注目の判例

行政法

2015.05.19
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件(積丹岳遭難事故(控訴審))
LEX/DB25506179/札幌高等裁判所 平成27年3月26日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第591号等
積丹岳山頂付近で遭難し、北海道警察山岳遭難救助隊による救助活動を受けていた際に2回滑落し、山中で凍死した事故にあった甲の両親である被控訴人(原告)らが、警察官である救助隊の隊員らが甲を救助するための適切な行為をすべき作為義務を怠ったため甲が死亡したと主張して、控訴人(被告。北海道)に対し、国家賠償法1条1項に基づいて、損害賠償金の支払いを求め、原判決が一部認容をしたため、控訴人が控訴をした事案において、2回目の滑落発生時における救助活動について、明らかに合理的とは認められないから、国家賠償法上違法と評価されるとして、控訴を棄却し、附帯控訴に基づき、被控訴人の請求を一部認容した事例。
2015.05.19
営業停止処分取消請求控訴事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25506178/札幌高等裁判所 平成26年2月20日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第28号
処分行政庁から、風営法26条1項に基づき、一定期間の風俗営業の停止を命ずる処分を受けた控訴人(原告)が、被控訴人(被告、北海道)に対し、同処分の取消しを求め、原審は、営業の停止を命じられた一定期間の経過により、営業停止を命ずる同処分の効果はなくなっているところ、同処分を取り消すべきほどの違法性は認められず、この観点から同処分を取り消す訴えの利益を認める余地はないとして、訴えを却下した事案において、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2015.04.21
大飯原発3,4号機及び高浜原発3,4号機運転差止仮処分命令申立事件
LEX/DB25447198/福井地方裁判所 平成27年4月14日 決定 (第一審)/平成26年(ヨ)第31号
高浜発電所(高浜原発)から250キロメートル圏内に居住する債権者らが、債務者(電力会社)に対し、人格権の妨害予防請求権に基づいて、債務者が高浜原発の3号機及び4号機の運転差止めの仮処分を求めた事案において、(1)冷却機能の維持については、各地の原発敷地外に幾たびか到来した激しい地震や各地の原発敷地に5回にわたり到来した基準地震動を超える地震が高浜原発には到来しないというのは根拠に乏しい楽観的見通しにしかすぎないといえ、さらに、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できるとし、(2)閉じ込めるという構造(使用済み核燃料の危険性)については、使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要するということに加え、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ないとし、(3)高浜原発の現在の安全性(被保全債権の存在)については、原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があることが疎明されているといえるとし、高浜原発の事故によって債権者らは取り返しのつかない損害を被るおそれが生じることになり、本案訴訟の結論を待つ余裕がなく、また、原子力規制委員会の許可がなされた現時点においては、保全の必要性は肯定できるとして、債務者に対し、高浜原発3号機及び4号機の原子炉の運転中止を認めた事例。
2015.04.14
入れ墨調査問題
「新・判例解説Watch」H27.6上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447157/大阪地方裁判所 平成27年2月16日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第295号
被告の設置する病院の職員であった原告が、入れ墨の有無等を尋ねる調査に回答しなかったことが職務命令違反に当たるとして、戒告処分がされたことにつき、上記調査は憲法13条等に違反する違憲・違法な調査であるから、上記調査に回答するよう命じた職務命令及び本件処分も違法であるとして、本件処分の取消し等を求めた事案において、本件調査により特定の職員が入れ墨をしていることの情報を含む本件入れ墨情報を収集することは、社会的差別の原因となるおそれがあると認められる事項に関する個人情報の収集を原則的に禁止する大阪市個人情報保護条例6条2項に違反し違法であり、本件調査に回答することを命じる本件職務命令も、同項1号及び2号に該当しないにもかかわらず差別情報を収集することを目的とするものであるから、同項に反し違法であるとし、原告の請求を一部認容した事例。
2015.04.07
慰謝料請求事件(花粉症の治療を受けられず 国家賠償事件)
LEX/DB25505855/広島地方裁判所 平成27年2月17日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第444号
原告が、広島刑務所に収容中、同刑務所の職員に対し複数回にわたり花粉症の症状を訴えたにもかかわらず、医師による診察も薬の投与もされないまま35日間放置されたため、症状が悪化し苦痛を受けたと主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料の支払いを求めた事案において、広島刑務所長の判断には、合理性が認められず、その裁量権の範囲を逸脱したものとして、国家賠償法上違法の評価を免れないとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2015.03.31
行政処分取消等請求控訴事件(小平市住民投票 控訴棄却)
LEX/DB25505814/東京高等裁判所 平成27年2月4日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第353号
被控訴人(被告・小平市)においては、東京都が施行者となって施行するものとされる道路(小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線)の整備に関する都市計画事業に係る東京都の都市計画について、「住民参加により計画を見直すべきか、又は計画の見直しは必要ないかについて、市民の意向を確認すること」を目的として、被控訴人の条例(東京都の小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線計画について住民の意思を問う住民投票条例、平成25年小平市条例第13号)の規定に基づき、住民投票が行われたところ、被控訴人の住民である控訴人(原告)らが、小平市情報公開条例(平成13年小平市条例第29号)の規定に基づき、小平市選挙管理委員会に対し、当該住民投票における投票済投票用紙(本件各文書)の公開の請求をしたのに対して、本件各文書には情報公開条例が定める非公開情報に該当する情報が記録されているとして、本件各文書を公開しない旨の決定(本件非公開決定)がされたことから、本件非公開決定の取消し及び本件各文書を公開する旨の決定をすることの義務付けを求めた事案の控訴審において、本件訴えのうち、義務付けを求める部分をいずれも却下し、本件訴えのその余の部分に係る控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であり、本件控訴はいずれも理由がないから、これを棄却するとした事例。
2015.03.17
損害賠償請求事件
LEX/DB25447108/最高裁判所第一小法廷 平成27年 3月 5日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1436号
産業廃棄物の最終処分場の周辺地域に居住する被上告人らは、同最終処分場を管理する会社の実質的経営者、産業廃棄物の処分を委託した業者その他関係者を被申請人として、公害紛争処理法26条1項に基づく公害調停の申請をし、被上告人らが、同申請を受けて設けられた徳島県公害紛争調停委員会がその裁量権の範囲を逸脱して違法に、被申請人の呼出手続を行った上、調停を打ち切るなどの措置をしたと主張して、上告人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めたところ、原審は、被上告人らの請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、本件委員会が、被申請人らに対し本件記載のある期日通知書を送付し、第1回調停期日において本件調停を打ち切った措置は、その裁量権の範囲を逸脱したものとはいえず、国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできないとし、被上告人らの請求を一部認容した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決のうち上告人敗訴部分は破棄し、被上告人らの請求は理由がなく、これを棄却した第一審判決は正当であるとし、上記部分につき、被上告人らの控訴を棄却した事例。
2015.03.10
営業停止処分取消請求事件(最高裁初判断 加重処分は取り消し請求可)
LEX/DB25447098/最高裁判所第三小法廷 平成27年 3月 3日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第225号
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条1項7号のぱちんこ屋の営業に該当する風俗営業を営む上告人が、北海道函館方面公安委員会から風営法26条1項に基づく営業停止処分を受けたため、同委員会の所属する被上告人を相手に、同処分は違法であると主張して、その取消しを求めたところ、原審では、上告人が、処分の効果が期間の経過によりなくなった後においてもなお処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者(行政事件訴訟法9条1項)には当たらないとし、本件訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準において、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の不利益な取扱いの定めがある場合には、上記先行の処分に当たる処分を受けた者は、将来において上記後行の処分に当たる処分の対象となり得るときは、上記先行の処分に当たる処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても、当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものと解するのが相当であるとし、上告人は、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準である本件規程の定めにより将来の営業停止命令における停止期間の量定が加重されるべき本件処分後3年の期間内は、なお本件処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものというべきであり、これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、本件処分の違法事由の有無につき審理させるため、本件を第一審に差し戻すべきであるとした事例。
2015.03.10
初度費請求控訴事件(富士重工業(株)VS国)
LEX/DB25505767/東京高等裁判所 平成27年 1月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1806号
被控訴人(一審被告。国)と戦闘ヘリコプターの製造請負契約を締結したが控訴人(一審原告)が、被控訴人に対し、(1)主位的に、被控訴人との間の本件初年度負担合意に基づいて、未払初年度費等351億2394万1336円及び遅延損害金の支払を、(2)予備的に、不法行為に基づく損害賠償請求として、386億3633万5470円のうち、351億2394万1336円及び遅延損害金の支払をそれぞれ求めたところ、原判決が控訴人の請求をいずれも棄却したので、控訴人がこれを不服として控訴した事案において、本件戦闘ヘリコプターの調達中止に関して、控訴人に著しく不誠実な行為や重大な過誤があったとは認められず、仮に過失があったとしても、被控訴人が本件前提を実行しないことに正当な理由があったとはいえないから、被控訴人が本件初年度残額の手当をすることなく本件戦闘ヘリコプターの調達中止を決めたことは控訴人の期待や信頼を侵害し、信義則上の義務に反する不法行為に当たるというべきであるとし、控訴人の主位的請求は理由はないが、予備的請求は一定の限度で理由があるとして、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した事例。
2015.02.24
(住民勝訴確定 前白井市長専決は違法)
LEX/DB25505496/最高裁判所第一小法廷 平成27年1月15日 決定 (上告審)/平成26年(行ツ)第13号等
千葉県白井市の住民である被上告人兼相手方(原告・被控訴人)らが、元同市市長であったAにおいて、その在任中、地方自治法179条1項の要件がないにもかかわらず、違法な専決処分により、北総鉄道に補助金を支出する旨の債務負担行為を行った旨主張して、同市市長である上告人兼申立人(被告・控訴人)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、〔1〕A元市長に対し、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき、上記支出に係る2363万2000円及びその振込手数料並びにこれらに対する遅延損害金の支払、〔2〕北総鉄道に対し、不当利得返還請求権に基づき、上記補助金として利得した2363万2000円及びこれに対する利息の支払をそれぞれ請求することを求めた事案の上告において、本件上告の理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに民事訴訟法312条1項又は2項に規定する事由に該当しないとし、また、本件申立ての理由によれば、本件は、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告棄却及び上告不受理の決定をした事例。
2015.02.24
請求異議事件(諫早湾干拓事業訴訟 国の請求退ける)
LEX/DB25505419/佐賀地方裁判所 平成26年12月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第7号
原告が、佐賀地裁判決及び福岡高裁判決の本件確定判決によって排水門の解放を求める請求権を認容された者及びその相続人らである被告らに対し、潮受堤防の公共性ないし公益上の必要性は現時点においても失われていない、あるいは「防災上やむを得ない場合」に当たることから、開門請求権の行使を認めるべき違法性は現時点においても認められず、前記各排水門を解放するための強制執行は許されないこと、別件仮処分決定により原告が前記各排水門の解放禁止義務を負っていることからすれば、別件仮処分決定がされたことが独立の異議事由にあたること、これらの事情に鑑みれば強制執行は権利の濫用又は信義則違反に当たること、漁業協同組合を脱退したことにより漁業行使権に基づく開門請求権を失ったことが異議事由に当たる等と主張して、前記確定判決に基づく強制執行の不許を求めた事案において、前記相続人らに対する訴えについては被告適格を欠くとして一部却下し、漁業行使権を失った被告らに対する請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却した事例。
2015.02.24
損害賠償請求控訴事件(地盤沈下 広島市に損害賠償請求 控訴棄却)
LEX/DB25505422/広島高等裁判所 平成26年12月10日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第123号
被告(被控訴人。広島市)が行った下水道工事が原因で原告(控訴人)の所有地が地盤沈下し、同土地上の原告所有建物に損傷が生じたとの理由で、原告が被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、前記建物の立替費用相当額の損害賠償金の支払を求めたところ、原審は、原告の請求を棄却したため、原告がこれを不服として控訴した事案において、原判決は相当であるとし、控訴を棄却した事例。
2015.02.24
損害賠償等請求控訴事件(浜千鳥リサイクルVS三重県紀北町)
LEX/DB25505500/名古屋高等裁判所 平成26年11月26日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第706号
一審原告が旧紀伊長島町内において産業廃棄物中間処理施設を設置しようとしていたところ、旧紀伊長島町長から本件条例に基づき本件施設を含む事業場について、旧紀伊長島町の水道水源に影響を及ぼすおそれがあるとして本件条例2条5号所定の規制対象事業場と認定する本件処分を受けたが、その後、本件処分を取り消す旨の判決が確定したため、一審原告が、一審被告に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案の控訴審において、原判決と異なり、一審原告の本訴請求のうち主位的損害は理由がなく、予備的損害について、町長が違法に本件処分をしたことにより一審原告が、本件施設について本件事業計画を実現可能な規模や内容のものに変更して設置し稼働することができなくなり、無用となったもので損害と認めることができるとして、F社に支払った費用等の一部で理由があるとして、一審被告の控訴に基づき、原判決を変更した事例。
2015.02.17
国家賠償等請求事件、請負代金請求事件(宅地開発事業をめぐる訴訟 東神楽町)
LEX/DB25505408/旭川地方裁判所 平成26年12月 9日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第177号等
原告(甲事件原告兼乙事件原告)が、上川郡東神楽町の宅地を対象とする開発分譲事業に関して、被告公社(乙事件被告)との間で事業計画書の作成を目的とする請負契約を締結したと主張して、被告公社に対し、報酬315万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事件(乙事件)と、原告が、同事業に関連する防災調節池設置管理事業のための用地買収に際して、被告町(甲事件被告・東神楽町)との間で土地購入代金の立替払の合意をし、これに基づき地権者に立替払をしたと主張して、被告町に対し、立替金等合計184万8831円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事件(甲事件)とが併合審理された事案において、被告公社は、平成21年2月2日、原告との間で、本件請負契約を締結したと認めるのが相当であるとした上で、本件事業計画書の対価は300万円を下らないというべきであって、本件請負契約における相当報酬額は315万円(消費税5パーセント相当分を含む。)と認めるのが相当であるとし、また、原告と被告町との間で、平成21年6月16日、本件立替払合意が成立したと認めるのが相当であるとした上で、弁護士費用及び振込手数料についての原告の請求には理由がないとして、甲事件原告の請求を一部認容(134万7991円)、一部棄却(弁護士費用50万円及び立替払時に生じた振込手数料840円)し、乙事件原告の請求を全部認容した事例。
2015.02.17
覚せい剤取締法違反被告事件 (無罪)
LEX/DB25505410/福岡地方裁判所小倉支部 平成26年12月 9日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第525号
「被告人は、みだりに、平成26年7月11日、北九州市(以下略)所在の被告人方で、覚せい剤約0.978グラムを所持した」という公訴事実について、本件覚せい剤があることを知らなかったという被告人の弁解は、その行動等に裏付けられており、基本的に信用できる、又は、少なくともそれを信用できないとして排斥することは困難であるとし、また、本件覚せい剤が、被告人とは関係なく、本件ジャンパーのポケットに入れられ、捜索により発見された可能性も否定できないとして、被告人に対し無罪の言い渡しをした事例。
2015.02.10
損害賠償(第1事件、第2事件)請求控訴事件(府中市議会議員政治倫理条例事件(差戻控訴審))
LEX/DB25505353/広島高等裁判所 平成26年11月12日 判決 (差戻控訴審)/平成26年(ネ)第193号
府中市議会の議員であった原告(控訴人・被上告人)が、被告府中市(被控訴人・上告人)に対し、違憲無効である府中市議会議員政治倫理条例違反を理由として市議会が辞職勧告決議を行ったことは違法であり、原告はこれによって精神的苦痛を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金等の支払を求め(第1事件)、本件条例に基づく審査請求並びにこれに続く府中市議会議員政治倫理審査会の設置、審査結果の報告、警告等をすべき旨の決議及び警告の措置及び審査結果の公表は違法であり、原告はこれにより精神的苦痛を被ったなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金等の支払を求めた(第2事件)ところ、第一審は、原告の請求がいずれも棄却されたため、原告は、第1、2事件につきいずれも110万円及びその付帯請求を棄却した部分を不服として控訴し、差戻し前の控訴審は、本件条例のうち、議員の2親等以内の親族が経営する企業は被告の工事等の請負契約等を辞退しなければならず、当該議員は当該企業の辞退届を徴して提出するよう努めなければならない旨を定める部分は、憲法21条1項によって保障される議員活動の自由並びに憲法22条1項及び憲法29条によって保障される経済活動の自由を制限する合理性や必要性が認められないから違憲無効であるとし、本件審査請求等は違法であり、かつ、これら一連の手続に関与した議員には過失があると判断して、一審判決が第2事件請求のうち33万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める部分を棄却した部分を取消して同部分の請求を認容し、その余の請求を棄却した旨一審判決を変更したため、被告は、上記敗訴部分を不服として上告し、上告審は、2親等規制を定める本件規定は憲法21条1項、22条1項及び29条に違反するものではないと解するのが相当であるとして、差戻し前の控訴審判決中の被告敗訴部分を破棄し、本件審査請求等につき、原告が主張するその他の違法事由の有無等について更に審理を尽くさせるため、差し戻しを命じた差戻し後控訴審の事案において、本件条例を違法ということはできないから、これが違法であることを前提として、本件審査請求及び審査会の設置の違法をいう原告の主張は理由がなく、また、本件報告を違法ということはできないから、これが違法であることを前提として,本件警告決議及び警告の措置の違法をいう原告の主張も理由がないとし、本件審査請求等の違法をいう原告の主張はすべて理由がないとし、被告の第2事件に基づく請求は、その余の点について判断するまでもなく,上告審が当審に差し戻した部分を含めて理由がないから棄却すべきところ、これと同旨の一審判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.02.03
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(国営諫早湾干拓事業問題)
LEX/DB25447006/最高裁判所第二小法廷 平成27年 1月22日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第26号
諫早湾の干拓地で農業を営み、又は同湾内で漁業を営む者等である相手方らが、抗告人に対し、諫早湾干拓地潮受堤防の北部及び南部各排水門を開放してはならない旨を抗告人に命ずる仮処分決定に基づき、間接強制の申立てをしたところ、原審は、本件仮処分決定に基づく債務は債務者である抗告人が自己の意思のみで履行することができる債務であるとして、抗告人に対し、本件各排水門を開放してはならない旨を命ずるとともに、その義務を履行しないときは、相手方らに対し、1日につき49万円の割合による金員を支払うよう命ずる間接強制決定をすべきものとしたため、抗告人が許可抗告した事案において、抗告人が別件確定判決により本件各排水門を開放すべき義務を負っているという事情があっても、執行裁判所は本件仮処分決定に基づき抗告人に対し間接強制決定をすることができ、抗告人主張のその余の事情も間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2015.02.03
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(国営諫早湾干拓事業問題)
LEX/DB25447007/最高裁判所第二小法廷 平成27年 1月22日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第17号
諫早湾及びその近傍において漁業を営む相手方らが、抗告人に対し、諫早湾干拓地潮受堤防の北部及び南部各排水門の開放を抗告人に命ずる確定判決に基づき、間接強制の申立てをしたところ、原審は、本件確定判決に基づく債務は債務者である抗告人が自己の意思のみで履行することができる債務であるとし、抗告人に対し、原々決定の送達を受けた日の翌日から2箇月以内に、防災上やむを得ない場合を除き、本件各排水門を開放し、以後5年間にわたってその開放を継続することを命ずるとともに、上記2箇月の期間内にその義務を履行しないときは、相手方ら各自に対し、上記期間経過の翌日から履行済みまで、1日につきそれぞれ1万円の割合による金員を支払うよう命ずる間接強制決定をすべきものとしたため、抗告人が許可抗告した事案において、抗告人が別件仮処分決定により本件各排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情があっても、執行裁判所は本件確定判決に基づき抗告人に対し間接強制決定をすることができるとし、抗告人主張のその余の事情も間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2015.02.03
当選無効請求事件
LEX/DB25505338/福岡高等裁判所 平成26年10月30日 判決 (第一審)/平成26年(行ケ)第2号
原告が、公職選挙法206条2項に基づき、本件選挙(平成26年4月13日執行の吉野ヶ里町議会議員選挙)の当選の効力に関する審査の申立てをしたのに対し、被告(佐賀県選挙管理委員会)が平成26年7月3日に上記申立てを却下する裁決をしたため、同法207条に基づきその取消しを求めるとともに、本件選挙における当選人の当選無効を求めた民衆訴訟において、本件異議の申出は、町委員会(吉野ヶ里町選挙管理委員会)から申出期間徒過により不適法として却下決定を受けているから、このような異議の申出と却下決定を経た本件審査の申立ては、異議手続前置の要件を満たしておらず、不適法な審査の申立てとして却下すべきであるとし、また、本件訴えのうち、当選無効を求める訴えは、公職選挙法207条に基づいて提起されたものであるが、申出期間徒過により不適法な異議の申出及びこれにより不適法な審査の申立てに続けて申し立てられた当選無効を求める訴えは、法所定の手続(適法な異議の申出や審査の申立て等)を経ておらず不適法であるとして、原告の訴えを一部却下し、その余の請求を棄却した事例。
2015.01.27
損害賠償請求権行使請求控訴事件
LEX/DB25505267/東京高等裁判所 平成26年11月26日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第269号
原告(控訴人)らが、被告(被控訴人)静岡県に対し、静岡空港の販売促進及び広告宣伝費等空港関連経費の支出が違法であると主張して、当時の静岡県知事に対して損害賠償請求権を行使すること、上記支出の各支出負担行為及び支出命令を専決した各専決権者に対し損害賠償命令をすること、被告が静岡空港建設のために参加人に対して委託した測量業務委託において、参加人の債務不履行又は不法行為により被告が損害を受けたとして、当時の静岡県知事、参加人、委託業務の検査員らに対し、損害賠償請求権を行使することなどを求めたところ、原判決は、請求の一部を却下し、その余の請求を棄却したため、原告らが控訴した事案において、原判決の結論と同旨であるとし、控訴をいずれも棄却した事例。