【ユーザー事例】 ICTの有効活用で、活力あるまちづくり

住民向けソリューション「証明書コンビニ交付システム」 > 栃木県下野市

総合政策課 大口貴史副主幹 / 飯野博之主査

住所
栃木県下野市小金井1127番地
電話
0285-40-5551(代表)
面積
74.58平方キロメートル
人口
59,603人(平成23年4月末現在)
URL
http://www.city.shimotsuke.lg.jp/
大口貴史副主幹

大口貴史副主幹

──電子行政サービスについて、これまでの取り組み状況を教えていただけませんか。

大口 下野市では、地域イントラネットの整備に加えて、不審者情報やイベント、医療・福祉などに関する情報をメールで配信する「下野インフォメーション」、厳格な個人認識を必要としない業務の受付や申請手続きが行える「電子申請」、スポーツ施設や公民館などの空き情報の確認・仮予約ができる「施設予約サービス」など、市民視点による電子行政サービスの拡充に取り組んでいます。そして平成23年3月24日より、「コンビニにおける証明書等の交付(コンビニ交付)サービス」をスタートしました。

普及促進へインセンティブ付与

──どうしてコンビニ交付を開始されたのでしょうか。

大口 コンビニ交付は、利用者が市役所の窓口を訪れることなく、夜間や休日でも全国どこでも証明書を取得できるという便利なサービスです。そのため、証明書を取得するために休みを取る必要がなくなるなど、市民に電子市役所の推進による便利さを実感してもらえるサービスだと考えています。下野市では、これまでにも窓口業務時間帯の延長や自動交付機の設置など、市民の利便性の向上に取り組んできました。しかしながら、共働き世帯の増加や、JR湘南新宿ラインの開通により都内方面に通勤する方が増えるなど人々の生活スタイルが変化したことで、いまの時代にマッチしたサービスが求められるようになっています。そうした市民のニーズに対応するため、『下野市地域情報化計画(実施計画)第二版』(平成21年11月)において、「住民基本台帳カードの周知と利活用の検討」をリーディングプロジェクトの一つに位置づけ、コンビニ交付をはじめ、さまざまな利活用の検討を開始しました。その後、財団法人地方自治情報センター(LASDEC)の「平成22年度ICカード標準システムを活用したコンビニ交付・自動交付機導入推進支援事業」に採択されたことで、「証明書コンビニ交付サービス」の実施にいたったものです。

──現在の利用状況はいかがでしょうか。

飯野博之主査

飯野博之主査

飯野 利用件数は、6月12日現在で住民票の写しが47件、印鑑登録証明書が44件となっています。このうち、下野市以外での利用状況は22件です。市民からも利用方法についての問い合わせが寄せられるなど、反応は上々です。サービス開始からわずかということもあって、まだ目に見える効果はありませんが、今後、利用件数が増えていけば、窓口の混雑緩和に加え、行政事務の効率化なども期待できるのではないでしょうか。なお、下野市では、コンビニ交付サービスを開始するにあたり、その普及促進策として自動交付機と同様に「窓口で証明書を取得する場合に比べて手数料を100円安くする」というインセンティブを付与しています。また、これと平行して住基カードの普及を促進するために、平成22年10月1日より、住民基本台帳カードの交付手数料(500円)も無料としました。住基カードの利活用としては、ほかに図書館の貸し出しカードなどでの活用も考えられ、今後も住基カードの活用シーンを増やしていければと考えています。さらにコンビニ交付については、庁舎や市内のセブンイレブンの店舗にPOPを掲示するなど、市民への周知・利用促進に努めています。

夜間・休日の円滑な運用がカギ

──サービス開始にあたって、担当者の作業負担となったことはありましたか。

大口 コンビニ交付のサービスを開始するには、(1)LASDECが運営する「証明書交付センター」へ証明書交付に必要なデータを送信する「証明発行サーバ」、(2)住基カードにコンビニ交付に必要な情報を提供する「ICカード標準システム」──の構築が必要です。この点、「TKC行政ASP/証明書コンビニ交付システム」は、クラウド方式(LGWAN-ASP)のため、LASDECへの申請手続きや証明発行サーバの構築、LGWANとの接続にかかる労力・時間をかなり短縮できました。またサービス開始後は、サービス利用時間(6時半~23時)内の円滑なシステムの運用・管理が不可欠ですが、これについてもTKCのデータセンターへ委託できるので職員の作業負担となることはありません。

──今後の計画を教えてください。

大口 現在、平成24年度からの『第二次地域情報化計画』を策定しています。計画策定にあたっては、厳しい財政状況や行政のスリム化などを鑑み、情報化関連コストの圧縮を図る一方で、中長期の視点から市民サービスの向上やBPR(業務改革)などでICTの活用を一層促進する──といった一見、相反する課題に取り組んでいくことが求められます。その有効な手立ての一つが、民間活用の推進でしょう。『第二次下野市行政改革大綱』では、その基本方針に「質的側面の向上」を掲げ、その手段として「民間との協働」を示しています。その意味でコンビニ交付は、市が取り組む行政改革の一つの大きな成果といえるのではないでしょうか。今後も、さらなる創意工夫とICTの有効活用で、「思いやりと交流で創る新生文化都市」の実現へ精一杯取り組んでいきたいと思います。