ユーザー事例

岐阜プラスチック工業株式会社 様

グループの和と力を高めプラスチックの可能性に挑戦

非上場ながらグループで746億円の売上高を誇り、樹脂市場では知る人ぞ知る岐阜プラスチック工業。マーケット重視による分社政策、連結決算、連結納税の実践など『リスのプラスチックグループ』としてのグループ一体経営に定評がある。大松利幸社長、森重郎専務、そして経理部の松下幸治部長、田中良主任に、グループ戦略の詳細を聞いた。

岐阜プラスチック工業

『テクセル』『バイオ容器』中心に社会に貢献する企業を目指す

──業容を教えてください。

大松 当社はプラスチック製造技術をベースに、世の中の多種多様なニーズに応えてきたメーカーで、連結売上高は、2013年3月期実績で746億円になります。扱い商品は、折りたたみコンテナ、パレットなどの物流資材、自動車・住宅設備・事務機器などの工業部品、食品包装容器、家庭用品、塩ビ管継手、建築資材など多岐にわたります。製造品目は本当にさまざまで、たとえばプールで使用するコースロープやプールフロア、人工透析に使用するエアフィルター、河川の氾濫や都市型水害対策用の雨水貯留浸透システムなども手がけています。

──プラスチックを使う製品なら何でも……という感じですね。

大松 1953年に創業して以来、われわれはプラスチックの可能性に挑戦し続けてきました。その象徴ともいえるのが『テクセル』という素材です。テクセルは世界初の熱可塑性樹脂による連続成形技術から生まれたハニカム(蜂の巣構造)コア材。高強度・超軽量で、省資源・CO2削減など環境性能に優れた複合材です。物流機器をはじめ、航空・自動車、鉄道車両などあらゆる産業からの引き合いがあり、増産のため2013年3月に新工場を取得、同年11月から稼動を開始しました。

──もっとも売上構成比が大きい分野は?

 食品包装容器が全体の56%を占めます。この分野はリスパックというグループ企業が手がけ、植物由来のプラスチックを素材とする「バイオ容器」が中核製品のひとつです。また、100%植物由来の容器のほか、石油由来と植物由来のハイブリッド型容器も日本で初めて開発・販売しました。食品容器は安全・安心が第一。また、植物由来容器は石油資源の節約とCO2の削減、持続可能な社会実現への貢献が期待できる商品ではないでしょうか。

──環境、省エネルギー、安全・安心を全社的なテーマにしておられるとか。

大松 2013年の4月に創業60周年を迎え、創業時のチャレンジスピリットを受け継ぎ、信頼、団結、開拓、奉仕、健康の社是5訓をもとに100周年に向けて「社会に貢献できる企業」を目指すことを宣言しました。そのための駆動力という意味でも、『テクセル』と『バイオ容器』は今後の礎となる有力商品です。

──グループの結束も固いようですね。

 市場の変化が激しいなか、企業が生き残り、成長するためには、常に顧客のニーズに応じた経営を行わなければなりません。そのためわれわれは、グループ各社(連結対象7社、連結納税対象5社)がそれぞれの分野に特化し、知恵を結集。マーケット重視の分社政策のなかでお互いに支え合う体制をとりながら、新技術・新製品の開発・販売を行ってきました。また、市場の変化に対応するためには、組織再編も時には必要になってきます。近年では、2012年8月に塩ビ管継手製造の東栄管機を子会社化し、その翌年に子会社のリス興業から同部門を分離、東栄管機へ事業統合を行いました。リーマンショック以来、順調に回復してきたのは、このように組織や事業セグメントを臨機応変に変化させてきたのも、大きな理由のひとつだと思っています。

システムのフル活用で決算の質の向上を実現

──連結納税制度採用の経緯は?

松下 デフレ環境下による景気低迷が長期化するなか、子会社の業績が好転して繰越欠損金が順調に消化されるかどうか分からない状況になったというのがひとつあります。加えてグループ法人税制が施行され、単体納税のメリットが縮小し、子会社欠損金の持ち込み制限が緩和されるなど連結納税導入のハードルが下がったことで、2010年4月ごろから具体的検討に入りました。

──検討の結果は?

松下 グループ間の損益通算や連結経営強化などのメリットはありましたが、計算が複雑化し、高い会計・税務知識が必要で、そのため決算遅延などの発生リスクもありました。社内でシミュレーションをしてみると、税金コストは減少することがわかったのですが、一方で、マンパワーとスキル不足という課題が浮き上がってきた。これを補うには主計担当者の属人化業務を軽量化し、決算品質の向上と業務の効率化が必要でした。

──つまり、パッケージシステムの導入ということですね。

松下 はい。しかし、決算の質を向上させるには、連結納税システムを導入するだけでは限りがあります。そこでTKCさんから提案いただいた「連結グループトータルシステム」(税効果会計システム『eTaxEffect』、連結会計システム『eCA-DRIVER』、税務システム『eConsoliTax』『ASP1000R』)に目をつけたのです。

──TKCを選択された理由は。

松下 主に「費用対効果」「操作性」「導入実績」「法制度変更への迅速な対応」「信頼性・セキュリティー」「コンサルティング・サポート体制」の6つの面で優れていると考えたからです。とくに、顧問税理士の小野先生には、毎週のように来ていただき、操作方法から税務ロジックまでご指導いただき助かりました。

──導入プロセスはどのように?

田中 2010年8月にシステム刷新プロジェクトをキックオフし、翌年3月にまず新しい個別会計システムと『eCA-DRIVER』、そして連結納税対象ではない子会社2社に『ASP1000R』(法人税申告システム)、さらに2012年度から『eConsoliTax』と『eTaxEffect』を本格稼働させました。いずれもトライアルで過去の実績データに基づいた入力を行い、1社当たりの事務工数や個社別の注意点などを把握していきました。入社7年目ではじめて大きなプロジェクトを任され、また、連結納税制度に対する知識不足やシステムの操作方法などに不安もありましたが、顧問の小野先生とTKCのコンサル担当の方にご指導・フォローいただき、とてもスムーズに導入できたと思っています。

──主な導入実務をほぼ2名体制で行われたとか。

田中 はい。もともとすべての子会社の経理を本社が一括して管理しているので、子会社からの情報収集や操作教育が比較的容易でした。それが2人でできた理由のひとつでしょう。それから私はTKCの申告システム自体が初めての経験だったので、連結納税の必要のない2社に先んじて『ASP1000R』を導入したことで、基本的な設計が類似している『eConsoliTax』もスムーズに導入できたという面もあります。

──スピードと質は上がりましたか。

田中 連結納税を行う場合、特有の作業があるため、どうしても従来の決算作業よりも4日多くかかってしまう。その分を連結会計システム『eCA-DRIVER』導入と財務会計システムを刷新したことによる効率化でちょうど4日分短縮・相殺し、社長への報告日を締めから23営業日目と従来と同じ日数にキープすることができました。また、『eConsoliTax』に入力した数字が『eTaxEffect』にも自動連動するので、従来のように一次差異の数字をスプレッドシートに手入力する必要がない。これも大きかったと思います。

──今回のシステム刷新プロジェクトをどう総括されますか。

松下 結果的に、連結ベースでの実効税率の適正化とキャッシュフローの改善、決算・税務処理の統一化・標準化、グループ全社での電子申告の実施、経理部門のスキルアップ・意識改革などの成果があったと思います。また、課題としては、やはりノウハウの属人化という弱点は残っており、今後は子会社への教育による業務の分散化なども進めていきたいですね。

会社概要
名称 岐阜プラスチック工業株式会社
設立 1953年4月
所在地 岐阜県岐阜市神田町9-27
売上高 746億円(2013年3月期連結)
社員数 1862名(2013年3月現在連結)
URL http://www.risu.co.jp/

『戦略経営者』2014年2月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2014年2月現在のものです。
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