注目の判例

刑事訴訟法

2013.11.05
業務上過失傷害被告事件
LEX/DB25445945 / 横浜地方裁判所 平成25年9月17日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第576号
麻酔科医師である被告人が、手術室において患者に対して全身麻酔を施したが、患者に酸素を供給していた蛇管が脱落していたことに気付かず、患者に低酸素脳症による脳機能傷害等の傷害を負わせたとして、業務上過失傷害罪で起訴された事案において、手術室全体の調整や後期研修医の指導・補助等のために約27分間手術室を不在にした被告人の行動について、常時在室して患者の全身状態を絶え間なく看視すべき業務上の注意義務を認めることはできないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。
2013.11.05
逮捕監禁,強姦致傷被告事件
LEX/DB25445946 / 神戸地方裁判所 平成25年7月25日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第155号
被告人が、以前から性的関係のあった被害者との関係修復を試みようとしたが、被害者から拒絶的な態度をとられたことから、被害者を自動車内に逮捕監禁し、強いて姦淫し、暴行を加えて傷害を負わせた事案において、被害者の負傷は、強姦行為によって生じたものとはいえないから被告人に強姦致傷罪は成立せず、被告人の暴行により被害者を負傷させた点は、別途、傷害罪を構成するにとどまるなどとして、被告人を懲役3年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.11.05
詐欺被告事件
LEX/DB25445947 / 神戸地方裁判所 平成25年7月12日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第524号
被告人が、知人及び夫と共謀して、資格試験を受験中の息子を案じる被害者に対し、受験に関して有利に取り扱う口利きができると誤信させ、多額の金銭をだまし取った事案において、被告人には、第一の詐欺については詐欺の故意があったとは認定できないが、第二の詐欺については詐欺の未必的な故意があったと認められ、かつ共同正犯としての罪責を負うとして、被告人を懲役2年(執行猶予3年)に処した事例。
2013.11.05
殺人被告事件
LEX/DB25501758 / 福岡地方裁判所 平成25年7月12日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第223号
被告人が、被告人方において妊娠中の妻を殺害し、心中を装った事案において、被告人と妻との間に心中に関するやり取りはなかったと認められるとして、同意殺人罪の成立を否定し、殺人罪を適用して被告人を懲役16年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.29
再審開始決定及び死刑執行停止決定に対する異議申立ての決定に対する特別抗告事件
(名張毒ぶどう酒殺人事件第7次再審請求の差戻し後の特別抗告事件)
LEX/DB25445953 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年10月16日 決定 (特別抗告審) / 平成24年(し)第268号
 原決定(差戻し後の異議審決定)が、新たに実施した鑑定結果によれば、TRIEPPは有機化合物の成分を分離する一方法であるエーテル抽出では抽出されないから、その方法を用いて抽出が行われていた事件検体からTRIEPPが検出されていないからといって、本件使用毒物がニッカリンTでなかったことを導き出すものとはいえないと判断し、また、対照検体からTRIEPPが検出された点については、ニッカリンTに含まれる物質であるペンタエチルトリホスフェート(PETP)がエーテル抽出され、エーテル抽出後にTRIEPPを生成して検出されたものと考えられる旨判断し、本件使用毒物がニッカリンTであることと,TRIEPPが事件検体からは検出されなかったこととは矛盾するものではなく,証拠群3は,刑事訴訟法435条6号には該当するものではない旨判断し、原決定(差戻し後の異議審決定)は、その余の4つの証拠群についても最高裁決定(平成19年(し)第23号同22年4月5日第三小法廷決定)同様に判断して同号該当性を否定して、改めて再審開始決定を取り消して再審請求を棄却したたため、弁護人が特別抗告をした事案において、原審(差戻し後の異議審)の鑑定は、科学的に合理性を有する試験方法を用いて、かつ、当時の製法を基に再製造したニッカリンTにつき実際にエーテル抽出を実施した上でTRIEPPはエーテル抽出されないとの試験結果を得たものである上、そのような結果を得た理由についてもTRIEPPの分子構造等に由来すると考えられる旨を十分に説明しており、合理的な科学的根拠を示したものであるということができ、証拠群3は,本件使用毒物がニッカリンTであることと何ら矛盾する証拠ではなく、申立人がニッカリンTを本件前に自宅に保管していた事実の情況証拠としての価値や、各自白調書の信用性に影響を及ぼすものではないことが明らかであるとして、証拠群3につき刑事訴訟法435条6号該当性を否定した原判断は正当であるとし、また、本件ぶどう酒の開栓方法等に係る実験結果報告書等のその余の4つの証拠群についても,最高裁決定(平成19年(し)第23号同22年4月5日第三小法廷決定)の判示のとおり同号該当性は認められず、同旨の原判断は正当であるとした事例。
2013.10.29
 
LEX/DB25501719 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年 9月 3日 決定 (上告審) / 平成24年(あ)第417号
 千葉市長の職にあった被告人が、同市の発注する土木工事について入札を希望する建築業者から、入札参加資格の基準緩和等の有利かつ便宜な取り計らいを受けたい旨等の趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、2回にわたり現金を収受したという収賄の事案の上告審において、上告趣意は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、被告人の上告を棄却した事例。
2013.10.29
 
LEX/DB25501723 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年 9月 3日 決定 (上告審) / 平成23年(あ)第2144号
 一審判決が有罪の根拠とした間接事実の一部に事実誤認があり、かつ、関係証拠から認められる間接事実によっては、被告人が放火犯人であると合理的な疑いを超えて立証されたとは認め難いことから、被告人を放火の犯人であると認定した一審判決の事実認定は、論理則、経験則等に照らして不合理であるとして、一審判決中有罪部分を破棄し、公訴事実中現住建造物等放火の点について、被告人に無罪の言渡しをした原判決に対する検察官上告につき、検察官の上告趣意は、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、上告を棄却した事例。
2013.10.29
公文書変造・同行使(変更後の予備的訴因有印公文書偽造・同行使)、有印私文書偽造・同行使、業務上横領被告事件
LEX/DB25501697 / 岡山地方裁判所 平成25年 8月28日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第736号等
 岡山弁護士会所属の弁護士であった被告人が、受任した事件の依頼者やその相手方等から、当面の生活費の支払や本来は後に支払われるべき賠償金の内払いなどを求められ、安易にこれに応じて立替金の名目で金銭を支払ったことに端を発して、次第に経済的に逼迫し、その結果、犯したとされた、公文書変造・同行使、有印私文書偽造・同行使、業務上横領被告事件の事案において、本件における各犯行は、交通事故等によって、大きな痛手を負った被害者らの今後の生活を支えるために不可欠な賠償金や保険金等を、被害者等が置かれた状況を十分に承知しながら繰り返し横領し、被害者等をさらなる窮状に陥れたものであり、このような犯行は、依頼者の権利利益を実現すべき弁護士の職責に真っ向から反するものである等として、その態様は悪質であり、強い非難に値するなどとして、被告人を懲役14年に処した事例。
2013.10.29
愛知県青少年保護育成条例違反被告事件
LEX/DB25501722 / 名古屋高等裁判所 平成25年 7月 9日 判決 (控訴審) / 平成25年(う)第88号
 被告人が経営していた塾の冬期講習に通っていた少女Aが、進学した高校の授業についていけなかったことから、個人的に指導を依頼し、勉強を教えてもらい、1学期の期末テストの結果報告のため、塾を訪れた際、被告人が、Aの乳房をもんだり、乳首をなめたり、陰部に手の指を挿入するなどし、青少年に対して、わいせつ行為をしたという事案の控訴審において、原判決が、原判示の事実に沿うAの供述に信用性を認め、原判示の事実を認定したことは正当であり、(事実認定の補足説明)で認定説示するところも、論理則及び経験則に反した不合理な点はなく、概ね正当として是認することができるとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2013.10.29
各爆発物取締罰則違反被告事件
LEX/DB25501728 / 東京高等裁判所 平成25年 6月27日 判決 (第二次控訴審) / 平成22年(う)第2280号
 中核派の構成員である被告人3名が、同派の構成員らと共謀の上、昭和61年4月15日及び同年5月4日、在日米軍横田基地と東京サミットの行事開催中の迎賓館に向けて、各5発の金属製砲弾を順次発射し、うち1個を同基地内に、5個を迎賓館周辺の道路等に着弾させて爆発させ、爆発物を使用したという爆発物取締罰則違反2件の事案の第二次控訴審において、事実誤認の論旨は理由がないとして、被告人らの各控訴を棄却した事例。
2013.10.29
住居侵入、強盗殺人被告事件
LEX/DB25501724 / 東京高等裁判所 平成25年 6月20日 判決 (控訴審) / 平成23年(う)第773号
 被告人が、金品を強奪する目的で、被害者方へ侵入し、室内で寝ていた被害者の首を包丁で突き刺して殺害した、という住居侵入、強盗殺人の事案の控訴審において、本件が重大かつ冷酷非情な犯行であり、被告人には二人の生命を奪った前科があることを十分に考慮しても、なお、死刑を選択することが真にやむを得ないものとはいえないとして、原判決(死刑)を破棄し、被告人を無期懲役に処した事例。
2013.10.29
愛知県青少年保護育成条例違反被告事件
LEX/DB25501721 / 名古屋地方裁判所 平成25年 2月18日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第2603号
 被告人は、A(当時15歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら、愛知県において、単に自己の性的欲望を満たすだけの目的で、Aの乳房をもんだり、乳首をなめたり、陰部に手の指を挿入するなどし、もって青少年に対して、わいせつな行為をしたとして、被告人を懲役6か月(執行猶予3年)に処した事例。
2013.10.22
 
LEX/DB25501693 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 7月22日 決定 (上告審) / 平成25年(あ)第495号
 被告人が、アスペルガー障害を有し、長期間引きこもりの生活をしていたところ、その精神障害の影響で姉である被害者の言動が自分に対する嫌がらせであるなどと受け止め、いわれない憎しみを募らせた末に殺害を決意し、あらかじめ包丁を準備して、被害者が自宅を訪れるのを待ち受けた上で、何ら落ち度のない被害者に対し、執ように包丁で切りつけて殺害したとされた事案の上告審において、弁護人の上告趣意は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、本件上告を棄却した事例。
2013.10.22
殺人被告事件
LEX/DB25501736 / 横浜地方裁判所 平成25年 7月10日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第298号
 被告人が、77歳の妻の認知症の症状を悲観して、無理心中を企て、睡眠薬で入眠させた妻を両手で絞殺したという事案において、とりわけ本件犯行の経緯に関する酌むべき事情を考慮しても、罪質や結果の重大性、犯行態様の悪質性等を踏まえると、本件について刑の執行を猶予することは相当でないとして、被告人を懲役2年6か月に処した事例。
2013.10.22
業務上過失致死被告事件
LEX/DB25501614 / 東京地方裁判所 平成25年 3月 4日 判決 (第一審) / 平成23年(刑わ)第2213号
 歯科医師である被告人が、インプラント手術の際、業務上の注意義務に違反して、ドリルで被害者の口腔底内の血管を損傷し、被害者を死亡させたという事案において、被告人には、手術に当たり、オトガイ下動脈等の血管を損傷する危険性を認識した上で、これらの血管を損傷することのないよう、ドリルを挿入する角度及び深度を適切に調整して埋入窩を形成すべき業務上の注意義務があるのに、これを怠り、ドリルを挿入する角度及び深度を適切に調整せず、右下顎骨の舌側近心方向にドリルを挿入し、右下顎第1小臼歯根尖下方の舌側皮質骨を穿孔してドリルを口腔底の軟組織に突出させた過失があるというべきであるとして、業務上過失致死罪の成立を認めて、被告人を禁錮1年6月に処し、執行猶予3年を言い渡した事例。
2013.10.15
各凶器準備集合被告事件
LEX/DB25501667 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (第一審) / 平成25年(刑わ)第147号
 被告人ら2名は、準暴力団関係者らと共同し、被害者を対立する人物と誤信して危害を加える目的で凶器準備集合を行ったとの事案において、目的は準暴力団内の身勝手な論理に基づく極めて悪質かつ危険なもので、態様は社会の平穏を大きく害し、組織性や計画性も高く、被害者が死亡しており、犯行による危険が現実化していること、被害者の父親が厳しい処罰感情を有していること等は軽視できないが、他方で、被告人両名の関与の程度は低い程度で留まっていた事情も考慮し、被告人両名に対し、それぞれ懲役1年6月、執行猶予4年を言い渡した事例。
2013.10.15
各凶器準備集合被告事件
LEX/DB25501668 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (第一審) / 平成25年(刑わ)第1111号
 被告人ら4名は、準暴力団関係者らと共同し、被害者を対立する人物と誤信して危害を加える目的で凶器準備集合を行ったとの事案において、目的は準暴力団内の身勝手な論理に基づく極めて悪質かつ危険なもので、態様は社会の平穏を大きく害し、組織性や計画性も高く、被害者が死亡しており、犯行による危険が現実化していること、被害者の父親が厳しい処罰感情を有していること等は軽視できないが、他方で、被告人ら4名の関与の程度は低い程度で留まっていた事情も考慮し、被告人らに対し、それぞれ懲役1年6月、執行猶予4年を言い渡した事例。
2013.10.15
強要、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25501664 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 8日 判決 (第一審) / 平成25年(刑わ)第1111号
 被告人は、被害児童(当時13歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、被害児童の顔と下着姿の画像データを入手し、これをインターネット上の掲示板に掲載すると言って脅迫した上、児童ポルノ画像を製造しようと考え、被害児童に対し、電子メールを送信して脅迫し、被害児童の陰部等を撮影させた上、その画像データを送信させ、児童ポルノを製造したとの強要、児童売春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の事案において、被告人に根強い常習性が認められるとして、被告人を懲役1年6月に処した事例。
2013.10.15
住居侵入、強姦致傷、強姦被告事件
LEX/DB25501666 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 7日 判決 (第一審) / 平成24年(合わ)第139号等
 被告人は、5年以上にわたって、深夜徘徊して無施錠の女性の一人暮らしと思われる部屋を探し当てては、住居侵入、強姦致傷、強姦の各犯行に及ぶといったことを7回にわたり繰り返したとの住居侵入、強姦致傷、強姦の事実で起訴された事案において、犯行の数の多さ、各被害者に与えた深い心の傷を重視すると、極めて悪質であること、個々の犯行態様も計画的かつ巧妙であること、被害者らがいずれも被告人の弁償申出を拒絶していること、過去にも同様の犯行を行い、8年間服役しており、常習性は顕著であり、再犯可能性も高いこと等から、被告人の刑事責任は重いとして、被告人を懲役28年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.15
保護責任者遺棄致死(予備的訴因:業務上過失致死)被告事件
LEX/DB25501661 / 大阪地方裁判所 平成25年 7月31日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第1487号
 被告人は、ガールズバー経営者として飲食業を営み、雇い入れた未成年の女性らに飲酒を伴う接客等を行わせるなどの業務を行っていたところ、泥酔状態に陥った従業員の被害者女性(当時18歳)が床の上で横になっているのを認めるとともに、別の従業員から同女が接客業務の一環として短時間にブランデーを5、6杯飲んだことを告げられたから、同女の生命身体の安全に配慮すべき業務上の注意義務があったが、これを怠り、同女を漫然と放置した過失により、急性アルコール中毒で死亡させたとの保護責任者遺棄致死の事案において、被告人を禁錮1年6か月、執行猶予3年を言い渡した事例。