2015.12.29
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出一部不許可処分に対する準抗告の決定に対する特別抗告
LEX/DB25447653/最高裁判所第三小法廷 平成27年12月14日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第401号
閲覧請求人が、平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故で放出された放射性物質に汚染された木材チップ合計約310立方メートルを滋賀県内の河川管理用通路に廃棄したという被告人に対する廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件に係る刑事確定訴訟記録の一部である〔1〕被告事件の裁判書、〔2〕滋賀県が河川敷進入のための鍵を貸与した経緯、本件木くずと余罪に関する木くずの両方について移動経路、保管状況等が分かる供述調書、報告書等、〔3〕起訴状の閲覧請求をしたところ、同記録の保管検察官が、被告事件の裁判書、起訴状、確定審の検甲16号証(滋賀県が鍵を貸与した経緯等に関するもの)につき閲覧を許可する一方、木くずの移動経路、保管状況等が分かる供述調書、報告書等の部分については、刑事確定訴訟記録法4条2項5号の閲覧制限事由に該当するとして、閲覧不許可としたため、閲覧請求人が準抗告を申し立てたところ、原決定は、閲覧請求人の主張を一部認め、主文第1項で、保管検察官の閲覧一部不許可処分を取消した上、主文第2項で、保管検察官は、閲覧請求人に対し、犯罪捜査報告書(確定審の検甲50号証)、犯罪捜査報告書2通(同検甲51,52号証)につき、閲覧させなければならないとし、主文第3項で,その余の準抗告申立てを棄却したため、閲覧請求人が特別抗告した事案において、本件閲覧許可部分のうち、別紙の除外部分の限度では、刑事確定訴訟記録法4条2項5号の閲覧制限事由に該当するとした保管検察官の判断は正当であり、これに該当しないとして、保管検察官の閲覧一部不許可処分を取り消した上、閲覧をさせなければならないとした原判断には、同号の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定の主文第2項を取り消した上、同部分に関する準抗告につき一部を認容し、その余を棄却することとし、その余の本件抗告を棄却した事例。