税理士による開業コラム

事務所のビジョンと戦略

開業前後で
月次巡回監査の
景色が変わった!

板倉 章典

税理士法人レガフィット

代表社員 板倉章典(昭和58年生まれ 東京都江東区で平成30年に開業)

税理士という立場で、経営者へのお役立ちをすることは社会的有用性の高い仕事だと思っています。月次巡回監査から始まる付加価値の提供は、経営者に欠かせないサービスであり、TKCの中にはそれをサポートする多種多様なツールが詰まっています。

税理士事務所としての社会貢献の基礎は、経営者へのお役立ちにより、顧問先の成長と発展をサポートすることだと思います。
私はその実現のために月次巡回監査を重視していますが、開業前と開業後で私の月次巡回監査に対する意識は確実に変わりました。

開業したからこそできる月次巡回監査があると思います。
そんな私の月次巡回監査と開業前後の変化について、ご紹介させていただきます。

基本業務スタイルが事務所の色を決める

会計事務所としてお客さまにどのような付加価値を提供できますか?
または、提供したいですか?

所長の考え方が、事務所の業務基盤となりブランドを構築していきます。
自社のブランドが、お客さまや社会から受け入れられて、広がっていけば、やがて事務所拡大にも繋がっていくはずです。

私の基本業務スタイルは月次巡回監査

根っこにある私のスタンスは、勤務時代の次のような思い(意識と答え)にあります。
だから基本業務スタイルは月次巡回監査としました。
この月次巡回監査は本当に奥が深く、なかなか100点満点が取れない仕事だと思いました。

<税理士事務所で勤務していた当時の「意識」>
「税務会計はできて当たり前」だから次のような「意識」で、ある意味自分自身を脅迫しながら巡回監査していました。

  • 1 社長の役に立てているのか
  • 2 報酬に見合う仕事ができているのか
  • 3 企業が成長発展していく上で出来る役立ち方とは何か

<税理士事務所で勤務していた当時の「答え」>
そこで辿り着いた方法が、次のような「答え」です。
当事者意識を忘れず、社長と温度差が出ないように、自分の仕事により意味を持たせるように努めました。

  • 1 企業が抱えている問題点を見つけこと
  • 2 解決策を社長と一緒に考えること
  • 3 お客様それぞれの問題を少しでも多く共有して考えること
  • 4 経営者の立場に立って考え、少しでも多く広くの判断材料を提供すること

開業前からこのようなスタイルをベースとして、仕事に取り組むことで、お客さまは理想と現実の間で会社経営における意思決定(選択)を繰り返すことで企業が前に進んでいくことが分かってきました。

独立開業を決めたターニングポイント

そんな私に、ある日社長から投げられた言葉に衝撃を受けたのを良く覚えています。
「あなたが雇われる側でいる限り、雇う側の気持ちは分からない」と。

確かに同じ経営者という立場、当事者になってみなければ理解できないことだと思います。
私の職業人生、「これが分からないまま続けていっていいのか」とそんなふうに思い、次第に心は税理士として独立開業へと向かっていきました。

開業エリア
開業エリアの写真
事務所の内観
事務所内観の写真

開業したから分かってきた経営者の目線

いざ開業してみると、今まで大して意識しなかったことが気になりました。
請求書に対する入金の有無、一緒に働く仲間とのバランス、事務所としての外部環境 との繋がりなどなど・・・。

それらの不安や孤独との付き合い方や対応方法を考え続けていたら、いつしか経営者としての成功や失敗を繰り返して経験することができました。
経営しているとこんなことまで気になるのか。このよりリアルな感覚が、お客さまである企業経営者に対する理解に繋がっていったのです。

開業前から当事者意識は忘れないように心がけてしましたが、自ら開業したことで、より経営者に寄り添い、抱えている悩みも実感を持って理解しながら月次巡回監査に臨めるようになりました。

開業したからこそできる月次巡回監査とは

中小企業経営者を一番支援できる立場にいるのは、開業して自ら経営をしている税理士だと思います。
会計で毎月の会社状況を正確に把握して、経営の三大要素であるヒト・モノ・カネのバランスを取りながら会社ごとの社会的役割を実現させていくのに欠かせません。
そのお手伝いができる税理士を育てて、広げて行くことは、事務所ごとの所長先生の役目だと考えています。

開業したからこそできる月次巡回監査でお客様と事務所の成長を盛り上げて行けたらと思います。