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ユーザー事例

株式会社YUIDEA(ユイディア) 様(旧・株式会社シータス&ゼネラルプレス)

ベトナム現地法人の経営状況を日本にいながら正確に把握

通販カタログの制作やWebサイトなど、一般消費者とのコミュニケーションを強化する仕組みの構築などを得意とするYUIDEA。ベトナムにも進出しており、日本を紹介する情報誌『Kilala(きらら)』を発刊している。そんな同社が、ベトナム現地法人の経営状況を知るために活用しているのが、TKCの『海外ビジネスモニター(OBM)』だ。コーポレート部門を統括する井上幹雄取締役と、同部門経理財務部に所属する井上幸治部長と小幡剛史氏に話を聞いた。

「食とくらし」に関する通販カタログ制作で脚光

──通販カタログの制作を主力にされているとか。

株式会社YUIDEA

右からコーポレート部門の井上幸治部長、井上幹雄取締役、
小幡剛史氏、システムコンサルタントの武藤剛税理士

井上取締役 「食」や「くらし」など、生活者視点が求められるコンテンツづくりを得意としており、パルシステム生活協同組合連合会さまのカタログ制作などを担当してきました。宅配サービスを利用する組合員の方は、週替わりで届くカタログをみて購入する商品を決めます。そのカタログを制作してきたのが、当社なのです。

──通販カタログ制作のほかにもう一つ、「コミュニケーション戦略の実行支援」も事業の柱にしているとお聞きしました。

井上取締役 簡単にいえば、企業のマーケティングや広報をサポートする事業といったところでしょうか。私たちは、パルシステム生活協同組合連合会さまとその組合員さまのコミュニケーション強化を図ってきました。「食の安心・安全」を重視するという考え方を一般消費者の方に伝えるお手伝いをしてきたわけです。そこで培ったノウハウを、別の企業にも提供できないかという考えのもとに、この事業をスタートしました。現在、CSR報告書の作成や、企業広報や採用広報などの仕事を数多く受注しています。また、既存の紙カタログの写真やキャッチコピーを利用したキュレーションサイト風のオウンドメディアをWeb上に簡単に構築できる『Willyet(ウィルイエット)』というサービスも提供しています。

──今年1月、会社の名前を変更されました。

井上取締役 昨年までの「シータス&ゼネラルプレス」という社名は、2010年に印刷会社のシータスと編集業務をするゼネラルプレスが垂直統合の形で合併したときに付けた名前です。しかし合併した2社の名前をただ並べるだけでは、どんな会社なのかをうまく伝えられないと考えて、新しく「YUIDEA(ユイディア)」という社名に変更しました。お客さまとユーザーを結び(結い=ユイ)、お客さまの課題に「唯一無二」のアイデア(イディア)で応える──そんな私たちの姿勢を社名に落とし込みました。
 また、社名と同時に会社のマークも変えました。手と手を握ったようなイメージなのですが、アジア大陸(ユーラシア大陸の東側)と日本を思わせると仰られる方もおり、グローバルな展開を目指していく会社の方向性もイメージできているかなと思っています。

──すでにベトナムに現地法人(海外子会社)を出しているそうですね。

株式会社YUIDEA

井上取締役 2003年に、合併前のシータスがベトナムに進出したのが始まりです。日越友好30周年記念のサッカーイベントの関係でベトナムを訪れたところ、現地に工場を建てた多くの日系メーカーが日本流の名刺や会社案内などを頼める業者がなくて困っていると聞き、ホーチミン市に現地法人を設立しました。
 その後、通販カタログに使う商品写真の切り抜き作業(画像データ加工)などをベトナムに発注するようになったり、ベトナムで商品を販売したいと考える日系企業のダイレクトマーケティング(一般消費者への広告宣伝)のお手伝いをするようになりました。そして2013年に創刊したのが『Kilala(きらら)』という情報誌です。日本の文化・流行などに関する記事がベトナム語で紹介されています。そこに、ベトナム人観光客を日本に誘致したい旅行会社や大手家電量販店などの広告も載せています。
 この『Kilala』を制作しているのが、ベトナム現地法人の「キララコミュニケーション」。以前はベトナム現地法人が2社ありましたが、いまはキララコミュニケーション1社に統合しています。

親会社の科目体系で現地の会計データを確認

──ベトナム現地法人を親会社の立場でまとめていくのは、いろいろ大変だったのではないでしょうか?

井上部長 まずベトナム現地法人の経営状況を正確に把握していくことが必要になりますが、やはり一筋縄ではいかないところがありました。
 以前は、現地の会計データをエクセル(スプレッドシート)のファイルに落として、毎月メールで日本に送ってもらい、それをもとに私たちが所属する経理財務部で債権・債務の残高確認などをしたうえで、経営陣に報告する業績管理資料を作っていました。
 しかし、ベトナムから送られてくる会計データは現地の科目体系にもとづいており、業績管理資料を作成するためには、それらを親会社であるユイディアの科目体系に組み替える必要がありました。また、債権・債務の残高確認をするなかでよく分からない取引があった場合、現地のベトナム人スタッフに問い合わせるのですが、こういう取引だとベトナム語で書かれた証憑などをメールで送られてきても、それを翻訳するのに時間が掛かってしまう。だいぶ苦労しました。

──そうした状況を改善しようと導入したのが、TKCの『海外ビジネスモニター(OBM(※1))』だったわけですね。

井上部長 OBMを使えば、現地の会計データを親会社の科目体系に組み替えて確認することができます。しかも取引内容をシステムで日本語に自動翻訳してくれる。ものすごい効率化がなされました。

小幡 現地法人でのレポート作成→日本本社で確認→日本本社で報告用の業績管理資料を作成するという、海外子会社の財務管理をするためのプロセス全体の作業工数が以前よりも減ったことで、私たちの業務負荷は間違いなく軽減され結果として、これにかける時間を他に振り向けることができました。

──報告に使う業績管理資料とはどのようなものでしょうか。

小幡 月別の業績を示したもので、毎月の経営会議の資料として使われます。

井上取締役 OBMを導入する前は、ベトナム現地法人の業績を3カ月遅れで報告しているような状態でした。でも、そんな古い数字で議論しても意味がありません。最新業績にもとづく資料で話し合いができるのは、ベトナムでの事業をさらに大きくしていくうえでも重要なこと。OBMを導入して非常に満足しています。それと、廉価で手軽に導入できる点もOBMのよさですね。海外子会社へのERP導入に比べてはるかに費用効果は高く実にありがたいシステムです。

(※1)OBMは、海外子会社の仕訳データをTKCインターネット・サービスセンター(TISC)にアップロードし、日本の親会社と海外子会社の社長が適時・正確なデータを閲覧するためのクラウドサービス。海外の会計システムと連携し、親会社の科目体系に変換して現地の会計データを確認できる。

ドリルダウン機能で伝票に遡って検証できる

──OBMの存在を最初に知ったきっかけは何だったのですか。

小幡 TKCが主催する、海外子会社の不正防止をテーマにしたセミナーがあるというので興味があって参加したところ、後半のほうでOBMの紹介があり、こんなに便利なシステムがあったのかと驚きました。

──OBMを実際に使ってみて、どんな印象を持ちましたか。

小幡 売上高や利益の増減要因を、仕訳レベル(伝票)にまで遡って検証できる「ドリルダウン(データの集計レベルの掘り下げ)機能」はいいですね。OBM導入前は、試算表→総勘定元帳→仕訳ファイルをいったり来たりしながら、原因究明に当たっていました。いまはシステム画面をクリックしていくだけで、簡単に検証作業ができています。

武藤剛・税理士 私はベトナムに進出した会社をいくつか見てきましたが、ユイディアさんほど親会社と海外法人の経理スタッフのチームワークが良いのは、本当にレアケースだと思っています。日本からコントロールされていることに嫌気を起こし、「ベトナムではこうです」と強く主張してくる現地スタッフも多いんですよ。

井上取締役 いろいろ言うならOKY、つまり「お前が来てやってみろ」という感情を抱く現地の人も多いといいます。この辺りのことはずっと意識していて、日本とベトナムの経理スタッフがお互いに一度も顔を合わせることなくやっていたら、絶対にうまくいかないと思い、日本とベトナムの経理担当者を相互に出張させて、「日本ではこうやっているんだよ」ときちんと対面で伝えることをOBMの導入以前からやってきました。当社は今後も、海外進出に力を入れていくつもりですが、こうした視点は大事にしていきたいですね。

会社概要
名称 株式会社YUIDEA 株式会社YUIDEA
設立 1995年9月
所在地 東京都文京区小日向4-5-16
ツインヒルズ茗荷谷
売上高 49億700万円(2016年9月期)
社員数 200名(2017年1月現在)
URL http://www.yuidea.co.jp/

『戦略経営者』2017年3月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2017年3月現在のものです。
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