税理士による開業コラム

新規関与先獲得(ツール編)

『方針書』に
自分の想いを込める

髙屋將吾先生

髙屋將吾税理士事務所

税理士 髙屋將吾(昭和46年生まれ、神奈川県横浜市で令和3年に開業)

開業3年目で悪戦苦闘しながら頑張っています。開業当初、自分が一番不安であった顧問先獲得についての自分の体験をお伝えできればと思います。税理士は、中小企業の経営者を伴走支援することができる素晴らしい資格だと思います。開業時はいろいろと不安もありますが、一緒に頑張っていきましょう。

税理士事務所に約23年勤めた後、令和3年7月に49歳で独立しました。
勤務時代からTKCのシステムを使っており、TKCの考え方にも共感していたため、独立と同時にTKCに入会しました。

開業当初の不安

顧問先がほとんどない中でのスタートでしたので、顧問先の獲得が最重要課題でした。
実務経験はありましたが、実務能力と顧問先獲得能力は異なりますので、最初の半年間は、顧問先を獲得できるかの不安が非常に大きかったです。

新規顧問先の獲得に悪戦苦闘

開業当初は、名刺交換会や異業種交流会にも参加しましたが、結果は芳しいものではありませんでした。

  • 1 顧問先を獲得しなくてはいけないという焦り
  • 2 自分の考えを伝えることができず相手に合わせたトークを展開する
  • 3 相手の心に響かない
  • 4 顧問先を獲得できない
  • 5 自信喪失

という負のスパイラルに陥ってしまいました。

開業時はみんな不安

負のスパイラルに陥っていた令和3年11月に、TKC神奈川会のある会合に参加しました。
同じ時期に開業した同期に、「顧問先が獲得できるか不安でたまらない」と言ったところ、「不安なんて当たり前じゃないですか。自分だって不安ですよ」という言葉が返ってきました。

その言葉を聞いて不安なのは自分だけではないと少し気が楽になった記憶があります。

自分の想いを「方針書」に

そこで改めて顧問先に対してどのようなサービスを行いたいかを自分なりに考えてみました。
そして、悩んで考えた結果、「巡回監査・自計化・書面添付のサービスの提供」というシンプルな結論に辿り着きました。

これらの考えを表現するために、TKC神奈川会の先生から方針書のひな形をいただき、自分流にアレンジし、箇条書きで先ほどの結論と自分の想いを書いた方針書を作成しました。
顧問先候補と初めて面談する際には、この方針書を持参して説明することで、自分の軸がぶれなくなりました。

現事務所の写真(内観)
現事務所の写真(デスク) 現事務所の写真(応接室)

顧問先獲得のルート

顧問先の獲得については、1年目はあまり増えませんでしたが、2年目から少しずつ声がかかるようになりました。
2年目の法人の顧問先獲得ルートは、「顧問からの紹介」「他の士業からの紹介」「金融機関からの紹介」「知人からの紹介」「経営相談員からのつながり」などです。

現時点では、顧問先からの紹介が一番多いです。やはり、自分の仕事ぶりを知っていただいているので成約率も高いです。
「お客様を紹介してください」と直接伝えるのが有効だと思います(初めは恥ずかしくて言えませんでした)。
また、金融機関からの紹介については、TKC神奈川会の金融機関交流会で名刺交換させていただいたご縁でご紹介をいただきました。
経営相談員の仕事もTKCの会員先生からご推薦いただきました。会合に色々と参加しておくことの重要性を感じました。

メッセージ最後にお伝えしたいこと

私の場合、顧問先拡大といっても特別なことはしていません。
顧問先に対して質の高い仕事を心掛けること、色々な会合にはできるだけ参加し与えられた仕事を一生懸命行うことにより少しずつ顧問先が増えてきました。

自分に合った顧問先獲得の方法を見つけること、そして何より自分の想いを「方針書」に込めて、自分自身がぶれないことが大切だと思います。
開業当初は不安なことも多いですが、それはみんな同じです。一緒に頑張っていきましょう。