注目の判例

2013年

2013.10.15
 
LEX/DB25501660 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年 7月 8日 決定 (上告審) / 平成23年(あ)第1098号
 被告人に対する殺人、殺人未遂、現住建造物等放火、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、建造物損壊、威力業務妨害、覚せい剤取締法違反被告事件につき、第一審が、警察署に対する銃撃に係る事実につき被告人を無罪とし被告人に無期懲役を言い渡し、第二審が、無罪とした部分に事実誤認を認め原判決を破棄して被告人に無期懲役を言い渡し、被告人が上告をした事案において、上告を棄却した事例。
2013.10.15
有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反被告事件
LEX/DB25501676 / 福岡地方裁判所 平成25年 7月 3日 判決 (第一審) / 平成22年(わ)第1404号等
 被告人が、約1万5000名の者を勧誘して社債を募集する際に内閣総理大臣への届出をしなかった証券取引法違反の事実、架空の法人名義で社債券40枚(券面額合計1億6800万円)を偽造して行使した有価証券偽造、同行使の事実、リゾートホテル会員権の預託金名下に56名の被害者から合計1億4000万円余りの金員を詐取した詐欺の事実からなる、有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反被告事件の事案において、被告人は、量刑の中心となる判示第3の各犯行についてみると、判示第3記載の約定で会員権を発行して預託金を集めても返還することができないと分かっていたにもかかわらず、会員権を販売し、多数の被害者に多額の損害を被らせており、その犯情は悪質であり、結果も重大である等として、被告人の刑事責任は重大であって、被告人を相応の期間の実刑に処するのが相当であるとして、被告人を懲役6年及び罰金300万円に処するとした事例。
2013.10.15
殺人被告事件
LEX/DB25501669 / 福岡地方裁判所 平成25年 6月14日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第262号
 被告人は、長年にわたって献身的に高齢の実母である被害者の介護を続けてきた中で、うつ病の強い影響で心神耗弱の状態に陥り、自身と被害者の将来に絶望して犯行当日に衝動的に被害者と無理心中することを思い立ち被害者(当時94歳)の頚部をタオルで絞めて窒息死させたとの殺人の事案において、犯行に至る経緯や動機には酌むべき事情が相当程度認められること、被告人が反省の態度を示していること、被害者の長女も被告人の処罰を望んでいないこと、再犯のおそれは乏しいと思われることなどから、刑の執行を猶予するのが相当であるとして、被告人に対し、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.10.15
住居侵入、殺人、窃盗、傷害、脅迫被告事件
LEX/DB25501675 / 長崎地方裁判所 平成25年 6月14日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第75号等
 被告人が、同棲相手であったAの家族がAをその意思に反して実家に閉じ込めていると思い込むとともに、同棲中、Aに対し、被告人から逃げたらAの家族を殺すなどと告げていた覚悟を示すためにも、Aの家族を殺害してAを連れ戻そうと企て、長崎県内のAの実家等に侵入し、Aの祖母や母を殺害したなどとされた住居侵入、殺人、窃盗、傷害、脅迫被告事件の事案において、犯行当時の被告人の責任能力について、被告人の各犯行動機は、Aへの過度の執着心・支配欲や非社会性パーソナリティ障害がもたらす欲求不満への耐性及び規範意識の低さ等が重なって形成されたことを考慮すれば、十分に理解可能であり、理不尽ではあるが、突飛な考えとか不可解な動機とは異なるとして、被告人は、各犯行時に、精神の障害により是非弁識能力及び行動制御能力が著しく減退しておらず、完全責任能力を有していたと認めるのが相当であるとして、被告人を死刑に処するとした事例(裁判員裁判)。
2013.10.15
各業務上過失往来危険、業務上過失致死被告事件
LEX/DB25501624 / 東京高等裁判所 平成25年 6月11日 判決 (控訴審) / 平成23年(う)第1545号
 控訴人(被告人。海上自衛官)両名に対する業務上過失往来危険、業務上過失致死被告事件について、原判決が無罪を言い渡し、検察官が控訴をした事案において、被告人両名の過失を認めることはできないとして、控訴を棄却した事例。
2013.10.15
詐欺、有印私文書偽造、同行使被告事件
LEX/DB25501620 / 水戸地方裁判所土浦支部 平成25年 6月11日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第696号等
 被告人は、金融機関職員をして、被告人が土木建築業を営んでおり、融資した金銭を重機購入に充て、被告人が受注している工事代金等で同金銭の返済を受けることができる旨を誤信させ、1144万円余りの金員を振込入金させたとの詐欺、金銭借用証書を偽造し行使したとの有印私文書偽造、同行使の事案において、計画的、巧妙、悪質であること、被害額は多額であること、身勝手な犯行であることなどを考慮し、被告人を懲役2年10月に処した事例。
2013.10.15
殺人、覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25501674 / 福岡地方裁判所小倉支部 平成25年 6月 7日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第785号等
 被告人が、妻(当時50歳)に裏切られたとの思いが一気に高まって、同人を殺害することを決意し、同人に対し、殺意をもって、ナイフで同人の両頚部及び右大腿部を突き刺し、その頚部にタオルを巻き付けて締め付けるなどし、よって、同人を絞頚による窒息兼出血性ショックにより死亡させて殺害した等とされた事案において、本件犯行の際、被害者が真意に基づいて被告人に殺害を嘱託した事実はなく、また、仮に、被害者が「終わりにして」などの言葉を発したとしても、被告人がその言葉を真に殺してほしいという意味のものと認識したとは考えられず、よって、被告人が被害者から殺害を嘱託された旨誤信した事実はないものと認められるなどとして、被告人を懲役16年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.15
殺人未遂被告事件
LEX/DB25445886 / 神戸地方裁判所 平成25年 3月19日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第769号
 被告人は、アパートの居室から3階廊下に出たところ、同じアパート3階の住人で、以前口論をしたことがあったA(当時72歳)から、居室ドアの開閉を静かにするよう注意された上、その顔面を拳で殴られるなどしたことから、これに腹を立て、Aを脅して今後このような態度をとらないようにさせようと思い立ち、穴あき洋包丁(刃体の長さ約12.2センチメートルを持ち出し、3階の廊下で、Aに対して、本件包丁の刃先を向け、更に、Aが本件包丁を持った被告人の右手をつかみ、被告人も左手でAの胸ぐらをつかむなどして揉み合いの状態になる中で、Aの手をふりほどこうとし、Aの身体の至近距離で本件包丁を持った右手を振り回すなどの暴行を加え、その際、Aにより加えられた力も相まって、本件包丁の刃先が、Aの左側胸部に突き刺さったり、右頸部に当たるなどした結果、Aに、全治約45日間を要する、左側胸部刺創、左第3肋骨骨折、血気胸、右頸部切創、右手背切創等の傷害を負わせた事案において、被告人は、脅すためにAに包丁を突き付けたところ、Aが被告人の右手首をつかみ、そのまま押したり引いたりの揉み合いになったため、被告人は手を自由に動かすことができない中で、Aの手をふりほどこうと手を振り回し、Aにより加えられた力も加わり、結果として包丁がAの身体に突き刺さったり、体に触れるなどし傷害が発生したもので、被告人は、狙ってAの左側胸部等を刺したわけではないから、自身の行為がAが死ぬ危険性の高い行為であるとわかって行ったとはいえず、被告人には殺意は認められず、傷害罪が成立するにとどまり、懲役3年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.08
審決取消請求事件(発明等名称:太陽電池用平角導体及びその製造方法並びに太陽電池用リード線)
LEX/DB25445881 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月19日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10433号
 A社が、発明の名称を「太陽電池用平角導体及びその製造方法並びに太陽電池用リード線」とする特許出願をし、拒絶査定を受けたため、これに対する不服の審判を請求したが、本件審判の請求は成り立たないとの審決がされたことから、その取消しを求めた事案において、本願発明及び先願基礎発明は、はんだ接続後の熱収縮を、平角導体を塑性変形させることで低減させる点で共通しているものの、本願発明は、セルの反りを減少させることに着目して耐力に係る数値範囲を決定しており、他方、先願基礎発明は、半導体基板に発生するクラックを防止することに着目して耐力に係る数値範囲を決定しているのであって、両発明の課題が同一であるということはできないとし、A社を吸収合併した原告の請求を認容した事例。
2013.10.08
求償金請求事件
LEX/DB25445871 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 9月13日 判決 (上告審) / 平成23年(受)第2543号
 A銀行との間で、BがA銀行に対して負う債務について保証する旨の契約をした原告(上告人)が、A銀行に対し代位弁済をし、原告との間で、Bが原告に対して負担すべき求償金債務について連帯保証する旨の契約をした被告(被上告人)に対し、求償金残元金の支払を求めたところ、請求が棄却されたため、原告が控訴した事案において、主たる債務者兼保証人の地位にある者が主たる債務を相続したことを知りながらした弁済は、これが保証債務の弁済であっても、債権者に対し、併せて負担している主たる債務の承認を表示することを包含するものといえ、当該弁済は、特段の事情のない限り、主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効の中断の効力を有すると解するのが相当であるとし、原判決を破棄し、第一審判決を取り消し、請求を認容した事例。
2013.10.08
商標権移転登録手続等請求事件
LEX/DB25445876 / 大阪地方裁判所 平成25年 9月12日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第12967号
 原告が、被告会社との間で金銭消費貸借を締結し、被告会社が保有する知的財産権の一切を原告に譲渡担保として差し入れ、当該譲渡担保については、金銭消費貸借契約に基づく被告会社の債務履行が完了した時点で解放し、債務不履行となった場合、原告が当該譲渡担保権を実行する旨の覚書2を締結したことにつき、被告会社に対し、譲渡担保契約に基づき、本件各商標権の移転登録等を請求した事案において、原告と被告会社間では、本件覚書2により、本件消費貸借契約に基づく貸金返還、利息及び遅延損害金の各債権を被担保債権として、本件各商標権を含め、被告会社が有する知的財産権の一切について原告のため譲渡担保権を設定する旨の本件譲渡担保契約が成立したものと解されるとし、請求を認容した事例。
2013.10.08
審決取消請求事件(発明等名称:船舶)
LEX/DB25445859 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月10日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10425号
 発明の名称を「船舶」とする本件特許の特許権者である原告らが、本件特許を無効とした審決の取消しを求めた事案において、本件補正において、バラスト水処理装置の配設場所を「非防爆エリア」としたとしても、新たな技術事項を導入するものではなく、出願当初明細書に記載された技術範囲を逸脱するものではないから、本件発明6が特許法17条の2第3項の規定により特許を受けることができないとした審決の判断は誤りであるとして、上記審決を取り消した事例。
2013.10.08
審決取消請求事件(発明等名称:船舶)
LEX/DB25445860 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月10日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10424号
 発明の名称を「船舶」とする本件特許の特許権者である原告らが、本件特許を無効とした審決の取消しを求めた事案において、本件明細書には、「非防爆エリア」についての説明は存在しないが、本件特許の出願時における技術水準に照らせば、その意味は、その具体的な場所も含めて明確であるから、訂正後の請求項6は特許法36条6項2号の規定に違背するとした審決の判断は誤りであるなどとして、上記審決を取り消した事例。
2013.10.08
損害賠償請求控訴事件、損害賠償請求附帯控訴事件、原状回復を命じる裁判の申立事件、控訴棄却・附帯控訴に基づき変更・原状回復を命じる裁判(ジェイコム株式誤発注事件控訴審判決)
LEX/DB25501520 / 東京高等裁判所 平成25年 7月24日 判決 (控訴審) / 平成22年(ネ)第481号等
 証券市場を開設する被控訴人との間で取引参加者契約を締結し、被控訴人の取引参加者である控訴人が、被控訴人の開設する市場において、J社の株式につき、顧客から委託を受けて「61万円1株」の売り注文をするところを、誤って、「1円61万株」の売り注文をし、その後、控訴人が本件売り注文を取り消す注文を発したが、被控訴人のコンピュータ・システムに瑕疵があり、また、被控訴人が売買停止措置等をとらなかったため、上記取消注文の効果が生じなかったことに関して、控訴人において損害が生じたと主張して、債務不履行又は不法行為に基づき、被控訴人に対して、損害賠償を求めた事案の控訴審において、控訴人の落ち度を重大と評しつつ、被控訴人の売買停止義務違反も重過失であることを考慮すると、損害の公平な分担という観点からは、控訴人につき少なくとも3割の過失相殺をするのが相当である等として、附帯控訴に基づき、原判決を変更した事例。
2013.10.08
殺人被告事件
LEX/DB25501472 / 東京高等裁判所 平成25年 7月11日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第2246号
 アルコール症センター内で、同じ入院患者である被害者を刺し殺したという事案の控訴審で、被告人は犯行当時、妄想型統合失調症のために責任能力が著しく減退していたものの、責任無能力状態であったとまではいえず、限定責任能力状態であったとした原審の判断は妥当であるとして、被告人側の控訴を棄却した事例。
2013.10.08
電磁的公正証書原本不実記録、同供用被告事件
LEX/DB25501593 / 広島地方裁判所 平成25年 7月11日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第143号
 被告人は、共犯者と共謀の上、新設分割により設立する株式会社につき、休眠会社から資産等の承継があったと仮装して、内容虚偽の「資本金の額の計上に関する証明書」等を作成した上、東京法務局において、同書類等を提出して新設分割による会社の設立登記を申請し、登記官をして、商業登記簿原本である電磁的記録に、会社の資本金が1000万円である旨の不実の記録をさせ、商業登記簿原本としての用に供したとの電磁的公正証書原本不実記録、同供用の事案において、被告人に懲役1年、執行猶予4年を言い渡した事例。
2013.10.08
殺人被告事件
LEX/DB25501467 / 山口地方裁判所 平成25年 6月27日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第220号
 妄想性障害もつ被告人が被害者を殺害したという事案において、犯行が妄想性障害の著しい影響を受けて行われており、被告人は犯行当時心神耗弱の状態にあったとして、被告人に懲役3年を言い渡した事例(求刑懲役18年)。
2013.10.08
殺人被告事件
LEX/DB25501465 / 大阪高等裁判所 平成25年 2月26日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第1159号
 実姉を包丁で突き刺して死亡させたというの事案について、第一審で懲役20年を言い渡された事案の控訴審で、原判決は本件犯行にいたった動機や経緯にアスペルガー傷害の影響があった点を過小評価し、また社会においてアスペルガー障害の受け皿がなく、このことと被告人の反省が十分でないことと相まって再犯のおそれが強いなどとして、これらを被告人の刑を重くする方向の一事項として考慮したが、それは誤っているとして原判決を破棄し、懲役14年を言い渡した事例。
2013.10.01
損害賠償請求事件
LEX/DB25445882 / 仙台地方裁判所 平成25年 9月17日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1274号
 宮城県石巻市内の被告B1学院が設置する本件C幼稚園に子供を入園させていた原告らが,平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって発生した本件津波に流されて、子供らが乗車した本件幼稚園Cの送迎バスが横転し,その後に発生した火災にも巻き込まれるなどし、上記子供らが死亡するに至ったのは,本件地震発生当時の本件幼稚園Cの園長であった被告B2園長らが津波に関する情報収集を懈怠し、送迎バスの出発や避難に係る指示・判断を誤ったことなどによるものである旨主張して、被告B1学院に対しては安全配慮義務違反の債務不履行又は民法715条1項の不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告B2園長に対しては民法709条の不法行為による損害賠償請求権に基づき、それぞれ損害金及びその遅延損害金の連帯支払を求めたという事案において、被告B1学院の履行補助者(被用者)である被告B2園長が本件地震発生後に津波に関する情報収集義務の履行を怠った結果、本件小さいバスを眼下に海が間近に見える高台にある本件幼稚園Cから海側の低地帯に出発させて本件被災園児ら4名の津波被災を招いたといえるから、原告ら主張のその余の責任原因について判断するまでもなく、被告B1学院には安全配慮義務違反の債務不履行責任及び民法715条1項(使用者責任規定)の不法行為による損害賠償責任があり、被告B2園長には民法709条の不法行為による損害賠償責任があるとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.10.01
現住建造物等放火、殺人、殺人未遂被告事件
LEX/DB25501589 / 大阪高等裁判所 平成25年 7月31日 判決 (控訴審) / 平成23年(う)第1649号
 犯行時、被告人に妄想はあったものの、被告人の精神症状により、物事の是非善悪を判断し、その判断に従って行動する能力が著しく減退していなかったと認定した原判決の判断は正当であるとし、また、現在我が国で執行されている絞首刑という執行方法が、それ自体、受刑者に不必要な精神的、肉体的苦痛を与えることを内容とするものとして、人道上も残虐と認められる刑罰であるということはできないとして、被告人の控訴を棄却した事例。