CCCフロンティア株式会社 様

CCCフロンティア株式会社

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

スマホアクセサリー専門店の
収益性を高めた部門別管理

スマートフォンアクセサリー専門店『UNiCASE(ユニケース)』を全国展開し、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)グループ内で確固たる地位を築いているのが、金子健一郎社長(44)が代表を務めるCCCフロンティアだ。TKCの『FX4クラウド』を活用した業績管理のポイントなどを聞いた。

実店舗とウェブ店舗でスマホアクセサリーを販売

──CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)グループの1社としてスマートフォンアクセサリー専門店を展開されているそうですね。

金子健一郎社長

金子健一郎社長

金子 12年前に創業した当時はシステム開発を主力にしていましたが、ここ5年くらいで小売り事業のウエートを高めていきました。スマホアクセサリー専門店「UNiCASE(ユニケース)」を全国17店舗運営するとともに、CCCグループの代名詞ともいえる「TSUTAYA」に商材を提供したりもしています。

──品ぞろえの特徴は?

金子 売り上げの約9割を占めるのがスマホケースです。700社を超える取引先メーカーから仕入れたものに加え、自社で企画開発したオリジナル商材も多数取りそろえています。ディズニーやアメコミ(スーパーマンやバットマン等)のキャラクターをモチーフにしたオリジナル商材が多いのは、映画会社と深いつながりがあるCCCグループならではのメリットを生かしてのこと。TSUTAYAで配信している映画のキャラクターの版権についてはほぼすべて押さえています。
 またスマホケース以外にも、液晶保護フィルムやイヤホン・スピーカーなどを取り扱っており、UNiCASEのウェブ店舗(https://unicase.jp/)では3万近いアイテム数の商品を販売しています。

──主な顧客層は?

金子 20~40代の男女です。「札幌パルコ店」「東急プラザ表参道原宿店」といったように、当社の実店舗はファッションに精通した商業施設内に入っていることが多く、どちらかといえば女性客の目にとまりやすい場所にあります。それでも男性比率が4割を超えるまでになっています。

──接客など、サービス面で力を入れていることはありますか。

金子 保護フィルムをお買い上げのお客さまを対象に無料でフィルム貼りをおこなう「フィルム貼りサービス」は非常に好評です。慣れない人にとっては、保護フィルムを貼るのは意外に難しいもの。それを熟練した技術を持つスタッフが代わりに行うわけです。
 販売スタッフには1カ月間以上の研修プランを用意していて、そのなかでフィルム貼りを練習したり、商品に関するさまざまな知識を学習します。私たちが志向しているのは、カウンターで待つ販売スタイルではなく、来店したお客さまにしっかり商品説明したうえで買ってもらうプッシュ型のセールス。だから、従業員教育に力を入れることがどうしても必要になってきます。
 ちなみに販売スタッフは、みんな正社員。そこまで徹底したサービスプラットホームを築いています。これで売り上げがあがらなければ、そもそもそのプラットホーム自体がおかしいというくらいまで徹底して作り込んでいます。

──競合店との差別化ポイントを挙げるとしたら何ですか。

金子 リアルの店舗で得られた販売情報(POSデータ)をウェブでの販売にも反映できる社内体制を築いているところでしょうか。アマゾンさんや楽天さんと競い合えるくらいの存在になれたのは、その強みを十分に生かせたからだと思っています。

──子会社が2つあるそうですね。

金子 ひとつはソフトウエア開発を主業務とする「CCCフロンティアラボ」で、アプリの受託開発などを行っています。もうひとつはプロダクトデザインとウェブデザインを手掛ける「CCCフロンティアデザイン」です。この会社は服飾・生活雑貨のデザイン企画、店舗プロデュース、ウェブサイト制作などをしています。

種類豊富なスマートフォンアクセサリーを取り扱う

種類豊富なスマートフォンアクセサリーを取り扱う

「仕訳読込テンプレート」でデータ入力の負担を軽減

──2013年4月に『FX4クラウド』を導入した経緯は?

神野宗人顧問税理士

神野宗人顧問税理士

金子 きっかけは、神野(宗人税理士)先生からの紹介です。以前お世話になっていた会計事務所では、試算表を作成してくれるように頼んでもなかなか出してもらえませんでした。しかし神野先生の指導のもとに『FX4クラウド』を導入すると、リアルタイムに会社の業績を追いかけられるようになりました。各店舗の損益分岐点がしっかり見えるようになり、非常に助かっています。

神野税理士 私が『FX4クラウド』を勧めたのは、「部門の階層管理」ができるところもポイントでした。金子社長は、創業当初から手掛けているソフトウエア開発の事業と、スマホアクセサリーを販売する小売り事業を明確に分けて業績管理をしたいという思いを抱いていました。さらに小売り事業については、それぞれの店舗ごとの業績を把握したいという希望もありました。その意味で、複数階層での部門別管理ができる『FX4クラウド』はまさにうってつけのシステムだったのです。
 現在、CCCフロンティアさんでは、①開発部門②営業本部③販売部の3つの部門を1段目の階層としたうえで、①の下に「通常の受託開発」と「コンテンツサービス」の2部門を分けて置いたり、③の下にウェブ店舗を含む各店舗をぶら下げるといった形で、綿密な階層管理をしています。

──部門別管理のメリットをどんなところに感じていますか。

社内風景

金子 たとえば、ある店舗では自社で企画開発したオリジナルのスマホケースがよく売れているけど、別の店舗ではあまり売れていないといったことがすぐに分かるようになりました。サードパーティー(第三者)のメーカーから仕入れた商品よりも、当然オリジナル商品のほうが利益率が高いですからね。オリジナル商品の販売がいまひとつの店舗に対して、「もっと積極的に売る方法を考えてみてはどうか」などとアドバイスを適時送れるようになったのは、部門別管理のおかげです。

──「仕訳読込テンプレート」の機能も利用されているとか。

宮地竜治取締役(経理担当) TKC以外の業務システムのデータを簡単に仕訳連携できる「仕訳読込テンプレート」は本当に便利ですね。うちではエクセル(スプレッドシート)で管理している総勘定元帳や仕訳帳の数字を、ワンクリックで『FX4クラウド』側に仕訳データとして流し込めるようにしています。データをいちいち手入力しなくて済むので、担当スタッフの手間がだいぶ軽減されています。

自社独自の「合計試算表」をMR設計ツールで作る

──業績管理をするうえで特に注目している数字は何ですか。

金子 私は売上高よりも、「利益」を重視しています。限界利益や経常利益が前年比でどうだったか、あるいは予算比でどうだったかをしっかり見るようにしています。各店舗の店長に対しても、原価率を適正範囲内におさめて、きちんと利益を出せる店舗運営を心掛けるように指導しています。

──子会社を含めたCCCフロンティアグループ3社の試算表も作っているそうですね。

宮地竜治取締役

宮地竜治取締役

宮地 『FX4クラウド』の最新データをもとに、オリジナル帳表が簡単に作れる「マネジメントレポート(MR)設計ツール」を利用して3社の「合計試算表」を作成しています。この独自フォーマットの帳表は、親会社のCCCグループに提出する資料としても役立っています。

神野税理士 CCCグループの傘下にある子会社さんのなかには、親会社が要求する経営資料をうまく作れずに困っているところもあるようです。CCCフロンティアさんがいつも提出期限内に資料を出しているのを見て、新たに『FX4クラウド』を導入した子会社さんもいくつか現れています。

──今後の展開についてはいかがでしょうか。

金子 CCCグループの中には、ペットショップやゴルフショップ、自転車屋さんなど、われわれが構築したマーチャンダイジング(MD)の手法やEC(ネット通販)のプラットホームを応用できる店舗がたくさんあります。そうしたところにヨコ展開できるような仕組みを作り上げたいという目標があります。そのためにも、人材教育や社内体制の強化にさらに取り組んでいく必要があると思っています。

企業情報

CCCフロンティア株式会社

CCCフロンティア株式会社

創立
2004年6月
所在地
東京都渋谷区猿楽町 17-10
代官山アートビレッジ 2F
売上高
約19億円
社員数
77名
URL
https://unicase.jp/

税務顧問 神野宗人
日本パートナー税理士法人
(東京都心支社)

所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目
23番地-13 南新宿星野ビル1階
TEL
03-5369-2030
URL
http://www.kijpa.co.jp/

『戦略経営者』2016年10月号より転載)