TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

掲載日:2017.12.11

これで完璧!「連結納税の申請書・届出書の書き方」

これで完璧!「連結納税の申請書・届出書の書き方」

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員 税理士 福島安信

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
税理士 福島安信

連結納税制度を適用する際には、親法人とその完全支配関係がある子法人の連名で承認申請書を親法人の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出する必要があります。当コラムでは、連結納税の承認申請書等の記載方法について事例にもとづいて解説します。

はじめに

 連結納税制度は、企業グループを一つの納税単位として課税する制度です。つまり、親法人と子法人、各々で生じた所得をグループ全体で合算して、その所得に対して課税を行います。
 また、納税義務者は親法人となり、法人税の納付ならびに申告書の提出は親法人が行うものとされています。そのため、連結納税制度適用に際しても、親法人が「連結納税の承認の申請書」を親法人の所轄税務署へ提出することになります。
 しかしながら、親法人だけでなく、子法人においても届出書等を作成して、各子法人の所轄税務署へ提出する必要があります。当コラムでは、連結納税の開始に当たって必要とされる申請書の記載方法に関して解説します。

Ⅰ.申請書・届出書の提出期限

 連結納税を適用するには、連結納税を適用しようとする事業年度開始の3月前の日までに、親法人と連結子法人となるすべての法人の連名で承認申請書を提出する必要があります。よって、3月決算法人の場合、承認申請書の提出期限は12月末日になります。

【申請書の書類名と提出スケジュール:3月決算法人の場合】
提出期限 親 法 人 子 法 人
平成29年12月末迄 『連結納税の承認の申請書(初葉)』
『付表1 連結親法人となる法人の主要株主等の状況』
『連結納税の承認の申請書(次葉)』
  (子法人から収集し提出)
『付表2 発行済株式等の状況』
  (子法人から収集し提出)
『出資関係図』
『グループ一覧』
  ⇒ 親法人所轄税務署長に提出
遅滞なく提出 『連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書』
『付表2 発行済株式等の状況』
『出資関係図』
『グループ一覧』
  ⇒ 子法人所轄税務署長に提出
平成30年1月~ 連結納税承認等の届出書
⇒ 親法人の各都道府県・市町村事務所へ提出(団体ごとに届出書様式が異なるので注意)
連結納税承認等の届出書
⇒ 子法人の各都道府県・市町村事務所へ提出(団体ごとに届出書様式が異なるので注意)
平成30年3月末迄 連結納税承認の通知(みなし承認)
⇒ 承認、却下の処分がなかった場合には、事業年度開始の日に承認があったものとみなされる

 次に各申請書ならびに届出書を設例に基づいて順次確認します。

Ⅱ.設例に基づく記載例

<設 例>

 連結親法人の概要
①商 号 千代田製造株式会社
②決算期 3月
③納税地 東京都千代田区001-1
④事業種目 機械製造業
⑤資本金 10,000百万円
⑥代表者氏名 堤 敬士
⑦申請書の提出年月日 平成29年12月26日
⑧最初の連結事業年度としようとする期間自平成30年4月1日 至平成31年3月31日
 連結子法人の概要
①商 号 株式会社新宿販売
②決算期 3月
③納税地 東京都千代田区009-9
④事業種目 卸売業
⑤資本金 100百万円
⑥代表者氏名 新宿 一郎
⑦最初の連結事業年度としようとする期間 自平成30年4月1日 至平成31年3月31日
1.連結納税の承認の申請書(初葉)

 連結親法人となる法人が申請書(初葉)を作成し、連結子法人となる法人の申請書(次葉)とあわせて、これらの法人のすべての連名で、親法人の所轄税務署へ提出します。
 なお、「連結子法人となる法人」欄の(子法人数  法人)の空白箇所には申請書(次葉)を作成した子法人数を記載します。連結予定法人(連結親法人となる法人及び連結子法人となる法人)のいずれかがその申請を行っていない場合、申請が却下されることがありますので留意して下さい。

2.連結納税の承認の申請書(次葉)

 連結子法人となる法人が申請書(次葉)を作成し、連結親法人で取りまとめて『連結納税の承認の申請書(初葉)』とあわせて親法人の所轄税務署へ提出します。

3.連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書

 連結親法人が『連結納税の承認の申請書』を提出した後、連結子法人となる法人が『連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書』を作成し、各連結子法人の所轄税務署へ提出します。

4.付表1 連結親法人となる法人の主要株主等の状況

 連結親法人が『付表1 連結親法人となる法人の主要株主等の状況』を作成し、『連結納税の承認の申請書(初葉)』に添付して、親法人の所轄税務署へ提出します。
 なお、「連結親法人となる法人の主要株主等の株式数等」欄は、発行済株式の総数または出資の総額に対する保有株式数又は出資金額の多い上位10株主に係る氏名等を記載して下さい。
 また、記載する株主の氏名や保有株式数は、申請時における状況であり、直近の申告書に記載した前期末の状況ではありませんので留意して下さい。

5.付表2 発行済株式等の状況

 連結子法人となる法人の発行済株式の総数、自己の株式数、従業員持株会が有する株式数等の事項を記載し、『連結納税の承認の申請書(次葉)』ならびに『連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書』に添付して提出します。

 ①『連結納税の承認の申請書(次葉)』に添付する分
  連結子法人となる法人が作成し、連結親法人に提出

 ②『連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書』に添付する分
  連結子法人となる法人が作成し、子法人の所轄税務署へ提出

6.出資関係図・グループ一覧

 すでにグループ法人税制の適用で作成されている場合は、同様の様式で親法人が作成し『連結納税の承認の申請書(初葉)』ならびに『連結納税の承認の申請書を提出した旨の届出書』に添付します。

Ⅲ.留意事項

 単体申告時に申告期限の延長の特例を申請している場合、連結納税適用に際し改めて『申告期限の延長の特例の申請書』を連結親法人が所轄税務署へ提出する必要がありますので留意して下さい(法人税法第81条の24)。
 また、連結親法人ならびに連結子法人ともに連結納税適用の承認後、各都道府県、各市町村へ連結納税の承認に関する届出書を提出しなければなりません。この届出書の様式が各都道府県、各市町村により異なり、さらには添付書類に関しても差異がありますので留意が必要です。
 なお、TKCグループのホームページから「連結納税の承認の申請書書き方」をダウンロードできますので、ご参考にして頂きましたら幸いです。

「連結納税の承認の申請書書き方」

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プロフィール

税理士 福島 安信(ふくしま やすのぶ)
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