税理士による開業コラム

事務所のビジョンと戦略

本気で伝える

浮田知希先生

浮田知希税理士事務所

税理士 浮田知希(昭和60年生まれ 香川県三豊市で平成28年に開業)

事務所方針を伝えていますか?
事務所として、何を重視して関与先と関わるのか。どんな経営者を応援したいのか。
事務所方針を伝える事は、関与先の経営者から信頼を得ることができるだけでなく、新規関与先とのミスマッチを防ぐこともできます。

開業当初の考え

独立開業する前に私が勤務していたのはTKCではないシステムの事務所でした。業務も、入力業務が主でした。そんな私の開業時のスタイルは、自宅の一室。私一人で会計入力から申告書作成まで行えばそれなりにやっていけるだろう、というものでした。

ズレの発生

開業時より、定期的に月次報告は行うようにしていました。資料を預かり、入力作業をしてから報告です。当然ながら報告する時点では数ヶ月前の試算表です。

このスタイルなら、報告もできているし、経営者ともしっかり対話ができていると考えていました。

ですが、ふと気付きました。報告を聞いてはくれますが、経営者はその試算表にあまり興味を示していませんでした。私が話すのは過去の試算表の話ですが、経営者の口から出てくるのは、現在自社で取り組んでいる事業の話、今月末の支払いの話、来月以降の受注の話でした。完全にズレていました。

経営者に追いつく

今のスタイルでは、求められているものを提供できていない。
これでは本当の意味での対話ができていない。

私は事務所のスタイルを大きく変えることにしました。

会計を活用し、過去だけでなく現在と未来の話もするようにしました。数ヶ月前の試算表から現在の状態まで追いつかせるのは大変でしたが、TKCシステムを活用する事で可能になりました。

今では、決算月の時点で精度の高い決算予測の報告ができるだけでなく、翌期の事業計画も併せて策定できるようになりました。

事務所方針を伝える

会計処理の代行業務から関与先拡大をしていたこともあり、経営者の会計に対する意識を変えることは大変でした。特に若手経営者にとっては、顧客獲得や資金繰り、人材採用などで必死なこともあり会計の優先度は高くありません。

その意識を変えるため、私は勉強会やセミナー講師などで人前に立つ機会を増やし、本気で会計で会社を強くするという姿勢をみせました。もともと経営者は自身の事業に対する熱量が高く、必死に営業活動に取り組んでいます。だからこそ私も同じ熱量でその姿勢をみせることで、経営者は共感してくれました。(もちろん、興味を示さない経営者の方もいましたが、その話は別の機会に。)

現在、①関与先だけでなく、地域の経営者や金融機関も対象とする事務所主催セミナー、②地元商工会青年部での後継者育成事業の講師、③金融機関の若手行員とともに毎月行う勉強会(TKCが発行する事務所通信を利用)等、様々な場所で話すことができています。

事務所の写真(外観・内観)
事務所の外観
事務所の内観

メッセージ最後にお伝えしたいこと

事務所方針などなく、なんとなくで開業してしまいました。当然後から苦労しました。そうならないためにも、開業時から事務所方針を決め、関与先にしっかり伝えてください。

この伝えるということが一番大切なことです。必ず、良い関与先との出会いに繋がります。