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2017.07.25
再審請求事件(大崎事件第3次再審請求開始決定) 
LEX/DB25545985/鹿児島地方裁判所 平成29年 6月28日 決定 (再審請求審)/平成27年(た)第1号
請求人が、殺人、死体遺棄被告事件(いわゆる大崎事件)で懲役10年に処せられた確定判決について、第三次再審請求をした事案において、当請求審における新証拠である鑑定及び新鑑定は、確定審、第1次再審請求及び第2次再審請求において提出された全証拠と併せて総合評価すれば、請求人の本件犯行への関与を認定した確定判決の事実認定には合理的な疑いがあるとし、再審開始を決定した事例。
2017.07.25
 「新・判例解説Watch」H29.9月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448736/東京高等裁判所 平成29年 5月31日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第5233号
被控訴人(原審原告)が、家具家電付き賃貸物件に入居し、控訴人(原審被告。NHK)との間で放送の受信契約を締結して受信料を支払ったものの、被控訴人は放送法64条1項の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」に当たらないから、本件受信契約は公序に反して無効であると主張して、1か月分の受信料1310円を請求したところ、請求が一部認容されたため、控訴人が控訴した事案において、放送法64条1項の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」とは、受信設備を物理的に設置した者だけでなく、その者から権利の譲渡を受けたり承諾を得たりして、受信設備を占有使用して放送を受信することができる状態にある者も含まれると解されるとし、原判決中控訴人敗訴部分を取り消し、被控訴人の請求を棄却した事例。
2017.07.18
特許権侵害差止等請求事件 
LEX/DB25448774/最高裁判所第二小法廷 平成29年 7月10日 判決 (上告審)/平成28年(受)第632号
発明の名称を「シートカッター」とする特許権を有する上告人(一審原告・被控訴人)が、被上告人(一審被告・控訴人)製品の製造・譲渡等が特許権の侵害に当たるとして、被上告人製品等の廃棄並びに損害賠償等を求めたところ、第一審は、上告人の請求を一部認容したため、これに不服の被上告人が控訴し、控訴審は、本件特許は、特許法29条1項3号に違反してされたものであるとして、本件無効の抗弁を容れて、第1審判決中、被上告人敗訴部分を取消し、上告人の請求をいずれも棄却したため、上告人が上告した事案において、特許権者が、事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず、その後に訂正審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことは、訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情がない限り、特許権の侵害に係る紛争の解決を不当に遅延させるものとして、特許法104条の3及び104条の4の各規定の趣旨に照らして許されないものというべきであるとしたうえで、本件は、上告人が原審において本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張することができなかったとはいえず、その他上告人において訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情はうかがわれないとし、上告を棄却した事例。
2017.07.18
地位確認等請求事件  
LEX/DB25448773/最高裁判所第二小法廷 平成29年 7月 7日 判決 (上告審)/平成28年(受)第222号
医療法人である被上告人(一審被告・被控訴人兼附帯控訴人)に雇用されていた医師である上告人(一審原告・控訴人兼附帯被控訴人)が、被上告人に対し、上告人の解雇は無効であるとして、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認等を求めるとともに、時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金並びにこれに係る付加金の支払等を求め、第一審は、地位確認請求及び未払給与等の支払請求と斥け、未払割増賃金等に係る請求を一部認容したため、双方が控訴し、控訴審は、上告人の控訴を棄却し、被上告人の附帯控訴に基づき、第一審判決中被上告人敗訴部分を取り消したため、上告人が上告した事案において、上告人と被上告人の雇用契約で時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていても、年俸の支払により上告人の時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金が支払われたということはできないとして、原判決中、割増賃金及び付加金の請求に関する部分を破棄し、被上告人が、上告人に対し、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金を全て支払ったか否か、付加金の支払を命ずることの適否及びその額等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻して、その余の請求を棄却した事例。
2017.07.18
玄海原子力発電所3号機再稼働差止仮処分申立事件(第1事件)、玄海原子力発電所4号機再稼働差止仮処分申立事件(第2事件)
LEX/DB25448731/佐賀地方裁判所 平成29年 6月13日 決定 (第一審)/ 平成23年(ヨ)第21号 等
第1事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所3号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第1事件)、第2事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所4号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第2事件)において、債務者が、基準地震動の合理性及び配管の安全性について相当の根拠、資料に基づき疎明したということができ、債権者らの疎明を検討しても、本件各原子炉施設の安全性に欠けるところがあるとは認められないから、債務者が本件各原子炉施設を運転することにより、債権者らの人格権を侵害するおそれがあるとは認められず、本件各申立てに係る被保全権利の疎明があるということはできないなどとして、第1事件及び第2事件の本件各申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.11
業務上過失致死被告事件 
LEX/DB25545945/佐賀地方裁判所 平成29年 5月29日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第3号
夏休みイベント企画の川遊び中に8歳の児童が川の深みで溺れ、死亡した事故に関し、イベントa倶楽部の代表として同倶楽部の会務を統括する業務に従事していた被告人Aと、同倶楽部の監査役であり、実質的に同倶楽部の代表を補佐し、会務を掌理する業務に従事していた被告人Bが起訴された、業務上過失致死被告事件において、本件溺水事故が発生した原因は、従前に採られていた監視態勢すら採られず、成人スタッフが児童らを引率して集団行動すべきであるのにこれを分散させた結果、監視する成人スタッフが誰1人としていない状況下で児童らに川遊びをさせたことにほぼ尽きると考えるのが相当であり、高度な結果回避義務を被告人A、Bの両名に負担させることは相当とはいえないとした上で、被告人Aについては、被告人Bを補佐する立場にとどまっていたと考えるのが相当であるとして、無罪を言い渡し、被告人Bについては、上記注意義務に反して監視・救助態勢を採らないまま川遊びプログラムを開始し、その結果、被害児童が溺水したため、被告人Bが責任を負うことは明らかであるとし、本件事案の性質・内容などに照らし、罰金70万円に処した事例。
2017.07.11
業務上過失致死被告事件 
LEX/DB25545946/佐賀地方裁判所 平成29年 5月29日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第3号
夏休みイベント企画の川遊び中に8歳の児童が川の深みで溺れ、死亡した事故に関し、α市産業部観光課課長であり、同課に設置され、住民参加型の各種体験イベントを開催するなどの業務を行うαグリーン・ツーリズム推進協議会事務局の事務局長である被告人Aと、同課副課長兼グリーン・ツーリズム推進係長である被告人Bと、同課グリーン・ツーリズム推進係員であり、同協議会に関する業務の主査兼同協議会の事務局員として、同協議会の事務を処理する業務に従事していた被告人Cが起訴された、業務上過失致死被告事件において、従前に採られていた監視態勢すら採られず、成人スタッフが児童らを引率して集団行動すべきであるのにこれを分散させた結果、監視する成人スタッフが誰1人としていない状況下で児童らに川遊びをさせたことにほぼ尽きると考えるのが相当であり、高度な結果回避義務を被告人A、B、Cに負担させることは相当とはいえないとした上で、被告人Cは、市役所の職員として、川遊びという危険性を伴う本件キャンプに継続して関わっていたものであるから、業務性が認められることは明らかであるとし、被告人Cについては、罰金40万円に処し、被告人A、及び被告人Bについては、ともに過失責任を問うことはできないとし、無罪を言い渡した事例。
2017.07.11
不当利得返還請求控訴事件(共通錯誤に基づく無効を認める判例) 
「新・判例解説Watch」H29.8月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545767/大阪高等裁判所 平成29年 4月27日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第57号
原告(控訴人)が、被告(被控訴人)から購入したゴルフ会員権の退会手続をとったところ、同ゴルフ場運営者から被告に同会員権の預託金が送金され、被告がこれを不当に利得したと主張して、被告に対し、不当利得返還請求権に基づき金員の返還を求めたところ、原審が請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2017.07.11
不当利得返還請求事件
(平成29年4月27日大阪高等裁判所(平成29年(ネ)第57号)の原審) 
LEX/DB25545766/大阪地方裁判所 平成28年11月29日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第7286号
原告が、被告から購入したゴルフ会員権の退会手続をとったところ、同ゴルフ場運営者から被告に同会員権の預託金が送金され、被告がこれを不当に利得したと主張して、被告に対し、不当利得返還請求権に基づき金員の返還を求めた事案において、請求を棄却した事例。
2017.07.04
伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立事件(第1事件、第2事件)
LEX/DB25545650/広島地方裁判所 平成29年 3月30日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第38号 等
伊方原発3号機の運転差止仮処分命令を申立てた第1事件及び第2事件の各債権者らにおいて、債務者が設置、運転している発電用原子炉施設である伊方発電所3号炉及びその附属施設は、地震、火山の噴火、津波等に対する安全性が十分でないために、これらに起因する過酷事故を生じる可能性が高く、そのような事故が起これば外部に大量の放射性物質が放出されて債権者らの生命、身体、精神及び生活の平穏等に重大かつ深刻な被害が発生するおそれがあるとして、債務者に対し、人格権に基づく妨害予防請求権に基づき、本件原子炉の運転の差止めを命じる仮処分を申し立てた事案において、基準地震動の策定、耐震設計における重要度分類、使用済燃料ピット等の安全対策、地すべりと液状化現象による危険性の評価、制御棒挿入に係る危険性の評価、基準津波の策定、火山事象の影響による危険性の評価、テロリズム対策、シビアアクシデント対策のそれぞれにつき、新規制基準の定めが不合理であるということはできないし、本件原子炉施設が上記の各点につき新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断が不合理であるともいえないなどとし、第1事件及び第2事件の各債権者らの申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.04
仮処分命令認可決定に対する保全抗告事件
LEX/DB25545751/大阪高等裁判所 平成29年 3月28日 決定 (抗告審)/平成28年(ラ)第677号
滋賀県内に居住する相手方(債権者)らが、原子力発電所を設置している抗告人(債務者。電力会社)に対し、各原発が耐震性能に欠け、津波による電源喪失等を原因として周囲に放射性物質汚染を惹起する危険性を有する旨主張して、人格権に基づく妨害(予防)排除請求権に基づき、各原発を仮に運転してはならないとの仮処分を申し立て、これを認容する原決定をがなされたため、抗告人が保全異議の申立てをし、原審が原決定を認可したのに対し抗告人が保全抗告をした事案において、各原発の安全性が欠如していることの疎明があるとはいえないとして、原決定を取り消し、相手方らの仮処分申立てを却下した事例。
2017.06.27
業務上過失致死傷被告事件 
LEX/DB25448725/最高裁判所第二小法廷 平成29年 6月12日 決定 (上告審)/平成27年(あ)第741号
乗客が多数死亡したJR福知山線の脱線事故について、神戸地方検察庁が不起訴とした後、神戸第一検察審査会による2度の「起訴相当」判決を受けて業務上過失致死傷罪で強制起訴された、JR西日本の歴代社長3人に対する裁判で、第1審は被告人らに対し無罪を言い渡し、原判決も検察官の職務を行う指定弁護士の控訴を棄却したため、上告した事案において、JR西日本の歴代社長である被告人らが、鉄道本部長に対しATSを曲線に整備するよう指示すべき業務上の注意義務があったということはできないとし、被告人らに無罪を言い渡した第1審判決を是認した原判断は相当であるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2017.06.27
損害賠償請求事件 
LEX/DB25545810/さいたま地方裁判所 平成29年 5月24日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第2274号
原告らが,原告A(被告が管理運営する拘置所に収容されている死刑確定者)と原告弁護士23名らとの再審請求ないし国家賠償請求訴訟等の準備を目的とする別紙面会状況表記載の253回の各面会について、拘置所の職員の立会いのない秘密面会を許さず、また、面会時間を30分に制限した拘置所長の措置が違法であると主張して、被告国に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求めた事案において、拘置所長が、上記各面会の一部を除き、秘密面会を許さなかったことにつき、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったものとして、過失があったことは明らかであるとし、本件再審請求等に向けた打合せを目的とする面会につき、面会時間を一律に30分に制限した拘置所長の措置は、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して上記各面会をした原告A及び原告弁護士らの面会の利益をいずれも侵害したものとして、国家賠償法1条1項の適用上違法となるなどとして、原告Aの請求については認容し、原告弁護士20名らの請求については、請求額を減額したうえで一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2017.06.27
補償協定上の地位確認請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.9月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545811/大阪地方裁判所 平成29年 5月18日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第11819号
水俣病の認定を受けたd及びeの各相続人である原告らが、水俣病を発生させた企業である被告と水俣病患者東京本社交渉団との間で昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定に基づき、被告に対し、本件協定に基づく補償を受けられる等の協定上の権利を有する地位にあることの確認を求めた事案において、本件協定の本文第三項の「認定された患者」に該当するためには、その文言のとおり水俣病の認定を受けたことのみで足り、それ以外の要件は付されていないというべきであるとし、dらは、本件協定の本文第三項の「認定された患者」に該当し、dらの権利義務を承継した原告らは、受益の意思表示をしていることから、被告に対して本件協定に基づく補償給付を求めることができる地位を有すると認め、原告の請求を認容した事例。
2017.06.27
損害賠償請求事件  
LEX/DB25545773/静岡地方裁判所浜松支部 平成29年 4月24日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第403号
歯科医師として歯科医院を開業している原告が、被告会社で行っていた信用取引は、適合性原則違反、実質一任売買又は過当取引に当たる違法なものであったと主張して、被告らに対し、被告会社の従業員である被告担当者については民法709条及び719条に基づき、被告会社については民法715条に基づき、連帯して、損害賠償金の支払を求めた事案において、被告担当者は、本件信用取引全体に対して共同不法行為責任を負い、被告会社は、被告担当者の使用者として使用者責任を負うとして、請求額を減額したうえで、一部認容した事例。
2017.06.20
入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為毒の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害被告事件(官製談合 亘理町 元課長に有罪判決)
LEX/DB25545587/仙台地方裁判所 平成29年 3月27日 判決 (第一審)/平成28年(わ)第608号
土木建築設計施工請負等を業とする株式会社の取締役営業部長であり同社の入札業務等を担当していた被告人が、宮城県亘理郡の企画財政課長として同町が発注する工事の入札を執行する職務等に従事していた共犯者らと共謀し、工事の条件付一般競争入札に関し、他の復旧・復興建設工事共同企業体が落札したにもかかわらず、工事の入札を執行し直して、前記入札金額より高い金額で別の復旧・復興建設工事共同企業体に入札させたとして、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反で起訴された事案において、懲役1年、執行猶予3年を言い渡した事例。
2017.06.20
損害賠償請求事件(第1事件、第2事件、第3事件、第4事件、第5事件)
(みずほ証券等に対する粉飾決算損害賠償請求事件) 
LEX/DB25545277/東京地方裁判所 平成28年12月20日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第36767号 等
半導体製造装置の制作販売会社であるF社が、架空の売上げを計上して粉飾決算を行い、虚偽記載のある有価証券届出書を提出して東京証券取引所の市場であるマザーズへの上場を行ったところ、その後上記粉飾決算の事実が明らかになったことから、上場時の募集若しくは売出しに応じ、又は上場後の取引所市場においてF社株式を取得した原告らが、F社の役員、同社株式の募集又は売出しを行った元引受証券会社及び販売を受託した証券会社、当該売出しに係る株式の所有者並びに東京証券取引所等を被告として、金融商品取引法21条1項1号、2号、4号、22条1項及び17条、会社法429条2項又は民法上の不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案において、被告役員らの金商法上の責任を認めたほか、本件上場手続に関与した被告M証券について、A類型原告らの金商法21条1項4号に基づく請求及び同法17条に基づく請求はいずれも理由があるなどとした事例。
2017.06.20
損害賠償等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.10月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448539/大阪地方裁判所 平成29年 1月12日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第718号
原告出版社が、被告出版社及び被告印刷会社に対し、原告書籍を出版した際に製作された印刷用のデータを使用して、被告書籍を印刷・製本し、出版したと主張して、損害賠償を求めた事案において、被告印刷会社に本件写真データを使用して被告書籍の印刷・製本をさせた被告出版社の行為は、原告が被告印刷会社に対して有する債権侵害としての不法行為を構成すると認められ、被告出版社は、原告に生じた損害について、不法行為による損害賠償責任を負うとして、原告の請求を一部認容した事例。
2017.06.20
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件 
LEX/DB25448670/大阪高等裁判所 平成28年10月27日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第493号
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件の控訴審において、強制わいせつ罪の保護法益は被害者の性的自由と解され、同罪は被害者の性的自由を侵害する行為を処罰するものであり、客観的に被害者の性的自由を侵害する行為がなされ、行為者がその旨認識していれば、強制わいせつ罪が成立し、行為者の性的意図の有無は同罪の成立に影響を及ぼすものではないと解すべきであるとし、控訴を棄却した事例。
2017.06.13
詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人被告事件(首都圏連続不審死事件) 
LEX/DB25448669/最高裁判所第二小法廷 平成29年 4月14日 判決 (上告審)/平成26年(あ)第639号
被告人が、正業に就くこともないまま、ぜいたくな暮らしをするため、結婚相手を探すウェブサイトで知り合った男性らから、真剣な交際を装うなどして多額の金銭を受け取るなどしていたところ、その返済や嘘が発覚して追及されることを免れる等の目的で、あらかじめ練炭コンロ及び練炭を準備し、半年余りのうちに3名の男性を次々と殺害した殺人3件のほか、同ウェブサイトで知り合った男性らを被害者とする詐欺3件、同未遂3件及び窃盗1件からなる事案の上告審において、被告人の刑事責任は極めて重大であるというほかなく、原判決が維持した第1審判決の死刑を是認し、上告を棄却した事例。