【ユーザー事例】 「LGWAN+クラウド」でコストと安全性を両立

基幹系ソリューション > 山形県西川町

西川町役場 政策推進課 課長 後藤忠勝氏 / 課長補佐兼企画調整係 係長 土田浩行氏 / 情報推進係 係長 阿部健彦氏

住所
山形県西村山郡西川町大字海味510番地
電話
0237-74-2111
面積
393.23平方キロメートル
人口
6,065人(平成26年6月1日現在)
URL
http://www.town.nishikawa.yamagata.jp/
後藤忠勝課長

後藤忠勝課長

──基幹系システムを単独方式のクラウドへ切り替えた背景や目的を教えてください。

後藤 西川町では、平成18年度に導入したシステムを8年間にわたり使用してきました。しかし、オンプレミス型(自庁設置型)のシステムということもあり、ハードウエアの保守管理やトラブル対応などのいわゆる「管理手間」がかかる上、機器の老朽化により年々その手間が増加してきたことが課題となっていました。また、制度改正に伴うシステム改修に多くの費用がかかっており、過去7年間分を調べたところ情報システム関連経費全体の約3分の1を占めていることにも大きな問題意識を持っていました。

 加えて、東日本大震災を目の当たりにし、いかにして住民情報などの重要な行政データを保存・保管していくのかが喫緊の課題となっていました。町では、月に一度バックアップデータを遠隔地の倉庫へ送り2カ月間保管するという措置をとっていましたが、万一の場合、送付した時点以後のデータが失われてしまう可能性があり、十分な対策とはいえないと考えていました。

 そのような時にシステムがサポート期限を迎えるとの話があり、平成24年度からシステムの再構築について本格的な検討を開始することになりました。

新システムに求めたもの

土田浩行氏課長補佐

土田浩行氏課長補佐

後藤 システムを再構築するにあたっては、前述のデータ保管や業務継続性の観点、また国が自治体クラウドの導入を推進していることから、クラウド方式のシステムを採用することを前提に検討を進めました。ただ、近隣市町で基幹系システムの更新時期が異なることや、共同方式によるクラウド化の協議がなされていない状況であったことから、共同方式をあきらめ単独方式での導入を目指すことにしました。

 その上で新たな基幹系システムに求めるものとして、①サーバー機器を自ら所有・管理する必要がないこと、②同じシステムをより多くの団体で使うことによるコストメリットが得られること、③堅牢かつ高セキュリティーな場所で住民情報が保管されること、④他団体の影響や制約を受けないこと──の4点を整理しました。

 なお、選定にあたっては、副町長や関係課長で構成する「事業企画評価委員会」を設け、プロポーザル方式で審査を行いました。

──選定時には、何を重視しましたか。

土田 重視したのはコスト面と安全性です。そのため選定時には導入から5年間の総経費による比較を行いました。さらに、問題意識を持っていた制度改正等に伴う改修費については、過去5年間のシステム改修費の実績を評価ポイントとしました。将来のシステム改修については金額積算を求めることができないため、過去の実績を基にその事業者のシステム改修への考え方や費用比較ができると考えたからです。

 安全性については、データセンターの堅牢性などを確認するため、提案を受けた全ての事業者のデータセンターを実際に視察し、職員の目で安全性の確認を行いました。また、西川町からデータセンターまでの回線については、LGWANまたは県域WANの利用を条件とすることで専用線と同等のセキュリティーを確保するとともに、コスト面でも専用線を敷設する場合と比較して10分の1程度に抑えることができました。

目指したのは本格的なクラウド

──そのような中で、TKCのシステムを評価した点はどこですか。

阿部健彦係長

阿部健彦係長

阿部 評価したのは3点です。一つは、仮想化技術を駆使した本格的なクラウドサービスであったということです。事業者によってはハウジングを「クラウド」と呼ぶところもありますし、共同でハウジングして皆で使うという方式もあります。しかし、これらの方式ではハードウエアの老朽化に合わせ機器の更新を気にしなければなりません。一方で、TKCのように事業者が用意した共通基盤の上に団体ごとの仮想サーバーが立てられる方式であれば、機器の更新を気にする必要がありません。

 二つ目は、自社開発システムであるということです。というのも、これまで使用していたシステムは、町と直接契約を締結している販売事業者、日常のサポートを実施する再委託先の事業者、開発元事業者の3社に分かれていたことから、細かな部分での迅速さやサポートの不足、要望を伝えてもなかなか開発元事業者のところまで届きづらいという印象をもっていました。その点、TKCは開発、販売、サポートまで全て1社で実施していることから、これらを解消できると考えました。また、機能強化の要望についても他団体に有効なものであれば、年に1回のシステムレベルアップ時に無償で対応してくれるという点も評価しました。

 三つ目は、データセンターが非常に堅牢かつ高セキュリティーであったことです。私自身が実際に視察して感じたことですが、これならば安心して住民データを預けられると評価しました。

後藤 それ以外に、基幹系クラウドサービスの導入において豊富な実績があることも評価できました。

──今後のご計画を教えてください。

阿部 今回、情報系システムについては別の事業者で再構築を行いましたが、回線速度や費用面の問題からクラウド化を断念しました。今後、技術の進展具合により、あらためて情報系システムのクラウド化を検討したいと考えています。

後藤 まずは、マイナンバー制度導入への対応です。当然システムも変わってくると思いますので、TKCにはいち早い情報提供なども含め、一層の協力を期待しています。