注目の判例

行政法

2015.10.13
医療費申請却下処分取消等請求事件(在米被爆者 医療費認めず 広島地裁)
LEX/DB25540932/広島地方裁判所 平成27年 6月17日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第7号
いずれも広島に投下された原子爆弾により被爆し、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく被爆者健康手帳を取得した、同法に定める被爆者であり、アメリカ合衆国に居住して同国の医療機関から医療を受けた原告らが、上記の医療に関して負担した医療費について被爆者援護法18条の一般疾病医療費の支給を申請したところ、広島県知事が各原告に対して支給申請書を返戻するとともに申請を受理しない旨の通知をしたことから、原告らが、被告広島県に対して、原告らに対する不受理通知の取消しを求めた等の事案において、被爆者援護法18条1項は、国内の医療提供制度を前提として制度設計されたものであって、国外の医療提供者から受けた医療については適用を予定していない等として、本件各訴えのうち、被告広島県に対して一般疾病医療費支給申請を受理しない旨の通知を取り消すことを求める請求に係る訴えをいずれも却下した事例。
2015.09.29
各原爆症認定申請却下処分取消等請求事件(白内障 原爆症認定 広島地裁)
LEX/DB25540856/広島地方裁判所 平成27年 5月20日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第2号等
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1条の被爆者である原告らが、それぞれ被爆者援護法11条1項の規定による認定(原爆症認定)の申請をしたところ、厚生労働大臣から各申請を却下する旨の処分を受けたことから、被告国に対し、各却下処分が違法であると主張して、その取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項の規定により、慰謝料各200万円及び弁護士費用各100万円並びにこれらに対する遅延損害金の各支払を求めた事案において、厚生労働大臣が本件各却下処分を行ったことが国家賠償法上違法であるとは認められないとして、本件Z1却下処分及び本件Z2却下処分の取消しと求める請求を認容し、原告らのその余の請求は棄却した事例。
2015.09.24
一般疾病医療費支給申請却下処分取消等請求事件
LEX/DB25447438/最高裁判所第三小法廷 平成27年 9月 8日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第406号
広島市に投下された原子爆弾により被爆し、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)に基づき被爆者健康手帳の交付を受けた被爆者ら3名につき、その居住国である大韓民国で受けた医療に関して被爆者援護法18条1項に定める一般疾病医療費の支給の申請がされたところ、大阪府知事により、在外被爆者に対して同項の規定を適用することができない旨の理由でそれぞれ却下処分がされたことから、上記の被爆者又はその相続人である原告(被控訴人兼控訴人・被上告人)らが、被告国、被告大阪府(控訴人兼被控訴人・上告人)を相手に、本件各却下処分の取消し等を求めたところ、第一審は請求を一部認容したため、被告大阪府と原告らが控訴し、控訴審は申請を却下した大阪府知事による同申請却下処分はいずれも違法であるとして原告らの取消請求を認容し、各控訴を棄却したため、被告大阪府がこれを不服として上告した事案において、被爆者援護法18条1項の規定は、在外被爆者が日本国外で医療を受けた場合にも適用されるものと解するのが相当であり、在外被爆者が日本国外で医療を受けた場合につき、同項所定の要件に該当するか否かについて判断することなく同項の規定を適用する余地がないことを理由としてされた本件各却下処分は、違法であるとして、原審の判断を是認し、上告を棄却した事例。
2015.09.24
損害賠償請求控訴事件(北海道豊浦町暴風雪訴訟:道の責任否定 請求棄却)
LEX/DB25540750/札幌高等裁判所 平成27年 7月 7日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第190号
本件車両を運転して本件道道を走行し、本件事故現場で、本件車両が吹雪による雪の吹きだまりに埋まり、その後、同車両内で一酸化炭素中毒により死亡したZ6の両親である1審原告らが、本件道道を設置管理している1審被告北海道については本件事故現場付近に設置された防雪柵の設置又は管理に瑕疵があった等として、上記瑕疵などによりZ6が死亡したと主張し、損害賠償を求めた等の事案の控訴審において、本件防雪柵にあっては、本件事故当時、通常有すべき安全性を備えていたが、これまでの観測記録では想定することができない気象状況により、本件事故現場に巨大な吹きだまりが発生し、本件事故に至ったものと認められるから、本件防雪柵の設置又は管理に瑕疵があったとは認められない等として、1審被告北海道敗訴部分を取り消し、上記部分に係る1審原告らの1審被告北海道に対する請求をいずれも棄却し、1審原告らの本件各控訴をいずれも棄却した事例。
2015.09.24
風俗営業等廃止命令処分等取消請求控訴事件(ソープランド「重役室」訴訟 県逆転勝訴)
LEX/DB25540747/名古屋高等裁判所金沢支部 平成27年 6月24日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第8号
処分行政庁である石川県公安委員会から風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく店舗型性風俗特殊営業の廃止命令を受けた原告(被控訴人)が、当該命令の違法を主張して、被告(控訴人)石川県に対し、処分取消しを求めたところ、原審は、当該処分に先立つ聴聞手続を主宰した者が本件に密接に関係していて、主宰者に指名される資格がないことにより、行政手続法の制度趣旨を没却するような重大な違法があったといえるから、その余の争点について判断するまでもなく、当該処分は取り消されるべきであるとして、原告の上記廃止命令取消請求を認容したため、これに不服の被告が控訴した事案(原告は、控訴審では、原審で請求していた浴場業営業の停止命令の取消しを求める訴えを取り下げた。)において、当該処分の決定に至る過程で当該案件に密接に関与した職員が聴聞の主宰者となったとしても、行政手続法には、聴聞の審理の経過を記載した調書の作成等が規定され、また、聴聞手続においては、当事者等のための文書等の閲覧や防御権を保障するための告知聴聞に関する規定が設けられており、手続的公正さを担保する制度が整備されているといえるのであるから、このような職員を主宰者としてされた聴聞手続について、法の趣旨を没却するような重大な違法があるなどと解することはできない等として、原告の上記廃止命令取消しを求める本件請求を認容した原判決主文1項を取り消して、原告の請求を棄却した事例。
2015.09.15
特定危険指定暴力団指定処分取消請求事件(工藤会の特定危険指定「適法」)
LEX/DB25540873/福岡地方裁判所  平成27年 7月15日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第4号
暴対法3条に基づき指定暴力団として指定されている原告が、処分行政庁から暴対法30条の8第1項に基づき特定危険指定暴力団等として指定する処分を受けたため、被告(福岡県)に対し、〔1〕本件処分は法主体性のない暴力団に対する処分であるから無効である等と主張して本件処分が無効であることの確認を求めるとともに、〔2〕暴対法及び同法の各条項は違憲であり、本件処分は違法である等と主張して、主位的に本件処分の全部の取消しを求め、予備的に本件処分のうち警戒区域として豊前市、春日市、遠賀郡及び鞍手郡を指定した部分の取消しを求め、さらに、〔3〕暴対法30条の8第2項に基づき特定危険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分(延長処分1)を、同項に基づき特定危険指定暴力団等の指定の期限を延長する処分(延長処分2)をそれぞれ受けたことから、同項は違憲である上、延長処分1及び同2は同項の要件を満たしていないから違法である旨主張して延長処分1及び同2の取消しを求めた事案において、本件訴えのうち、特定危険指定暴力団等として指定する処分が無効であることの確認を求める訴え及び延長処分1の取消しを求める訴えは不適法であるから、いずれも却下し、原告のその余の請求は理由がないから、いずれも棄却した事例。
2015.09.15
建物使用不許可処分取消等・建物明渡・使用不許可処分取消等請求控訴事件
(大阪市 職員労働組合に立ち退き命令 控訴審)
LEX/DB25540705/大阪高等裁判所 平成27年 6月26日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第163号
被告(控訴人)大阪市の職員が加入する労働組合等である原告(被控訴人)らが、被告の市長に対し、3回にわたり、市庁舎の一部を組合事務所として利用するため、その目的外使用許可を申請したところ、いずれも不許可処分を受けたことから、各不許可処分について、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償金を求め(第1、第3及び第4事件)、また、最後の不許可処分について、その取消しを求めるとともに、市庁舎の一部に係る目的外使用許可処分の義務付けを求め(第4事件)、被告が、原告らに対し、原告らが前記各不許可処分後も、組合事務所として占有している市庁舎の一部について、所有権に基づきその明渡しを求めるとともに、不法行為に基づき使用料相当損害金の支払を求めた(第2事件)ところ、原判決は、前記各不許可処分の取消し及び許可処分の義務付けを認め、損害賠償請求を一部認容し、被告の原告らに対する明渡請求及び損害賠償請求は権利の濫用に当たると判断していずれも棄却したため、被告がいずれも控訴した事案において、原判決を取り消し、請求を一部認容(第1事件)し、その余の請求を棄却した上、被告の原告に対する請求(第2事件)を一部認容した事例。
2015.09.15
懲戒処分取消請求事件(弁護士懲戒処分 取消認めず 控訴審)
LEX/DB25540759/東京高等裁判所 平成27年 6月18日 判決 (第一審)/平成27年(行ケ)第9号等
第一東京弁護士会に所属する弁護士である原告らが、懲戒請求をされ、原告らを懲戒しない旨の同弁護士会の決定に対する懲戒請求者の異議の申出を受けた被告(日本弁護士連合会)から、同弁護士会がした懲戒しない旨の決定を取り消し、原告らを戒告する旨の各懲戒処分を受けたため、弁護士法61条に基づき、各懲戒処分の取消しを求めた事案において、各懲戒処分が、裁量権の範囲を超え、又は裁量権を濫用したものとはいえないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2015.09.02
損害賠償請求控訴事件 (松山刑務所 作業中骨折 元受刑者 逆転敗訴)
LEX/DB25540637/東京高等裁判所 平成27年 6月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第501号
松山刑務所に収容され、配膳用機収納用コンテナの空コンテナを積み重ね、両手で持って運搬中、下り階段を1段踏み外した左足で踏ん張ったことにより、左大腿骨頚部骨折の傷害を負い、人工骨頭置換術を受けた結果、右足より左足が長くなる後遺障害を負った原告(被控訴人)が、被告(控訴人、国)に対し、同事故は刑務所職員が刑務作業に関する安全配慮義務を怠った結果発生したなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、損害金の支払いを求め、原審が請求を一部認容したため、被告が控訴した事案において、原告の受傷及び損害の発生について、刑務所職員には安全配慮義務に違反する事実があったとは認められず、刑務所長に必要な医療上の措置を執る義務違反があったとも認められないなどとして、控訴に基づき、原判決中被告敗訴部分を取り消し、原告の請求を棄却した事例。
2015.08.25
損害賠償(国家賠償)請求事件(秦野市 井戸設置禁止条例 「合憲」確定)
LEX/DB25540463/最高裁判所第二小法廷 平成27年 4月22日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第668号等
原告(被控訴人兼附帯控訴人・上告人兼申立人)が、被告秦野市(控訴人兼附帯被控訴人・被上告人兼相手方)の農業委員会及び環境保全課の職員らに対し、秦野市内の原告所有土地について農家用住宅を建築することや井戸を設置することなどを相談したところ、その職員らが違法な説明をしたために、農家用住宅の建築が遅延し、また、水道を敷設せざるを得なくなったなどと主張して、被告に対し国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償の支払を求めた第一審では、原告の請求を一部認容したため、被告が控訴し、原告が附帯控訴をしたところ、控訴審では、被告職員の説明ないし対応が国家賠償法上違法であるとは認めることはできないなどとして、原判決中の被告敗訴の部分を取り消し原告の請求を棄却し、原告の附帯控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、本件上告を棄却し、上告審として受理しないと決定した事例。
2015.08.18
新文化複合施設工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件
(米沢市の新文化複合施設 公金支出差止請求)
LEX/DB25540589/仙台高等裁判所 平成27年 6月 5日 判決 (控訴審)/平成27年(行コ)第3号
米沢市の住民である控訴人らが、米沢市が計画を進める新文化複合施設整備事業につき、当該事業に関する公金支出は目的外支出として違法であり、当該事業のための公金支出等に係る議決は無効である等と主張して、被控訴人(米沢市長)に対し、当該事業に関する公金の支出、契約の締結、債務その他義務の負担をしないよう求めるとともに、当該事業に関して既に支出された公金の支払いを請求した事案の控訴審において、控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.08.18
投稿動画削除等仮処分命令申立事件(発言動画削除命令)
LEX/DB25540593/大阪地方裁判所 平成27年 6月 1日 決定 (第一審)/平成27年(ヨ)第290号
大阪市の現市長である債務者Pが、公衆に対する演説の中で、平成23年に実施された大阪市長選挙の際、債権者が集票目的のために大阪市内の町内会に100万円を配布した旨の公職選挙法に違反する行為をしたかのような各発言を行い、債務者らが、当該各発言の様子が録画された複数の動画を動画投稿サイト等において公開し、債務者維新の会のホームページから前記動画の一部を閲覧できるように設定したことにより、債権者の名誉が毀損されたとして、大阪市の前市長である債権者が、前記各動画の動画サイトからの削除、閲覧措置及び頒布の禁止、公衆の面前等での前記発言の禁止並びに民法723条に基づく謝罪広告の掲載をそれぞれ求めた事案において、Pの3回の発言のうち2回は、公職選挙法で罰則をもって禁止されている買収行為を債権者が行ったかのような印象を抱かせるから債権者の社会的評価を低下させるものであるとして、前記各動画の動画サイトからの削除、閲覧措置及び頒布の禁止を命じた事例。
2015.08.18
損害賠償請求控訴事件(野球部員熱中症死 高松高裁 逆転判決)
LEX/DB25540569/高松高等裁判所 平成27年 5月29日 判定 (控訴審)/平成26年(ネ)第187号
徳島県立高校の硬式野球部に所属していた甲が、同部の練習中に熱中症に罹患し、その約1か月後に死亡した事故につき、甲の両親である控訴人(原告)らが、同高校の保健体育科教諭であり、また同部の監督である乙に部員に対する安全配慮義務を怠った過失があり、これにより甲は死亡したなどと主張して、被控訴人(被告。徳島県)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償の支払いを請求し、原審が請求を棄却した事案において、乙の注意義務違反を認め、原判決を変更し、控訴人らの請求を一部認容した事例。
2015.08.11
損失補償請求事件(大阪城本丸売店 損失補償認めず)
LEX/DB25540595/大阪地方裁判所 平成27年 5月29日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第186号
都市公園である大阪城公園内に設置された公園施設について、大阪市長から都市計画法5条1項の規定による管理の許可を継続して取得し売店等を経営していた原告が、大阪市長に対し、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの1年間の管理許可を求める申請をしたところ、大阪市長から不許可処分を受けたが、当該不許可処分は、期間の定めなくされていた管理の許可の撤回と同視し得るから、被告大阪市は、都市公園法28条の適用若しくは類推適用又は国有財産法19条、国有財産法24条の類推適用により、その撤回に伴い原告が被った使用権喪失に係る損失や営業損失等の付随的損失を補償すべきである旨主張して、被告に対し、損失補償金のうち4035万円及びこれに対する請求の日(訴状送達の日)の翌日である平成25年9月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員の支払を求めた事案において、原告に対する本件公園施設の管理許可は、仮に開始当初は実質的に期間の定めのないものと解する余地があったとしても、遅くとも、平成24年4月1日付けで本件公園施設の管理許可がされた時点では、実質的に期間の定めのなかったものということはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2015.08.04
農地法20条1項による許可取消請求、土地明渡請求、建物収去土地明渡請求控訴事件
(成田空港用地訴訟 2審も明け渡し命じる)
LEX/DB25540562/東京高等裁判所 平成27年 6月12日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第326号
控訴人が、各土地を賃借して農地として耕作しているとして、処分行政庁が空港会社による賃貸借の解約申入れを許可した処分は違法であると主張して、被控訴人千葉県に対し、許可処分の取消しを求めた事案(第1事件)、また、被控訴人空港会社が、控訴人に対し、許可処分に基づき賃貸借契約を解約する旨申し入れたことにより、同契約は終了したとして、各土地上の建物及び工作物を収去し、同土地を明け渡すことを求めた事案(第2及び第3事件)において、第1事件につき取消請求を却下し、その余の請求を棄却した原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。
2015.07.21
損害賠償請求事件(刑務所の食事がカロリー不足 国に賠償命令)
LEX/DB25540413/甲府地方裁判所 平成27年 5月26日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第313号
甲府刑務所に収容されていた原告(懲役受刑者)が、甲府刑務所長の原告に対する行為が違法であるなどと主張し、被告(国)に対して、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払いを求めた事案において、刑務所長が、約2年2か月間にわたり熱量の不足した主食を原告に給与したことについては、注意義務を尽くすことなく漫然と行ったといわざるを得ないとして、同法上の違法性を認め、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2015.07.14
審決取消請求上告受理事件(真成開発(株)ほか1による審決取消請求上告受理事件)
LEX/DB25506292/最高裁判所第一小法廷 平成27年 4月16日 決定 (上告審)/平成26年(行ヒ)第316号
原告(申立人)らを含む24社が、市が発注する下水管きょ工事について、独占禁止法3条の規定に違反するとして、排除措置を命じられたため、被告(相手方)公正取引委員会に対し、本件排除措置命令等の取消しを求めて審判請求をしたが、審判請求を棄却する審判審決がされたため、本件審決の取消しを求めたところ、24社が受注調整を行うもととなった本件基本合意は、当事者である事業者らがその意思で当該入札市場における落札者及び落札価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらしていたものと認められ、独占禁止法2条6項にいう「一定の取引制限」に該当するということができるとし、また、そのような合意が、一般競争入札による適正な価格形成を妨げる点が公共の利益に反することも明らかであるとし、原告の請求を棄却したため、原告が上告した事案において、上告審としては受理しないとした事例。
2015.07.14
審決取消請求上告事件及び審決取消請求上告受理事件
((株)高光建設による審決取消請求上告事件及び審決取消請求上告受理事件)
LEX/DB25506106/最高裁判所第一小法廷 平成27年 3月12日 決定 (上告審)/ 平成26年(行ツ)第237号等
原告(上告人兼申立人)が、他の事業者と共同して、岩手県が行っていた入札等の方法により、同県が建築一式工事についてAの等級に格付けしている者のうち同県内に本店を置く者のみを入札参加者として発注する建築一式工事について、受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため、基本合意の下に、受注すべき者を決定し、同人が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、岩手県発注の特定建築工事の取引分野における競争を実質的に制限した等として、被告(被上告人兼相手方)公正取引委員会から原告に課徴金の納付を命ずる審決がなされたとして、同審決の取消しを求めたところ、原告の請求が棄却されたため、原告が上告した事案において、本件上告の理由は、違憲をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであるとして上告を棄却し、また、本件申立ての理由によれば、本件は民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとした事例。
2015.06.16
災害弔慰金不支給処分取消等請求事件(東日本大震災 弔慰金訴訟 遺族の請求規棄却)
LEX/DB25506273/盛岡地方裁判所 平成27年 4月24日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第6号
東北地方太平洋沖地震により生じた震災の後に亡Aが胆のう血腫により死亡したことについて、亡Aの妻である原告が、亡Aの死は、前記震災に伴う著しいストレスにより認知症又はせん妄を発症したために、胆のう血腫の自覚症状を周囲に訴えることができなかったことに起因するなどと主張し、災害弔慰金に関する法律及び釜石市災害弔慰金の支給等に関する条例に規定されている災害弔慰金の支給を申し出たが、釜石市長が不支給決定をしたことから、同決定を行政処分であることを前提に当該処分の取消しを求めるとともに、同決定が行政処分でない場合には、公法上の当事者訴訟として、原告が災害弔慰金の支給を受けられる地位を有することの確認を求めた事案において、同決定が行政処分であると判断したが、前記震災と亡Aの死亡との間に因果関係を認めることはできないとして、確認を求める訴えを却下した上、その余の請求を棄却した事例。
2015.06.02
国会記者会館屋上取材拒否損害賠償請求控訴事件(国会記者会館屋上取材拒否事件 二審も敗訴)
LEX/DB25506192/東京高等裁判所 平成27年4月14日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5601号
控訴人(原告。特定非営利活動法人)が、報道機関である控訴人は、取材の自由の一環として、被控訴人(被告)国会記者会が占有使用している国会記者会館(本件建物)への立入請求権を有するにもかかわらず、衆議院庶務部長が控訴人の本件建物の屋上の使用許可申請に対し不許可処分をしたことが、国家賠償法上違法であるなどとして、被控訴人(被告)国に対し、損害金を求め、また、被控訴人国会記者会が、控訴人に対し屋上の使用を拒絶するとともに、衆議院庶務部長に対し控訴人による本件屋上の使用につき不相当との意見を述べたことが、不法行為を構成するなどとして、被控訴人国会記者会に対し、損害金の支払いを求め、原審が請求を棄却した事案において、控訴を棄却した事例。