ユーザー事例

株式会社ヒガシトゥエンティワン 様 (導入システム FX5/FAManager)

自社の強みを生かすグループ経営へ迅速な意思決定支える経営管理基盤を整備

株式会社ヒガシトゥエンティワン

2017年5月に統合型会計情報システム(FX5)と固定資産管理システム(FAManager)を採用し、グループ会社の経営管理基盤の整備に取り組む株式会社ヒガシトゥエンティワン。導入の狙いについて、同社経理部の新井慶景部長、鍵佳明課長、長岡由紀恵主任、坂上真治主任に伺った。

──御社の事業概要を教えてください。

新井慶景部長

新井慶景部長

新井 当社は1944(昭和19)年に大阪市東区の運送会社13社が統合し、設立されました。以来、B2B向けに「輸送」「事務所移転引越」「倉庫保管」を基幹として事業展開してきました。最近ではお客さまからのニーズや時代の変化に対応し、物流をコアとした「物流加工」「書類保管」「サードパーティー・ロジスティクス」のほか、「ビル内デリバリーサービス」「IT機器サポート」「福祉用具レンタル」など、その事業範囲は多岐にわたっています。
 いま業界はネットショッピングの普及などを背景に物流量・輸送量が増加し、仕事の規模も大きくなっています。一方で、われわれにとって重要な経営資源であるドライバーの新規就労が減少し、加えて高齢化も進んでいることでいずれ深刻な労働力不足に陥ると懸念されています。
 そうした経営環境の中で、当社がこれからも成長・発展を続けていくには、当社の持つ“強み”をさらに強化することが欠かせません。そのため、個々の事業分野を拡大・強化するとともに、専門性を持つ人材の確保・育成、お客さまサービスの向上などを狙いとして、一昨年からグループ経営に舵を切りました。現在、連結子会社4社、持分法適用会社1社のグループ6社体制となっています。

会計システム刷新で年間1万時間の削減効果

──そうした中、FX5を採用し会計システムを刷新されました。

鍵佳明課長

鍵佳明課長

 経理部としては、経営戦略に沿ってグループ会社が増えても柔軟かつ迅速に対応することが求められます。しかし、従来の社内システムは、長年利用する中でシステムが複雑化・硬直化し、運用・保守作業も属人化するなど“ブラックボックス化”が進んでいました。そこでシステムの全面刷新を決断。また、大規模災害等によるデータ消失リスクを回避するとともに情報セキュリティー対策を強化するため、新システムはクラウド方式とすることにしました。
 選定にあたっては、2カ月で10社の製品を比較検討しました。正直申し上げて、基本的な機能はほぼ横並びでしたね。その中で、FX5は〈インプット〉と〈アウトプット〉の部分が一番充実していました。
「これならばコストを抑制しつつ、シンプルかつスムーズにグループ・ガバナンスを強化できる」と判断し、採用を決めました。

──実際にFX5を利用された感想は。

 まず、インプット作業が大幅に削減されました。当社では、全国約40の事業拠点にそれぞれ事務担当者を置いています。例えば、小口現金の精算や未払い処理の際に、これまでは事務担当者が仕訳形式で入力を行っていましたが、基本的に会計の知識がない者が入力する為、ミスが多くかなり不効率な状況でありました。これを処理ごとに会計の知識がない者であっても簡単に入力できるExcelシートを作成したことにより、ミスなくスピーディーな入力が可能となりました。また、Excelシートについては、FX5の「仕訳読込テンプレート機能」を用いて取り込んでいるため、経理部でも効率が上がっています。それも容易にデータ連携ができればこそ。その設定も特別な知識なしに誰でも簡単にでき、便利ですね。

長岡由紀恵主任

長岡由紀恵主任

長岡 仕訳登録は本当に楽になりました。各拠点から届いたExcelを読み込むだけで、経理部がFX5に直接入力することはほとんどありません。

坂上 また、この機に〈ミスをさせず、未然に防ぐ〉という内部牽制の観点から、事務担当者が入力したExcelシートに不備があった場合にエラーメッセージを表示させる関数を設定しました。これにより入力ミスが減り、経理部の確認作業も大幅に簡素化されました。

 その結果、事業拠点ごとにひと月に平均12時間程度は削減されたと感じています。約40拠点で約480時間ですね。管理部門でも350時間程度の効率化につながっていることから、全体では年間約1万時間の削減効果となります。これは大きな成果ですね。

──なるほど。アウトプットの面ではいかがでしょうか。

 Excel関数を使って自由にレイアウトできる「マネジメントレポート設計ツール」が活躍しています。
 当社では営業所単位で損益表を作成していますが、マネジメントレポート設計ツールを活用することで従来のレイアウトをそのまま踏襲することができました。これにより、新しい帳表の使い方を覚えるなど現場の負担もなく、システムをスムーズに移行できた一因になったと考えています。また、子会社がこれまで使っていた帳表をそのまま継続したことで、各社の文化も尊重できました。

──グループ会社の経営管理基盤としては、どう役立てていますか。

 各社にFX5を導入するのを機に、グループ全体で統一勘定科目を利用するようにしました。そのため、FX5への仕訳読み込み用のExcelシートや帳表も共通のものを使えるようになりました。これにより、新たに会社が増えても時間をかけずシステムを立ち上げ、スムーズに運用することができると考えています。
 実際、2つの子会社(株式会社FMサポート21と株式会社トランスポート21)の分社(2018年4月)に伴い経理部の業務は増えましたが、人を増やさず無理なく対応できました。経理部の都合でM&Aなど経営者の意思決定を鈍らせるようなことがあってはなりません。もし、分社化が1年早かったらと思うとゾッとしますね(笑)。

FX5を核にグループ・ガバナンスの強化へ

顧客密着の高さを“強み”として、物流をコアに多岐にわたる事業を展開する

顧客密着の高さを“強み”として、物流をコアに
多岐にわたる事業を展開する

──業務など、従来と大きく変わったことは何でしょうか。

 当初、クラウドに対しては処理スピードの面で不安がありました。当社の場合、仕訳が月に約3万行になりますが、ファイル切り出しをしても数十秒で出力され、ストレスを感じることはまったくありません。

長岡 私は長年使い慣れていたシステムを変えることに不安がありましたが、FX5は初心者でも使いやすく、なじみやすかったと感じています。

 また、“働き方改革”という点でも非効率な業務の解消に役立っています。一例を挙げると、これまでは勘定科目や支払先などをマスター登録する際にIT推進部に作業を依頼していましたが、いまでは経理部内で処理が完結できます。これについては、監査法人も、FX5にはログ管理機能などが実装されているので、「経理部内で処理しても統制上問題はない」と認めてくれました。

坂上真治主任

坂上真治主任

坂上 ほかにも、FX5からの科目別消費税額集計表、FAManagerから別表16や償却資産税の申告書などがしっかり出力できる点は、TKCならではの特長ですね。

──ありがとうございます。最後に今後の計画などを教えてください。

長岡 子会社が増えたことで、グループ間取引の照合作業が大変になってきているので、この点でもFX5の内部取引照合機能をうまく活用できるのではないかと考えています。

新井 グループ全社でFX5の運用がスタートしたことで、今後は各社の財務情報をタイムリーに確認するなどシステムを統一したメリットを期待しています。また、連結子会社が増えたことで、将来に備え連結会計システムの検討も開始しました。経理部としても、さまざまな変化へ柔軟に対応できるよう体制を整え、グループ全体の企業価値の向上に貢献していきたいと考えています。

会社概要
名称 株式会社ヒガシトゥエンティワン 株式会社ヒガシトゥエンティワン
設立 1944(昭和19)年12月
所在地 大阪府大阪市中央区内久宝寺町3-1-9
売上高 208億円(2018年3月期連結)
社員数 672名(2018年3月期連結)
URL http://www.e-higashi.co.jp/
掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2018年12月現在のものです。
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