注目の判例

民法(財産法)

2020.11.24
免責条項等使用差止請求控訴、同附帯控訴事件 new
LEX/DB25566893/東京高等裁判所 令和 2年11月 5日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1093号 等
被控訴人(原告)が、控訴人(被告)は消費者との間でモバゲーに関するサービス提供契約を締結するに当たり、消費者契約法8条1項の不当条項を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示を現に行い、又は行うおそれがあると主張し、消費契約法12条3項に基づいて、控訴人に対し、消費者との間で本件契約を締結するに際し、原判決別紙契約条項目録記載1及び2の契約条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を行わないよう求めるとともに、控訴人が同意思表示を行うための事務を行わないことを従業員らに指示するよう求め、原審は、〔1〕原判決別紙契約条項目録記載1の契約条項に係る被控訴人の請求を全部認容し、〔2〕同目録記載2の契約条項に係る被控訴人の請求を全部棄却したところ、控訴人は、上記〔1〕を不服として本件控訴をし、被控訴人は、上記〔2〕を不服として本件附帯控訴をした事案で、原判決別紙契約条項目録記載1の契約条項に係る被控訴人の請求は全部理由があり、同目録記載2の契約条項に係る被控訴人の請求は全部理由がないものと判断し、被控訴人の請求を一部認容し、その余をいずれも棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴及び本件附帯控訴をいずれも棄却した事例。
2020.11.24
株式取得価格決定に対する抗告事件 new
LEX/DB25566835/東京高等裁判所 令和 2年10月 6日 決定 (抗告審(即時抗告))/令和2年(ラ)第1388号
第1事件において、本件株主総会に先立ってジャスダックに株式を上場していた利害関係参加人による本件株式の取得に反対する旨を利害関係参加人に対し通知し、かつ、本件株主総会において当該取得に反対した株主であった抗告人aが、会社法172条1項に基づき、本件株式のうち同抗告人の保有していた5万5000株につき取得価格(1株当たり173円,予備的に1株当たり144円)の決定の申立てをし、第2事件において、基準日後に本件株式100株を取得したため、本件総会において議決権を行使することができない株主であった抗告人が、会社法172条1項に基づき、本件株式のうち同抗告人の保有していた上記100株につき取得価格(1株当たり30円)の決定の申立てをしたところ、原審は、本件株式の取得価格を1株当たり25円とする本件鑑定を採用することなく、1株当たり28円と決定したことで、これを不服とする抗告人らが本件抗告をそれぞれした事案で、本件株式の取得価格を1株当たり28円とした原決定は不当であるが、利害関係参加人の抗告、附帯抗告がない本件においては、不利益変更禁止の原則の趣旨に鑑み、原決定を抗告人らに不利益に変更することは相当ではないから、本件抗告をいずれも棄却するにとどめることとした事例。
2020.11.17
発信者情報開示等請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 令和2年12月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571025/東京地方裁判所 令和 2年 6月26日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第8945号
氏名不詳者が、ツイッター(インターネットを利用してツイートと呼ばれる140字以内のメッセージ等を投稿することができる情報ネットワーク)上で、原告になりすまして、俗悪なユーザー名でアカウントの登録をした上、これを使用して、原告の顔写真を添付して上記アカウント開設に係る投稿をしたことにより、原告の肖像権や名誉感情が侵害されたとして、原告が、上記氏名不詳者(本件発信者)に対する損害賠償請求権の行使のために、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項にいう開示関係役務提供者に当たる被告に対し、同法同条同項に基づき、本件発信者の氏名、シンプルメールトランスファープロトコルが用いられる通信方式(SMTP方式)による電子メールに係る電子メールアドレス及びショートメッセージサービスが用いられる通信方式(SMS方式)による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を求めた事案で、本件投稿による原告の肖像権侵害は、社会生活上受忍の限度を優に超えるものというべきであり、本件投稿は不法行為法上違法となることが明らかであるとし、原告の請求のうち、本件情報を投稿した者(本件発信者)に関するSMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を求める点について一部認容した事例。
2020.11.17
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25566814/東京高等裁判所 令和 1年 9月25日 判決 (控訴審)/令和1年(ネ)第2048号
控訴人(原告)は、被控訴人(被告)らが控訴人の取締役又は監査役を務めていた時期に、控訴人の一人株主からその保有する株式を5250万円で取得し、2650万円で売却したことにつき、被控訴人らがその任務を怠ったとして、被控訴人らに対し、会社法423条1項に基づく損害賠償として、連帯して5250万円の支払等を求め、原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が請求の認容を求めて控訴した事案で、本件株式取得契約及び本件株式売却契約がされた時点において、近い将来に債務超過状態に陥る蓋然性が高かったとはいえないとして、当審における控訴人の主張を採用できないなどとし、控訴人の請求は理由がないから棄却した原判決と同旨であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2020.11.10
建物明渡等請求控訴事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 令和3年1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25566836/大阪高等裁判所 令和 2年 6月19日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第691号
阪神・淡路大震災の被災地の地方公共団体であり、かつ、公営住宅の事業主体である被控訴人(1審原告。神戸市)が、復旧・復興対策として、住宅・都市整備公団(現在は独立行政法人都市再生機構に承継され、UR都市機構)から期間20年で借り上げた本件居室の入居者(転借人)である控訴人に対し、〔1〕主位的に、本件賃貸借契約の借上期間が満了したとして、公営住宅法32条1項6号及び神戸市営住宅条例50条1項7号に基づき、仮に本件転貸借契約に同法32条1項6号等の適用がないとしても、予備的に、本件賃貸借契約の期間満了による終了によって本件転貸借契約も当然に終了し、又は被控訴人からの正当事由のある解約申入れによって本件転貸借契約が終了したとして,本件転貸借契約の終了に基づき、本件居室の明渡しを求め、〔2〕本件居室のUR都市機構からの借上期間満了日の翌日である平成28年1月31日から平成30年3月31日までは1箇月10万2290円の割合(合計266万2839円)、同年4月1日から本件居室の明渡済みまでは1箇月10万1700円の割合による各賃料及び共益費(賃料等)相当損害金の支払を求めたところ、原審は、被控訴人の主位的請求としての明渡請求(上記〔1〕)及び同附帯請求(同〔2〕)を認容したため、これを不服とする控訴人が控訴した事案において、本件転貸借契約には新法(公営住宅法32条1項6号)が適用され、また公営住宅法25条2項所定の通知は、同法32条1項6号に基づく明渡請求の要件とはいえないなどとして、被控訴人の主位的請求を認容した原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2020.10.06
管理費等反訴請求事件
LEX/DB25571065/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 9月18日 判決 (上告審)/平成31年(受)第310号
本件マンションの団地管理組合法人である上告人が、本件マンションの専有部分(本件建物部分)を担保不動産競売によって取得した被上告人に対し、上記競売前に本件建物部分の共有者であった者(本件被承継人)が滞納していた管理費、修繕積立金、専用倉庫維持費等及びこれらに対する遅延損害金の支払義務は建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法8条に基づき被上告人に承継されたとして、上記管理費等及びこれらに対する遅延損害金の支払を求め、原審は、本件配当要求債権は時効消滅したとして、上告人の請求の一部を認容し、その余を棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、法定文書により上告人が区分所有法66条で準用される区分所有法7条1項の先取特権を有することが本件強制競売の手続において証明されたか否かの点について審理することなく、本件配当要求債権及びこれらに対する遅延損害金の支払請求に関する部分を棄却すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上記部分は破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。
2020.09.23
請負代金請求本訴、建物瑕疵修補等請求反訴事件
LEX/DB25571053/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 9月11日 判決 (上告審)/平成30年(受)第2064号
被上告人から建物の増築工事を請け負った上告人が、被上告人に対し、請負代金及びこれに対する遅延損害金の支払等を求めた事案(本件本訴)、被上告人が、上告人に対し、上記建物の増築部分に瑕疵があるなどと主張し、瑕疵修補に代わる損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払等を求めた事案(本件反訴)で、原審が、同時履行の関係に立つ本訴請求債権と反訴請求債権については遅延損害金が発生しないとして、上告人の本訴請求を一部認容し、被上告人の反訴請求を一部認容したため、上告人が上告した事案で、請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし、他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に、本訴原告が、反訴において、上記本訴請求債権を自働債権とし、上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許されるとし、本件相殺の抗弁を主張することは許されないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を変更した事例。
2020.09.23
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25566581/名古屋高等裁判所 令和 2年 7月30日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第203号
控訴人ら及び原審原告q2が、その所有ないし居住する土地の付近で被控訴人が施工した高速道路建設工事により日照権が侵害されるなどして精神的苦痛を被り、また、所有地の価格が下落したなどと主張して、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審が控訴人ら及び原審原告q2の請求をいずれも棄却したところ、控訴人らが控訴の範囲を限定して控訴した事案で、原判決中控訴人q3らに関する部分につき、控訴人q3らの請求は、それぞれ55万円及びこれに対する遅延損害金の限度で理由があるとして変更した事例。
2020.09.01
損害賠償請求事件
LEX/DB25565753/宇都宮地方裁判所 令和 2年 4月16日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第651号
被告厚生農業協同組合連合会の開設する被告病院に入院し、腰部脊柱管狭窄症に対する後側固定手術を受けたq4が、その後に死亡したところ、本件患者の相続人である原告らは、本件患者が血栓性疾患又は播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症して、これらの症状の悪化により死亡したものであり、被告病院の医師らは、術後管理としてDICの発生防止措置を取る義務等があるところ、それを怠ったものであると主張して、不法行為(民法715条)ないし債務不履行に基づく損害賠償請求として、被告に対し、それぞれ賠償金及びその遅延損害金の支払を求めた事案で、本件患者は、DICを発症したことにより、本件患者の頭蓋内に出血・血栓を生じたことで、脳ヘルニアを生じ、死亡に至ったものと認めることが相当であり、被告において、発症当日、本件検査を行い、DICに対応する治療を行っていれば、本件患者が以降もなお生存していたと認めることができるから、被告には過失があったといえるとして、原告らの請求を認容した事例。
2020.08.25
損害賠償(交通)請求事件
LEX/DB25566391/千葉地方裁判所佐倉支部 令和 2年 6月15日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第407号
原告が、被告に対し、被告運転の自家用普通乗用自動車(被告運転車両)と、原告運転の原動機付自転車(原告運転車両)とが衝突した交通事故により、原告は傷害を負い、自動車損害賠償保障法施行令別表第2の後遺障害等級併合7級の後遺障害が遺ったと主張して、自賠法3条及び不法行為に基づき、損害賠償金及び確定遅延損害金合計7163万1887円の支払及びうち5559万7133円に対する平成30年6月26日から支払済みまでの間の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、本件事故については、原告、被告共に過失があり、原告と被告の過失割合は、原告30-被告70としたうえで、原告の請求は、3593万3567円に平成30年6月25日までの確定遅延損害金919万2912円を加算した4512万6479円及びうち3593万3567円に対する平成30年6月26日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の請求を認める限度で、請求を一部認容した事例。
2020.08.04
損害賠償請求事件
LEX/DB25566236/高知地方裁判所 令和 2年 6月30日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第135号
被告が運営する被告病院の集中治療室(ICU)において、ベッドから転落して頭蓋骨骨折等の傷害を負い、脳死とされる状態となり、そのまま意識を回復することなく約3か月半後に死亡した患者(当時26歳・男性)の両親である原告らが、被告に対し、患者がベッドから転落し、脳死とされる状態という重篤な傷害を負った事故が発生したのは、被告病院が患者の転落を防止し、又は、転落により重篤な傷害が発生することを防止するための措置を講ずべき義務を懈怠した過失があったためであり、さらに、患者が死亡したのは、本件事故に加え、その後の不適切な輸液投与を行った過失があったためであるとして、主位的に患者が死亡したことによる損害につき、予備的に患者が脳死とされる状態となったことによる損害(金額は死亡の場合と同額)について、原告ら固有の慰謝料と併せて、債務不履行又は不法行為に基づき、それぞれ損害金の支払等を求めた事案で、被告に本件事故の予見可能性が認められず、また、2月の輸液投与についても、被告に過失があったとは認められないとして、原告らの請求を棄却した事例。
2020.07.21
損害賠償請求事件
LEX/DB25570946/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 7月 9日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1856号
交通事故によって傷害を受け、その後に後遺障害が残った被上告人が、加害車両の運転者である上告人Y1に対しては民法709条に基づき、加害車両の保有者である上告人N社に対しては自動車損害賠償保障法3条に基づき、損害賠償を求めるとともに、加害車両につき上告人N社との間で対人賠償責任保険契約を締結していた保険会社である上告人S保険会社に対しては同保険契約に基づき、上告人Y1又は上告人N社と被上告人との間の判決の確定を条件に、上記損害賠償の額と同額の支払を求めた事案の上告審において、被上告人は本件後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めているところ、被上告人は、本件事故当時4歳の幼児で、高次脳機能障害という本件後遺障害のため労働能力を全部喪失したというのであり、同逸失利益は将来の長期間にわたり逐次現実化するものであり、これらの事情等を総合考慮すると、本件後遺障害による逸失利益を定期金による賠償の対象とすることは、損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認められ、また、本件後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たり、被上告人について、上記特段の事情はうかがわれないとし、原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2020.07.14
自治会入会等請求事件
LEX/DB25565999/奈良地方裁判所 令和 2年 5月28日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第500号
奈良県天理市内の自治会に居住する原告が、被告が正当な理由なく平成4年から現在に至るまで原告の被告の会員たる地位を認めないことにより、様々な不利益を受け、精神的苦痛を被ったなどと主張して、被告に対し、原告が被告の会員たる地位を有することの確認を求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告が被告の会員たる地位を有するものと認めることはできず、被告による不法行為を構成するとは認められないとして、請求を棄却した事例。
2020.05.12
損害賠償請求事件(元社長に賠償命令、東京地裁 偽メール信じ3億円損害)
LEX/DB25565139/東京地方裁判所 令和 2年 1月30日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第13489号
著名な高級ファッションブランドを展開する企業の日本法人である原告が、その代表取締役の地位に在った被告が善管注意義務に違反して任務を懈怠し、当該企業の幹部を名乗る人物から送信された偽の電子メールに基づいて部下に指示をして合計280万米ドルを送金させたため、同額の損害を被った旨を主張して、被告に対し、会社法423条1項(平成17年法律第86号)の規定に基づく損害賠償請求として当該280万米ドルを当該送金の時における為替相場によって邦貨に換算した額及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、被告は、原告に対し、被告の善管注意義務違反を内容とする任務の懈怠が認められる本件送金によって生じた原告の損害を賠償すべき責任があることになり、本件送金によって銀行の原告の預金口座から280万米ドルが現実に送金されたのであるから、原告には、同額(3億0727万円)の損害が生じたものと認め、原告の請求を一部認容した事例。
2020.05.07
損害賠償請求控訴事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 6月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25565230/東京高等裁判所 令和 2年 2月27日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第4448号
鉄骨造2階建ての本件建物を使用し又はこれに居住していた1審原告らが、本件建物の2階ベランダに設置されていた1審被告の製造に係る家庭用ルームエアコンの室外機がその欠陥に起因して発火し、本件建物に延焼して2階部分の大半が焼損した(本件火災)、本件建物内にあった什器備品等の動産も焼損し又は消火活動によって水損したと主張して、1審被告に対し、製造物責任法3条に基づき、本件火災によって被った財産的損害及び精神的損害に係る賠償金の支払等を求め、これに対し、1審被告は、上記の室外機は本件火災の発火源ではなく、同室外機に製造物責任法2条2項所定の欠陥があったとはいえないなどと主張して、1審原告らの請求を争い、原審は、ルームエアコンの室外機が本件火災の発火源であると認められ、これは1審被告の製品である同室外機の欠陥によるものであるとして、製造物責任法3条に基づき、1審原告らの請求を原判決主文第1項ないし第6項の限度で認容したところ、1審被告がその敗訴部分を、1審原告らがその敗訴部分の各一部をそれぞれ不服として双方が控訴した事案で、1審原告への賠償額について原判決を一部変更した事例。
2020.04.21
不法行為による損害賠償請求事件
LEX/DB25570868/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 4月 7日 判決 (上告審)/平成31年(受)第606号
被上告人は、上告人らに対して本件建物部分の明渡しを命ずる仮執行の宣言を付した判決に基づく強制執行について、民事執行法42条1項に規定する強制執行の費用で必要なものに当たる合計161万3244円の本件執行費用を支出した。本件は、被上告人が、本件執行費用を上告人らによる本件建物部分の占有に係る共同不法行為による損害として主張して、上告人らに対し、不法行為に基づき、本件執行費用及び弁護士費用相当額並びに遅延損害金の連帯支払等を求め、原審は、被上告人の上記の主張に理由があると判断し、上記連帯支払を求める請求を認容したため、上告人が上告した事案で、本件執行費用は、民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目の費用に該当するから、上告人らに対する不法行為に基づく損害賠償請求においてこれを損害とする被上告人の主張は許されず、当該主張に理由があるとした原審の判断には明らかな法令の違反があるとし、原判決中、上告人ら敗訴部分のうち、上告人らに対し本件執行費用及びこの請求に係る弁護士費用相当額並びにこれに対する遅延損害金の連帯支払を求める請求に関する部分を破棄し、上記部分に関する被上告人の請求は、本件執行費用及び弁護士費用相当額の連帯支払を求める請求に関する部分については,第1審判決を取消し、被上告人の請求をいずれも棄却し、原審における追加請求である本件執行費用及び弁護士費用相当額に対する遅延損害金の連帯支払を求める請求に関する部分については、被上告人の請求をいずれも棄却した事例(補足意見がある)。
2020.04.14
損害賠償請求事件、共同訴訟参加事件
LEX/DB25565089/東京地方裁判所 令和 2年 2月13日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第40038号等
パチスロ機及びパチンコ機並びにその周辺機器の開発、製造、販売等を行い、東京証券取引所ジャスダック市場に上場している原告が、海外事業統括の業務を委嘱された取締役であり、かつ、海外子会社の代表者であった被告に対し、これらの役職に在任していた当時、被告が、〔1〕被告及び被告の親族の資産管理会社であり、原告の親会社でもある香港法人の第三者に対する貸金債権を回収する目的等で、原告の海外子会社の代表者として、当該第三者が関与する会社に対して1億3500万香港ドルを貸し付けた行為、〔2〕自己の個人的な利益を図る目的で、原告の海外子会社の代表者として、受取人白地の1600万香港ドルの小切手を振り出した行為、〔3〕上記資産管理会社が金融機関から借入れを行う際に、原告の海外孫会社の取締役に指示をし、当該会社の預金を担保に供させた上で、同資産管理会社が負担すべき利息相当額等を当該会社に支払わせたとして、被告の上記各行為は、原告の取締役としての善管注意義務、忠実義務に反するものであり、原告はその調査のために調査委員会を設置してその費用を支払ったところ、被告の任務懈怠と原告の同費用の支払との間には相当因果関係が認められるとして、会社法423条1項に基づき、同費用相当額の損害金の支払等を求めた事案で、被告の任務懈怠と原告が支払った調査費用との間に相当因果関係を認め、原告の請求を認容した事例。
2020.03.31
投稿動画削除請求事件
LEX/DB25564955/徳島地方裁判所 令和 2年 2月17日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第338号
原告会社及び原告会社の従業員である原告bが、インターネット上の動画投稿サイトに投稿された各投稿動画、動画のタイトル及び動画の紹介記事が原告らの名誉・信用を毀損するものであると主張して、同サイトを運営する被告に対し、人格権に基づき、本件各動画等の削除を求めるとともに、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、本件発信者情報の開示を求めた事案において、本件各動画等は専ら公益を図る目的のものでないことが明らかであり、かつ、被害者が重大にして回復困難な損害を被るおそれがあると認め、原告らの被告に対する本件各動画等の削除請求について認容し、発信者情報開示請求については、ユーザーネームの開示を求める部分を除く範囲の限度で一部認容した事例。
2020.03.24
発信者情報開示仮処分命令申立事件
LEX/DB25564903/東京地方裁判所 令和 2年 2月20日 決定 (第一審)/令和1年(ヨ)第3933号
債権者(医療法人)が、債務者(インターネット上で、地図上に事業者の情報及び事業者に対するいわゆるクチコミ掲載の機能を有するサイトを管理、運営する法人)に対し、債務者の管理、運営するウェブサイトに何者かによる本件各投稿記事により、債権者の名誉権が侵害された旨を主張し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、各情報の仮の開示を求めた事案において、本件各投稿記事のいずれも、名誉権侵害の前提となる社会的評価の低下がないか、仮に社会的評価が低下していたとしても違法性阻却事由の存在を窺わせる事情がないことの疎明がなく、プロバイダ責任制限法4条1項1号の権利侵害の明白性の疎明がないとして、本件申立てを却下した事例。
2020.03.17
損害賠償請求事件 
「新・判例解説Watch」財産法分野 5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570748/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 3月 6日 判決 (上告審)/平成31年(受)第6号
不動産所有権移転登記の連件申請で、被上告人(原告・控訴人)が、後件申請の委任を受けた司法書士である上告人(被告・被控訴人)には、前件申請がその申請人となるべき者による申請であるか否かの調査等をしなかった注意義務違反があると主張して、上告人に対し、不法行為に基づき、3億4800万円の損害賠償金及び遅延損害金の支払を求め、原審は、被上告人の請求を、上告人に対し3億2400万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容したため、上告人が上告した事案において、上告人にとって委任者以外の第三者に当たる被上告人との関係において、上告人に正当に期待されていた役割の内容や関与の程度等の点について検討することなく、注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務があったと直ちにいうことは困難であり、まして上告人において更に積極的に調査した上で代金決済の中止等を勧告する等の注意義務を被上告人に対して負っていたということはできないとして、上記の点について十分に審理することなく、直ちに上告人に司法書士としての注意義務違反があるとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、上告人敗訴部分を破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例(意見がある)。