ニュースリリース

「TKCクラウドサービス」で新展開。シンクライアント対応基幹業務システムを提供

  • twitter
  • Facebook

平成22年10月12日

 株式会社TKC(代表取締役社長:髙田順三/本社:栃木県宇都宮市/資本金:57億円)は、このほどシンクライアント対応版(*1)の「TASK.NETシリーズ」の提供を開始します。
 これは「TKCクラウドサービス」の一環として提供するもので、シンクライアント対応で、かつすべての業務システムをハウジングできる環境を整えた基幹業務システムの提供は業界初となります。
  これにより、市区町村では重要な行政情報の保護・管理体制の一層の強化がはかられるとともに、クライアントパソコンの性能に依存しないシステム構成となります。このため、これまでは5年程度で買い換えていたパソコンを期間延長して利用できるようになるなど「トータルコストの削減」や「電子自治体の最適化」(*2)の効果が期待できます。 

 なお、シンクライアント対応版「TASK.NETシリーズ」は、平成23年1月より第一号ユーザーで稼動を開始する予定です(正式提供は平成23年春を予定)。 

 先頃、総務省はクラウドコンピューティングの地方公共団体への導入を促進するために、次期通常国会へ関連法案を提出する方針を打ち出しました。これによれば、今年11月までにクラウド導入の推進策を具体化し、すべての自治体においてシステム更新時期に合わせて順次導入を推進するとしており、今後、市区町村でクラウドコンピューティングの活用が急速に進むと見込まれています。 

 TKCでは、財政規模の小さい市区町村でも最適な業務プロセスを、最適なコストで実現できるよう、クラウドコンピューティングの特徴を活かした「TKCクラウドサービス」を提供しています。「TKCクラウドサービス」は、(1)バックオフィスサービスを支援する「TASK.NET」、(2)フロントオフィスサービスを支援する「TKC行政ASP」、(3)大量一括処理を支援する「アウトソーシング・サービス」――で構成されるものです。
 なかでも「TASK.NETシリーズ」は、住民情報や税務情報といった基幹業務を支援するシステムとして、現在100団体以上で同一のパッケージシステムが活用され、またシステムの利用料は「月額レンタル」制で、例年発生する軽微な制度改正に伴う改修もこの範囲内で対応するなど、もともとクラウド環境に馴染みやすい特長を持っていました。 

  今回のシンクライアント対応により、(1)行政情報の保護・管理体制の一層の強化、(2)運用・保守にかかる手間や労力の削減、(3)24時間365日の安心・安定稼動の実現――などの付加価値が追加されることとなり、平成25年までにシンクライアント対応「TASK.NETシリーズ」を50団体へ導入することを目指します。 

 (*1)シンクライアントとは、システムやデータなどはサーバで集中管理し、クライアントパソコンでは必要最小限の処理しか行わないようにする仕組みのこと。
 (*2)電子自治体の最適化とは、行政コストの圧縮と行政事務の質の向上、業務プロセスの最適化などを表現したもの。次期通常国会へ提出される法案には、自治体へ「電子自治体最適化計画」(仮称)を作成する努力義務が盛り込まれる方針。 

シンクライアント対応版「TASK.NETシリーズ」の概要 

〈特長〉       
1.TKCクラウドサービス
 シンクライアント対応版TASK.NETシリーズは、「TKCクラウドサービス」の一つです。
2.高いユーザビリティ
 「TASK.NETシリーズ」の機能やユーザインターフェイスはそのままに、シンクライアント環境へ対応しています。また、独自技術によりシンクライアントが持つ「印刷スピード」の問題を解決し、高精度な印刷処理を実現しています。
3.情報セキュリティの向上
 サーバとクライアントの間の、すべての通信を暗号化しています。また、すべてのデータをサーバで集中管理するため、クライアントからの情報漏えいのリスクを低減できます。
4.処理スピードの向上 
 画面転送型のシンクライアント技術を採用しているため、クライアントパソコンの性能や、ネットワーク回線の速度に関わらず快適な処理スピードを実現しています。
5.優れた柔軟性と拡張性
 システム整備状況や業務形態に合わせて、サーバを「庁内へ設置(庁内設置型)」「TKCインターネット・サービスセンターへハウジング(ASP利用型)」「システムを共同利用(フルアウトソーシング型)」するかを選択できます。また、「庁内設置型」から「ASP利用型」、あるいは「フルアウトソーシング型」へ容易に移行することも可能です。

20101012.jpg

〈提供時期〉   正式提供は、平成23年春
〈利用料金〉    例えば、「TASK.NET住基システム」で月額22万円~
         *人口規模、システムの利用状況などによって異なります。
          別途、導入時にシンクライアント製品(XenApp)の
          ライセンス料が必要です。
〈販売目標〉    平成25年までに50団体 

ご参考 

■「TKCクラウドサービス」について

 「TKCクラウドサービス」は、市区町村に欠かせない①バックオフィスサービスを支援する「TASK.NET」、②フロントオフィスサービスを支援する「TKC行政ASP」、③大量一括処理を支援する「アウトソーシング・サービス」――の3つを統合した次世代型のサービスです。
  なかでもLGWANを基盤とする「TKC行政ASPシリーズ」は、他社に先駆けて平成15年11月より提供(IP-VPNを基盤とするサービスは平成14年4月提供開始)してきました。現在、「電子申請・届出」「かんたん申請・申込」「公共施設案内・予約」「講座・イベント申込」「地方税電子申告支援サービス」など、住民向けサービスを中心に9種を提供しており、契約件数は1,000件を突破しています。
 今後、各種施策の動きなどを見据えながら、平成24年春をゴールとして段階的に「TKCクラウドサービス」を強化拡充していく計画です。

 「TASK.NETシリーズ」のシンクライアント対応について

 シンクライアント対応の方式にはいくつかの種類がありますが、当社では中小規模団体の業務特性などを考慮して、サーバとの間でやりとりするデータ量が最も少ない「画面転送」方式を実現しました。なお、シンクライアント対応にあたり、仮想化技術としてシトリックス社の「XenApp」を採用しています。
 シンクライアントは、クライアントパソコンの性能に依存せず、またシステムやデータなどをサーバで集中管理することから、「処理スピードの向上」「トータルコストの削減」「情報セキュリティ対策の強化」などの特長を持っています。クラウドコンピューティングとシンクライアントを組み合わせることで、いわゆる地方公共団体に特化した“プライベートクラウド”として、情報セキュリティ対策が格段に向上するとともに、国が推進する「電子自治体の最適化」にも大きく貢献します。 
 その一方で、シンクライアントは一般的に印刷スピードの遅さがネックとなっており、市区町村の窓口サービスを支援する基幹業務システムでは住民の待ち時間が長くなるなどサービス低下につながりかねないことから、行政情報システム分野ではなかなか利用が進みませんでした。
 しかし、当社では独自技術によってこの問題を解決することで、高精度な印刷処理を確保しながら「TASK.NETシリーズ」のシンクライアント対応の実現に成功しました。 

以上

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp 

  • twitter
  • Facebook