丸2発を発射して命中させたが、同人に全治約86日間を要する傷害を負わせたにとどまったとして、殺人未遂及び銃刀法違反被告事件において起訴された事案において、被告人甲が実行犯であると認めるには、合理的疑いが残り、被告人乙についても共謀の成立を認めることができないとして、被告人両名に無罪を言い渡した事例。
2014.01.14
中国人妻による替え玉殺人事件
LEX/DB25502395/最高裁判所第三小法廷 平成25年11月11日 決定 (上告審)/平成23年(あ)第881号
中華人民共和国の国籍を有する被告人が、不詳の方法によって自己の夫に傷害を負わせて死亡させ(傷害致死)、糖尿病患者である別の男性を亡夫の身代わりとして病死を装って殺害し、亡夫の資産を相続の名目で不正に入手しようと考え、共犯者と共謀の上、上記男性の身体に麻袋様のものを巻き付け、同人を真冬の納屋に数日間監禁するなどし、インスリンの投与を受けさせないことにより糖尿病を悪化させて同人を殺害し、亡夫とその前妻との間の娘らの作成名義の住民異動届等を偽造、行使して、同女らに無断で住民票を異動し、印鑑を登録した上で印鑑登録証明書を入手し、これを用いて、亡夫の遺族の知らぬ間に、不正に亡夫名義の土地の所有権移転登記を受け、相続届等を偽造、行使するなどして亡夫名義の預貯金等合計約2900万円をだまし取り(殺人、有印私文書偽造、同行使、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、公正証書原本不実記載、同行使、詐欺)、その他、詐欺、出入国管理及び難民認定法違反、公用文書毀棄を行ったという事案の上告審において、被告人を無期懲役に処した第一審判決を維持した原判決について、その刑の量定がこれを破棄しなければ著しく正義に反するということはできないとして、検察官及び被告人の各上告を棄却した事例。
2014.01.14
保護責任者遺棄致死被告事件
LEX/DB25502335/大津地方裁判所 平成25年11月6日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第494号
被告人は、日頃から十分な食事を与えないなど、子(当時1歳7か月)の育児を疎かにしていたものであるところ、同児が高熱を出し、その後も容体が回復しないのを認めていたのであるから、適切な医療措置を受けさせて保護を加える責任があったにもかかわらず、面倒くさいなどという思いから、適切な医療措置を受けさせず、自宅において、同児を気管支肺炎により死亡させたとして保護責任者遺棄致死により起訴された事案において、結果が悲惨であり、被告人が強い非難を受けることは避けられないなどとして、被告人に懲役5年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.01.14
自動車運転過失傷害被告事件
LEX/DB25446015/千葉地方裁判所 平成25年10月8日 判決 (第一審)/平成23年(わ)第1722号
被告人が、普通乗用自動車を運転中、対面信号機が赤色信号表示であったのに交差点に進入し、右方道路から青色信号表示に従って進行してきた普通乗用自動車と衝突し、6名に傷害を負わせたとして、自動車運転過失致死傷罪で起訴された事案において、被告人が本件事故当時、睡眠時無呼吸症候群を原因として予兆なく急激に睡眠状態に陥り、対面信号機の信号表示に留意する義務を履行することができない状態に陥っていたとの合理的疑いを払拭することができないから、被告人に前記義務違反の過失を認めることはできないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。