2017.11.07
旅券返納命令及び渡航先制限取消請求事件
LEX/DB25547177/東京地方裁判所 平成29年 4月19日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第462号
ジャーナリストである原告が、トルコ共和国とシリアとの国境付近に渡航し、現地を取材した上でその成果を発表する計画を有していたところ、外務大臣から旅券法19条1項4号の規定に基づく一般旅券の返納命令を受け、その後、原告が一般旅券の発給の申請をしたところ、外務大臣から一般旅券の発給処分を受けるに当たり、同法5条2項の規定に基づき、その渡航先を本件渡航先とする制限を受けたことから、上記各処分が、いずれも原告の報道及び取材の自由(憲法21条1項)並びに海外渡航の自由(憲法22条2項)を侵害し、外務大臣の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり、また、憲法31条に由来する行政手続法13条1項の規定に基づく聴聞の手続を経なかったものであるから、違憲かつ違法であるとして、その各取消しを求めた事案において、原告の請求を棄却した事例。