【ユーザー事例】番号制度を機に、基幹業務の標準化を実現

基幹系システム > 東京都武蔵村山市

総務部文書情報課 課長 室賀和之 氏 / 総務部文書情報課情報システムグループ 主査 荻野隆行 氏

住所
東京都武蔵村山市本町1-1-1
電話
042-565-1111
面積
15.32平方キロメートル
人口
72,067人(平成27年8月1日現在)
URL
http://www.city.musashimurayama.lg.jp/
都心近郊の住宅都市として発展してきたが、最近では大型ショッピングセンターや四季折々の自然が満喫できる地の利を生かした観光地として多くの人が訪れる。さらなるまちの発展を目指し、新青梅街道の拡幅整備とともに多摩都市モノレールの市内延伸実現へ市民とともに取り組んでいる。写真は村山デエダラまつりのねぶたと、温泉資源を生かした「村山温泉・かたくりの湯」。

──基幹系システムの見直しに至った背景を教えてください。

室賀 武蔵村山市では、これまでホストコンピュータによる自庁処理を行っていました。ホストコンピュータは優れた処理能力を持っていますが、長年、制度改正等への対応を重ねたことでシステムが複雑化し、経費の高止まりなどの課題も発生していました。これに追い打ちを掛けたのが、「社会保障・税番号(マイナンバー)制度」です。現行システムで対応するにはコストがかかり、システムがさらに複雑化することとなるため、オープンシステムへの移行を決断しました。

 システムの再構築にあたり、平成26年4月に検討組織を立ち上げて「基本方針」を定めました。主な方針は、①再構築する業務システムの明確化、②パッケージを最大限活用することで、運用・保守等にかかるコストを軽減し、簡素で効率的なシステムとする、③最新の情報通信技術を活用した拡張性・柔軟性を備えたシステムとする──の3点です。この方針に基づき、調達仕様書や機能要件、評価基準書を職員が分担して作成しました。

──その段階では、クラウドサービスを意識していなかったそうですね。

荻野 今回の目的は、「マイナンバー制度への円滑な対応」と「将来を見据えた新たな基幹系システムの構築」の二つです。最終的にクラウドサービスの利用を決めましたが、二つの目的達成が主であって〝道具〞は二の次の話だと思います。

システム選考で重視したのは、「市民サービスを低下させることなく誰がやっても同じ成果を挙げられ、職員や組織体制が変わっても業務を継続できること」です。人口減少・少子高齢化の影響により職員数が減る一方で、業務の幅は拡大し続けています。現場でも効率化に向けた努力はしていますが、個々人でできることには限界があります。そこで業務を標準化するとともに、10年後、20年後も利用できる新たな基幹系システムの構築を目指しました。

10年後を見据え、
業務を徹底見直し

室賀和之 課長

室賀和之 課長

──「業務の標準化」はなかなか難しいといわれる中で、武蔵村山市では業務をパッケージに合わせる意識が高く、標準化へ前向きな印象を受けます。推進にあたり工夫された点は何ですか。

室賀 まずは、基本方針を全庁に示し、職員の意識合わせを図りました。その上で、「目的を達成するために、いま何をやらなければいけないのか」「業務の本来あるべき姿とは」を、現場自身に考えてもらうようにしました。さらに、当初の目的がぶれないように企画部門とも協力しながら、管理職と担当職員の双方へ「業務の標準化」の重要性を訴え続けました。

荻野 工夫ではありませんが、マイナンバー制度が絶好のチャンスとなりましたね。通常の法制度改正であれば影響する部門も限られ、それをきっかけに業務の標準化を進めようとしても全庁的な動きとすることは難しいでしょう。この点、マイナンバーはすべての部署が関わるだけに、「いま何とかしなければ」という職員の危機意識も高まったのだと思います。

 また、対象範囲が広がるほど話がまとまりにくくなることから、今回は住基と税務の分野に絞り込みました。これもスムーズに進んだ要因の一つだと思います。ここでぜひ大きな成果を挙げ、「パッケージを活用して業務の標準化をしよう」という意識が他部門へ波及していくことを期待しています。

番号制度対応は通過点

荻野隆行 主査

荻野隆行 主査

──最終的にTKCのクラウドサービスを選択した理由を教えてください。

室賀 マイナンバー制度の開始を控え、システムの安定稼働と情報セキュリティーの確保が大前提となります。この点、TKCはクラウド方式による基幹系システムで多くの導入実績があり、安心できました。加えて、全国の市区町村との共同利用型による割り勘効果やスケールメリットが期待できる──これは最大の利点だと感じています。さらに、積極的にユーザーの声を採り入れてシステムを進化させ続けているという点も評価しました。

荻野 機能評価では業務担当者の意見を反映しました。その結果、自分たちが望むものに最も近かったのがTKCのシステムでした。実は、もっとカスタマイズが発生すると想定していましたが、TKCと打ち合わせを重ねる中で、要望の多くを標準機能として今後のバージョンアップで対応してくれることとなりました。これはありがたかったですね。

──9月にシステムが本稼働となりましたが、今後の期待点は何でしょうか。

荻野 制度対応は通過点にすぎません。武蔵村山市では制度開始後を見据え、組織横断によるワーキンググループを立ち上げて、①個人番号カードの独自利用などの利活用、②情報セキュリティーポリシーの見直し、③福祉業務での対応、④市民へのアピール方法──の検討を進めています。

 マイナンバーについては、今後も新たな市民サービスへの対応などシステムの強化拡充はまだまだ続きます。クラウドの利点の一つは「いつでもやめられる」ことです。よりよい製品・サービスがあれば、次はそちらを選ぶことも容易にできる。TASKクラウドに対する最終評価を下すまでにはまだ時間がかかりますが、将来、「あの時にTKCを選んでよかった」と思えるように、これからの支援にも期待しています。