【ユーザー事例】職員負担の軽減に向けて、日々仕訳へ舵を切る

公会計システム > 神奈川県町村情報システム共同事業組合

山北町企画政策課 参事兼課長 杉山浩通 氏 / 寒川町企画部広報戦略課 主幹 村瀬良喜 氏
神奈川県町村情報システム共同事業組合事務局 主幹 林 博孝 氏 / 主査 能沢英志 氏 / 主査 齊藤 真 氏 / 主査 本間正彦 氏

住所
神奈川県横浜市中区山下町75番地神奈川自治会館4階
電話
045-664-7457
設立
2011年4月1日
構成
神奈川県内の全14町村
URL
http://www.c2-kanagawa.jp/
2009年2月、神奈川県町村会(14町村)では、行政情報システムの共同化を推進し、システム費用の低減化、業務の効率化に向けて調査・研究をスタート。10年8月、神奈川県町村情報システム共同化推進協議会を設立。その後、「神奈川県町村共同利用型情報システムサービス提供業務」の調達を実施し、11年4月に当共同事業組合を設立。「神奈川県町村情報システムに必要な共同化事業を実施し、各町村の行政サービスの一層の向上と効率的な行財政運営に寄与」を目的に事業を運営している。

──2011年にシステムの共同化に至った背景を教えてください。

 共同化した第一の目的はコスト負担の軽減です。07年頃よりさまざまな業務で法制度改正が頻繁に行われ、情報システムの改修・開発経費の削減は町村共通の課題として、神奈川県町村会の首長間で問題意識が共有されたことが背景にありました。特に、12年施行の住民基本台帳法の改正が直接的な契機となりました。そこで、11年10月に基幹系システム、翌年4月に内部情報系の共同化をスタートしました。

──コスト削減の効果はありましたか。

 14年度に各町村に協力いただきシステム共同化の検証を行ったところ、コスト削減については想定どおりの効果を上げることができました。また設立当時、国から「集中改革プラン」により定員削減目標が設定されたことで、共同化による業務の標準化・効率化を求めていく機運もありました。この効果も検証してみましたが、一定規模の団体では効果があるものの、小規模な団体では情報システム担当者が他の業務も兼務している事情もあり難しい状況でした。

はじめての更新時期でシステム移行

写真左から能沢英志 主査、林 博孝 主幹、村瀬良喜 主幹、杉山浩通 参事兼課長、本間正彦 主査、齊藤 真 主査

写真左から能沢英志 主査、林 博孝 主幹、村瀬良喜 主幹、杉山浩通 参事兼課長、本間正彦 主査、齊藤 真 主査

──共同化後、はじめての更新時期でシステムを切り替えた理由をお聞かせください。

 前述の検証と合わせて、システム利用者の満足度を調査したところ、81%の利用者からおおむね満足との回答を得ました。
 また当時はマイナンバー対応の時期とも重なっていたことから、基幹系システムでは契約期間を2年延長するものの、その後はあらためて選定することとなりました。
 さらに、内部情報系については住民への影響が少ないとの判断から同じ時期に再調達することを決めました。

村瀬 相対的に満足度は高い結果となりましたが、業務ごとに詳細を見ていくと各団体の担当者によって大きなばらつきがあると見受けられましたね。

──共同化としてシステムを再調達するにあたり、重視した点・工夫した点はありますか。

能沢 プロポーザル方式で調達を行い、基本的には企画提案書、機能要件、提案価格、プレゼン、デモの評価を総合的に勘案して選定しました。

本間 ただし、共同化はトップダウンで決定したこともあり選定にあたっては実際にシステムを利用する職員の声を強く反映させたい思いがありました。これを踏まえ、機能要件とデモの配点割合を高くしました。
 また、デモについては実際にシステムを利用することとなる職員の方に評価をいただきました。

決算時期の負担を軽減するため日々仕訳を採用

──県内初となる日々仕訳方式を採用された経緯をお聞かせください。

杉山 期末一括仕訳を採用した場合、決算統計の時期と重なり、財務担当者の負担がかなり大きくなってしまいます。一方でTASKクラウドは、予算編成時に予算科目単位に勘定科目を細かく定義しておけば、簿記の専門知識がない職員でも伝票入力時に予算科目を選択するだけで仕訳が99%完了します。これにより、少ない職員で財務書類の作成が可能になるだけではなく、翌年度予算への財務書類の分析結果の反映も行いやすくなります。

齊藤 調達以前の段階では期末一括仕訳を採用する予定の団体が大半でした。しかしながら、調達時のデモンストレーションでの説明や、導入準備段階での財務会計ワーキングなどでの詳細なシステム説明を経て、各町村が日々仕訳のメリットをあらためて認識したことで、18年度から日々仕訳利用団体が8団体(19年度に1団体増加予定)まで拡大しました。
 また、固定資産や備品などの管理については、これまで財務会計システムとは別に表計算ソフトなどで管理している団体が大半でした。しかしながら、TASKクラウドでは伝票入力時に固定資産台帳および備品台帳が自動的に整備されるため、大幅な業務負担の削減が見込めます。

杉山 18年度予算編成は無事に稼働しました。現在は予算執行に向けて財務会計ワーキングを進めているところです。日々仕訳を採用するにあたり、当初、予算科目体系の見直しが必要で不安はありました。しかし、TKCからさまざまな提案、利用団体の事例を紹介いただいたことで、現状では特に不安を感じることはありません。

──今後、TKCに期待することは。

 ユーザーの声を大事にしていただきたいと思います。また、機能強化プランを毎年発行していると伺っており、これも期待しています。ぜひ、皆さんに確実に伝わるようにしてください。

杉山 複式簿記に関する知識が乏しい職員も多いため、会計事務所事業部門を持つTKCの強みを生かして支援していただけると助かります。

村瀬 サポート体制の充実、問い合わせ対応のレスポンスの早さ、正確さを期待したいですね。また操作性や機能面の充実が業務効率の向上にもつながりますので、例え少数のユーザーからの意見や要望であっても吸い上げ、システムの機能強化やオプションシステムの拡充などを図っていただけることを期待しています。