注目の判例

刑事訴訟法

2016.05.10
損害賠償請求事件(勾留中「鼻から栄養剤」で負傷、男性逆転敗訴) 
LEX/DB25447917/最高裁判所第一小法廷 平成28年 4月21日 判決 (上告審)/平成26年(受)第755号
被告(被控訴人・上告人。国)が、原告(控訴人・被上告人)に対し、原告の当時の身体状態に照らして不必要であった鼻腔経管栄養補給処置を実施したことが、拘置所に収容された被勾留者に対する診療行為における安全配慮義務に違反し、債務不履行を構成するなどと主張して、損害賠償を求め、第1審は、原告の請求を棄却したため、原告が控訴し、控訴審は、第1審判決を変更し、原告の請求を一部認容したため、被告が上告した事案において、国は、拘置所に収容された被勾留者に対して、その不履行が損害賠償責任を生じさせることとなる信義則上の安全配慮義務を負わないというべきであるとし、これと異なる原審の判断は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中被告敗訴部分を破棄し、これを棄却した第1審判決は是認することができるから、上記部分に関する原告の控訴を棄却した事例。
2016.04.19
損害賠償請求事件 
LEX/DB25447903/最高裁判所第三小法廷 平成28年 4月12日 判決 (上告審)/平成26年(受)第754号
死刑確定者として拘置所に収容されている原告(控訴人・被上告人)が、信書の発信を拘置所長が許さずこれを返戻した行為が違法であると主張して、被告(被控訴人・上告人。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求め、原審は、本件各信書がA弁護士に対する信書であり、刑事収容施設法139条1項所定の信書には該当しないとした上で、原告の請求を一部認容すべきものとしたため、被告が上告した事案において、大阪拘置所長が、刑事収容施設法139条2項の規定により発信を許すことができないものとし、原告に対し本件各信書を返戻した行為は、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとし、原審の判断には法令の違反があるとして、原判決中被告敗訴部分を破棄し、原告の請求を棄却した第1審判決は正当であり、原告の控訴を棄却した事例。
2016.04.12
詐欺,証拠隠滅被告事件 
LEX/DB25447891/最高裁判所第一小法廷 平成28年 3月31日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第1857号
被告人が、Aと共に警察署を訪れ、同署刑事課組織犯罪対策係所属のB警部補及びC巡査部長から,暴力団員である知人のDを被疑者とする覚せい剤取締法違反被疑事件について参考人として取り調べられた際、A、B警部補及びC巡査部長と共謀の上、C巡査部長において、「Aが、Dが覚せい剤を持っているのを見た。Dの見せてきたカバンの中身をAがのぞき込むと、中には、ティッシュにくるまれた白色の結晶粉末が入った透明のチャック付きポリ袋1袋とオレンジ色のキャップが付いた注射器1本があった」などの虚偽の内容が記載されたAを供述者とする供述調書1通を作成し、他人の刑事事件に関する証拠を偽造したという事案において、前記行為は、単に参考人として捜査官に対して虚偽の供述をし、それが供述調書に録取されたという事案とは異なり、作成名義人であるC巡査部長を含む被告人ら4名が共同して虚偽の内容が記載された証拠を新たに作り出したものといえ、刑法104条の証拠を偽造した罪に当たるとし、被告人について、A、B警部補及びC巡査部長との共同正犯が成立するとした原審の判断は正当であるとして、上告を棄却した事例。
2016.04.05
強姦被告事件 
「新・判例解説Watch」H28.6中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25541932/福岡高等裁判所宮崎支部 平成28年 1月12日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第9号
被告人が、路上で被害女性を強姦したとして強姦罪により起訴され、原判決が、被害者供述の信用性を認め、被告人に懲役4年の有罪判決を言い渡し、被告人が控訴をした事案において、被告人は、合意の下、性的関係を持とうとして被害者と路上で一定の性的接触をしたが、何らかの被害者の感情を害するトラブルが生じたにすぎないという可能性が否定できないとして、原判決を破棄し、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2016.03.15
 
LEX/DB25541879/京都地方裁判所 平成28年 1月23日 決定 (準抗告審)/平成28年(む)第40001号
詐欺事件に係る勾留請求却下の裁判に対し、検察官から準抗告の申立てた事案において、被疑者については罪証隠滅のおそれがあるとはいえ、勾留の必要性はないとして、被疑者に関係者に接触しないことや任意の呼び出しに応じる旨の誓約書を提出させた上で、勾留請求を却下した原裁判の判断が不合理であるとはいえないとし、準抗告を却下した事例。
2016.03.15
 
LEX/DB25541880/京都地方裁判所 平成27年11月20日 決定 (準抗告審)/平成27年(む)第3773号
強制執行妨害目的財産損壊等被疑事件につき、京都簡易裁判所裁判官がした勾留の裁判に対し、勾留の理由も必要性もない上、先行事件と同時処理されるべき被疑事実による勾留であり、身柄拘束の不当な蒸し返しにあたり違法な勾留であるから、原裁判を取消し、勾留請求を却下する裁判を求めた弁護士が、準抗告の申立てた事案において、一罪と見るのが自然な上、事実を分断して身柄拘束を繰り返すことにより被疑者らの供述を得て、事案の解明を図ろうとしているのではないかとの疑いも残る以上、勾留は認められるべきではないとし、原裁判を取り消し、勾留請求を却下した事例。
2016.03.15
 
LEX/DB25541881/京都地方裁判所 平成27年 5月21日 決定 (準抗告審)/平成27年(む)第1567号
ウェブサイトの映像配信システムを利用して、不特定多数の視聴者らに陰部の映像を観覧させた公然わいせつ被疑事件(本件)に係る勾留の裁判に対し、弁護人から準抗告の申立てた事案において、被疑者は、22日間、本件とは別の登録者が撮影した映像の配信による公然わいせつの事案(前件)によって逮捕勾留され、その釈放後引き続き本件により逮捕されたことが認められ、前件と本件の被疑事実では時期や関与した登録者らが異なるものの、被疑者と登録者との間に直接の共謀は認められないという本件の構造や、前件時と本件時で被疑者の当該会社における立場が同様であるという事情にも照らせば、本件と前件の間で被疑者の関与形態に大きな変化はないと考えられ、前件と本件の捜査対象はほぼ同一であり、本件勾留請求は、実質的には身体拘束の時間制限を潜脱する違法なものであるとして、原裁判を取り消し、本件勾留請求を却下した事例。
2016.02.02
強姦未遂、強姦、強制わいせつ被告事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25541525/福岡高等裁判所宮崎支部 平成27年 9月15日 決定 (抗告審)/平成27年(く)第34号
被告人に対する強姦未遂、強姦、強制わいせつ被告事件について、宮崎地方裁判所がした提出命令に対し、弁護人から抗告の申立てがあった事案において、弁護人は、本件デジタルビデオカセットをいずれも、一旦、警察官又は検察官に提出して開示しており、本件デジタルビデオカセットについては、弁護人の上記開示行為によって、秘密性を喪失したといえ、刑訴法105条の「他人の秘密に関するもの」には当たらないから、弁護人らは、いずれも本件デジタルビデオカセットにつき押収拒絶権を有しないとし、また、原裁判は、本件デジタルビデオカセットにつき、没収すべき物と思料するものに当たるとした上で、本件デジタルビデオカセットの内容は、複製DVDが証拠請求され、取調べ済みである上、公判手続は結審していること、この間、被告人がその提出を頑なに拒み、具体的な保管場所も明らかにしない態度であったこと、上級審における証拠調べの機会は失われていないことを踏まえて、本件デジタルビデオカセットに没収の言渡が行われる事態を想定し、押収する必要性を認めたものであるところ、原裁判の差押えの必要性についての上記判断に、その裁量を逸脱した点は見当たらないとし、原裁判に弁護人らの押収拒絶権を侵害する違法はなく、その他に被告人の弁護人依頼権を侵害する点も見当たらないから、原裁判は憲法37条3項に違反するものではないとして、抗告を棄却した事例。
2015.12.29
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出一部不許可処分に対する準抗告の決定に対する特別抗告
LEX/DB25447653/最高裁判所第三小法廷 平成27年12月14日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第401号
閲覧請求人が、平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故で放出された放射性物質に汚染された木材チップ合計約310立方メートルを滋賀県内の河川管理用通路に廃棄したという被告人に対する廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件に係る刑事確定訴訟記録の一部である〔1〕被告事件の裁判書、〔2〕滋賀県が河川敷進入のための鍵を貸与した経緯、本件木くずと余罪に関する木くずの両方について移動経路、保管状況等が分かる供述調書、報告書等、〔3〕起訴状の閲覧請求をしたところ、同記録の保管検察官が、被告事件の裁判書、起訴状、確定審の検甲16号証(滋賀県が鍵を貸与した経緯等に関するもの)につき閲覧を許可する一方、木くずの移動経路、保管状況等が分かる供述調書、報告書等の部分については、刑事確定訴訟記録法4条2項5号の閲覧制限事由に該当するとして、閲覧不許可としたため、閲覧請求人が準抗告を申し立てたところ、原決定は、閲覧請求人の主張を一部認め、主文第1項で、保管検察官の閲覧一部不許可処分を取消した上、主文第2項で、保管検察官は、閲覧請求人に対し、犯罪捜査報告書(確定審の検甲50号証)、犯罪捜査報告書2通(同検甲51,52号証)につき、閲覧させなければならないとし、主文第3項で,その余の準抗告申立てを棄却したため、閲覧請求人が特別抗告した事案において、本件閲覧許可部分のうち、別紙の除外部分の限度では、刑事確定訴訟記録法4条2項5号の閲覧制限事由に該当するとした保管検察官の判断は正当であり、これに該当しないとして、保管検察官の閲覧一部不許可処分を取り消した上、閲覧をさせなければならないとした原判断には、同号の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定の主文第2項を取り消した上、同部分に関する準抗告につき一部を認容し、その余を棄却することとし、その余の本件抗告を棄却した事例。
2015.12.22
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反被告事件
LEX/DB25447650/最高裁判所第二小法廷 平成27年12月14日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第1483号
被告人は、A社の代表取締役Bからの委任を受け、A社が営むバイオガス製造事業に関し、A社の国に対する補助金交付申請に係る業務を代理していたものであるが、不正の手段により、環境省が所管する「平成20年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の交付を受けようと企て、A社の業務に関し、環境大臣に対し、かねて当該事業に関し補助金額を1億1069万2000円とする交付決定を受けていた前記補助金につき、真実は、バイオガス製造設備のうち堆肥貯蔵施設及びガス精製設備等の設置が完了していないのに、設置が完了した旨の内容虚偽の実績報告書を提出し、補助金額を前記のとおり確定させた上、A社名義の口座に補助金1億1069万2000円を振込入金させ、偽りその他不正の手段により補助金の交付を受けたことで起訴された事案において、原判決は、被告人が補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律32条1項の「代理人」に当たるとして、前記1のとおり、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の犯罪事実を認定した第1審判決を是認した原判断は相当であるとし、上告を棄却した事例。
2015.12.01
提出命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447600/最高裁判所第三小法廷 平成27年11月19日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第556号
強姦未遂,強姦,強制わいせつ被告事件の被告人によって選任された弁護人らに対し、検察官が、被告人の委託を受けて保管中の犯行状況とされるものを撮影録画したデジタルビデオカセットにつき、公判期日で、没収相当との求刑をし、裁判所の職権により差押えをするよう申し立てたが、弁護人らは、被告人が上記デジタルビデオカセットの所有権放棄、映像データの消去に応じる意向を示していないことを理由に、弁護人らが保管する上記デジタルビデオカセットの任意提出を拒否し、また、差押えの申立てに関して、主任弁護人は、捜査機関によって作成された複製DVDでは判明し得なかった会話が記録されている可能性があるから「秘密」に当たり、押収拒絶権を行使できるなどとして、反対する旨の意見を述べたところ、原々審では上記デジタルビデオカセットを裁判所に提出するよう命じ、弁護人らはこれに対し、抗告を申し立てたが棄却されたため、特別抗告した事案において、デジタルビデオカセットは、主任弁護人により警察官への任意提出や検察官への証拠開示、その一部についての証拠請求がされ、更にその全部の複製DVDが公判期日で被告人及び弁護人らの異議なく取り調べられているから、被告人の意思に基づく訴訟活動の結果、デジタルビデオカセットに記録された情報の全ては、もはや「秘密」でなくなったことが明らかであり、デジタルビデオカセットは、刑事訴訟法105条の「他人の秘密に関するもの」に当たらないとし、弁護人らに、デジタルビデオカセットにつき押収拒絶権がないとした原決定は正当であるとして、抗告を棄却した事例。
2015.11.10
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出不許可処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447540/最高裁判所第二小法廷 平成27年10月27日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第428号
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出不許可処分に対する準抗告が棄却決定されたため、抗告人が特別抗告した事案において、刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書、刑事訴訟法53条1項ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」には、保管記録を請求者に閲覧させることによって、その保管記録に係る事件と関連する他の事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合が含まれるとする原決定の解釈は、正当であるとして、抗告を棄却した事例。
2015.11.10
保釈取消し決定及び保釈保証金の全部を没取する決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447532/最高裁判所第二小法廷 平成27年 9月28日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第532号
保釈取消し決定及び保釈保証金の全部を没取する決定に対し抗告棄却決定されたため、抗告人が特別抗告した事案において、被告人に弁明や説明の機会を与えないまま保釈を取消し、保釈保証金の全部を没取した原々決定及びこれを是認した原決定は、憲法31条に違反するとの抗告人の所論には理由がないとして、抗告を棄却した事例。
2015.11.10
保釈取消し決定及び保釈保証金の全部を没取する決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447533/最高裁判所第二小法廷 平成27年 9月28日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第533号
保釈取消し決定及び保釈保証金の全部を没取する決定に対し抗告棄却決定されたため、抗告人が特別抗告した事案において、被告人にあらかじめ弁明や説明の機会を与えないまま保釈を取消し、保釈保証金の全部を没取した原々決定及びこれを是認した原決定は、憲法31条に違反するという抗告人の所論には理由がないとして、抗告を棄却した事例。
2015.11.10
拘置所職員のした処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447530/最高裁判所第三小法廷 平成27年 9月 8日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第483号
拘置所職員のした処分に対する準抗告で棄却決定されたため、抗告人が特別抗告した事案において、弁護人からの飲食物差入れ拒否及び弁護人への宅下げ禁止のような拘置所職員のした処分に対しては、刑事訴訟法430条1項又は2項の準抗告を申し立てることはできないとした原判断は正当であるとして、抗告を棄却した事例。
2015.11.04
勾留請求却下の裁判に対する準抗告の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447525/最高裁判所第二小法廷 平成27年10月22日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第597号
被疑者は、大阪家庭裁判所審判官によりAの成年後見人に選任され、同人名義の預金通帳等を保管し、同人の財産を管理する業務に従事していたものであるが、東大阪市内の郵便局に開設された同人名義の通常郵便貯金口座の貯金を同人のため預かり保管中、八尾市内の郵便局において,同口座から現金300万円を払い戻し、同日、東大阪市内で、これをBに対し、ほしいままに貸付横領した被疑事実において、原々審は、勾留の必要性がないとして勾留請求を却下したが、原決定は、(1)事案の性質及び内容、取り分け、被害者が成年被後見人であって現在死亡していることや被害額、被疑者の供述内容等に照らすと、被疑者が、本件の罪体等に関し、関係者に働きかけるなどして罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が認められ、また、これらの事情に加え、被疑者の身上関係等を併せ考慮すると、被疑者が逃亡すると疑うに足りる相当な理由も認められる、(2)家庭裁判所からの告発が平成23年になされ、捜査が相当遅延しているものの、現時点においては、本件の公訴時効の完成が迫っており、起訴不起訴を決する最終段階に至っていることからすると、勾留の必要性がないとまではいえない旨説示し、原々審の裁判を取消したため、特別抗告した事案において、原決定には、刑事訴訟法60条1項の解釈適用を誤った違法があるとし、刑事訴訟法411条1号を準用して原決定を取り消し、刑事訴訟法434条、刑事訴訟法426条2項により更に裁判をすると、本件について勾留請求を却下した原々審の裁判に誤りがあるとはいえないから、本件準抗告は、刑事訴訟法432条、刑事訴訟法426条1項により棄却した事例。
2015.09.15
傷害致死被告事件
LEX/DB25447426/最高裁判所第一小法廷 平成27年 8月25日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第1045号
公判調書の整理期間を規定した刑事訴訟法48条3項は、憲法31条の刑事裁判における適正手続の保障と直接には関係のない事項であり、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2015.08.04
(令状ないGPS捜査は違法 証拠不採用)
「新・判例解説Watch」H27.9下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25540308/大阪地方裁判所 平成27年 6月 5日 決定 (第一審)/平成25年(わ)第5962号等
窃盗、建造物侵入、傷害被告事件について、〔1〕本件泳がせ捜査、〔2〕本件追尾監視型捜査、〔3〕本件GPS捜査はいずれも令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、本件各証拠はこれらの捜査によって得られた証拠及び派生的証拠であって、これを証拠として許容することが将来における違法捜査抑制の見地からして相当でないことから証拠能力がないものとして排除すべきであるとの弁護士の主張に対し、〔1〕本件泳がせ捜査については、捜査機関としての裁量を逸脱した著しく不合理な判断があったとはいえないとし、〔2〕本件追尾監視型捜査については、強制処分に当たらない上、捜査目的を達成するため、必要な範囲において、かつ、相当な方法によって行われたものといえるから、任意捜査として適法であるが、ビデオ撮影のうち、郵便受け内部の郵便物を撮影した警察官の行為は、郵便物の差出人や受取人のプライバシー等を大きく侵害するものであるから、捜索又は検証としての性質を有する強制処分に該当し、無令状でこれを行った行為は違法であるとし、〔3〕本件GPS捜査については、検証許可状によることなく行われ、無令状検証の誹りを免れず、違法であるとして、証拠能力が否定される各証拠については、その証拠調べを却下し、他方、証拠能力が否定されない各証拠については、弁護人が伝聞法則との関係で同意していることから、証拠として採用することを決定した事例。
2015.07.21
損害賠償請求事件(刑務所の食事がカロリー不足 国に賠償命令)
LEX/DB25540413/甲府地方裁判所 平成27年 5月26日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第313号
甲府刑務所に収容されていた原告(懲役受刑者)が、甲府刑務所長の原告に対する行為が違法であるなどと主張し、被告(国)に対して、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払いを求めた事案において、刑務所長が、約2年2か月間にわたり熱量の不足した主食を原告に給与したことについては、注意義務を尽くすことなく漫然と行ったといわざるを得ないとして、同法上の違法性を認め、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2015.07.21
損害賠償請求控訴事件、附帯控訴事件(証拠のビデオテープ紛失 受刑者逆転敗訴)
LEX/DB25540489/東京高等裁判所 平成27年 5月13日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5018号等
裁判所が原告に対する刑事被告事件において、押収したビデオテープの保管機関である裁判所職員及び裁判所から同ビデオテープの保管を委託されていた警視庁公安総務課長の違法な職務行為によって本件紛失が生じ、その結果、原告(被控訴人・附帯控訴人)は精神的損害を受けたと主張し、原告が、被告(控訴人・附帯被控訴人。国、東京都)らに対し、国家賠償法1条1項に基づく損害の賠償として、各自1000万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原審が、本件紛失について、裁判所職員及び公安総務課長の違法な職務行為によるものであると認めて被告らの国賠法に基づく責任を肯定した上、本件紛失によって原告が被った精神的損害を20万円と評価し、被告らに対して各自20万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で原告の請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却したため、被告らがそれぞれ敗訴部分の取消し及び同取消しに係る請求の棄却を求めて控訴した事案、また、原告が、原告敗訴部分を含めて請求全額の認容を求めて本件附帯控訴した事案において、原告の請求はいずれも理由がないから、原判決中、被告ら敗訴部分を取消し、同取消しに係る原告の請求及び本件附帯控訴をいずれも棄却した事例。