2016.03.01
損害賠償請求控訴事件(裁判員でストレス障害 仙台高裁も請求棄却)
LEX/DB25541488/仙台高等裁判所 平成27年10月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第360号
刑事裁判の審理を担当した合議体に裁判員として参加した原告(控訴人)が、被告(被控訴人)国に対し、原告は、上記刑事裁判において、裁判員等選任手続への出頭を強制され、裁判員に選任されて、凄惨な内容の証拠を取り調べた上、死刑の判決を言い渡す審理をした合議体への参加を余儀なくされた結果、急性ストレス障害を発症したとして、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(いわゆる裁判員法)の規定は憲法18条後段、憲法22条1項及び憲法13条に違反するもので、裁判員法を制定した国会議員の立法行為は違法である等と主張して、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金の支払を求めたところ、原審が、裁判員制度は憲法18条後段に違反するものではなく、裁判員法を制定した国会議員の立法行為及び裁判員法を合憲と判断した最高裁裁判官の行為にいずれも違法はないとして、請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、主位的請求を棄却した原判決は相当であり、主位的請求のうち当審で拡張された部分及び当審で追加された予備的請求は理由がないとして、控訴を棄却した事例。