ユーザー事例

株式会社ロイヤルホテル 様

間違いのない「連結納税申告書」を迅速に作成する

“関西の迎賓館”として知られるリーガロイヤルホテル(大阪)は、最近、「メーンロビー」を改装するなど攻めの経営に転じている。その同社が税務戦略の一環として2年前に導入したのがTKC連結納税システム『eConsoliTax』だ。そこでその活用法などを、同社の中村雅昭執行役員財務部長、鈴木正財務部次長、小泊順二税理士に聞いた。

株式会社ロイヤルホテル

“第二創業期”と位置づけ
「最高級ホテルブランド」確立へ

――御社は「リーガロイヤル」ブランドで全国にシティホテルを展開していますが、そもそもは関西財界が中心になって作られたそうですね。

中村雅昭財務部長 はい。昭和の初め頃、東京には近代的なホテルがあったのに対し、大阪には外国の要人をお迎えする“迎賓館的”なホテルがなかったことから、関西政財界からの要望でできたのが当ホテルの前身「新大阪ホテル」です。
 新大阪ホテルは1935(昭和10)年に中之島3丁目に開業し、その後、今の中之島5丁目に移り、「ウエストウイング」と「タワーウイング」を建てるなど機能を集約・充実させてきました。現在、当ホテルグループは8社10ホテルからなります。当社は旗艦の「リーガロイヤホテル(大阪)」をはじめ「京都」「東京」の3ホテルを持ち、他の7ホテルはそれぞれ別会社になっています。

――2006年に不動産大手の森トラストさんと資本業務提携したのをきっかけに“第二創業”を謳い、攻めの経営に転じていますが、その具体的な打ち手を教えてください。

中村 森トラストさんと資本業務提携契約を締結し、財務体質の改善をはかりました。森トラストさんは都市開発で強みを持ち、また「ラフォーレ倶楽部」の名称で法人向けの会員制リゾートホテルを展開しておられるなど、互いにいろんな面でシナジー効果が期待できると思い提携しました。当社では、それ以降を“第二創業期”と位置づけ、お客様へ「感動と満足」をご提供する魅力あるホテルづくりに取り組んでいます。その1つは、「ハード面」の充実をはかっていることです。例えばリーガロイヤルホテル(大阪)ではホテルの顔ともいえる「メーンロビー」を昨年7月に改装する一方、ウエストウイングにあるシングルルーム(全361室)をワンランク上の客室に全面改装しました。また、タワーウイングでは従来のエグゼクティブフロア「ザ・プレジデンシャルタワーズ」(23~27階)に加え、新たに19~22階を「ザ・ナチュラルコンフォートタワーズ」とし、“癒しの空間”に改めました。
 2つ目は総菜ビジネス(ホテルフードMD事業部)の強化です。大阪だけで約300人の料理人がいますが、そのなかでフランスの二つ星とか三つ星のレストランに1年以上研修を受けたことのある人は100人を越えています。このように、昔から料理には力を入れているわけですが、ここ(大阪)だけでは物理的制約があり、もっと多くの方々に“一流ホテルの味”を楽しんでいただこうということで、数年前から総菜ビジネスの強化に乗り出しています。具体的には、テイクアウトショップ「メリッサ」とホテルが作る家庭料理を全国に宅配する「ベース21」を手がけています。メリッサでは、パンやケーキ、ビーフピラフ、サラダ等を扱い、「リーガロイヤルホテル(大阪)」などに店舗を構えています。他方、「ベース21」は“1日3食週7日間で21食”の提供をコンセプトに、朝食メニューから本格的なフランス料理まで約150種類のメニューを揃えています。一般家庭を対象にした料理の宅配ビジネスは、ホテル業界では初めてのことであり、お客様から好評をいただいています。

――直近の業績は。

中村 08年3月期の連結売上高は583億6500万円、経常利益は13億6900万円でした。売上の内訳は、客室が108億円、宴会が209億円、食堂(レストラン)が142億円、ホテルフードMD事業部が38億円などとなっています。因みに連結対象子会社は「リーガロイヤルホテル広島」「リーガロイヤルホテル小倉」など9社で、連結納税子法人は「リーガ中之島イン」「中之島サービス」など4社です。

実務担当者にとって心強い「サポート体制」

――ロイヤルホテルさんでは「連結納税制度」(02年度)ができたときから、この制度を活用していると聞いていますが……。

中村 はい。当時、親法人である当社に税務上の繰越欠損金があったのに対し、子法人の中に納税するところがありました。そこで連結納税制度を導入して、連結グループ全体での節税効果をはかろうと考えたわけです。子法人は最初11社あったのですが、その後、数社を中之島サービスと合併させるなどしました。

鈴木正財務部次長 当初は連結所得・法人税額、個別帰属額などの算出は「スプレッドシート」で行っていました。そして申告書の作成も、「別表4の2」と「別表5の2(1)」等に関してはスプレッドシートで行い、それら以外に関しては税務署の書類を使って(手書きで)作成し提出していました。

中村 しかし、どちらにしろ手間がかかるうえに、そもそも連結納税は単体納税に比べ計算構造が大変複雑です。前述したように子法人同士を合併させたり、売却したりするときの処理が非常に難しい。

鈴木 そこで、そうした問題を解決するシステムとして、2年前にTKCさんの『eConsoliTax』を導入したわけです。なぜ『eConsoliTax』に決めたのかといえば、高い実績と信頼できるシステムであったことや、サポート体制が充実していたからです。とくにTKC全国会会員の税理士さんが専任コンサルタントとしてついていただけることは、実務担当者として非常に心強いと感じました。

小泊順二税理士 『eConsoliTax』の導入・運用をサポートするため、TKC全国会では「連結納税システム推進プロジェクト会員」というのを設けています。私もその会員の1人であり、今回、ロイヤルホテルさんを担当させていただきました。

――システムの導入にあたっては、どのような支援、研修が行われたのでしょうか。

鈴木 まず06年11月に「キックオフミーティング」を行い、12月に「システム操作説明会」を小泊先生に行っていただきました。07年2月には、前年度の申告データをテスト入力して、それが正しく処理されているかいないかを小泊会計事務所に検証してもらいました。そのうえで、昨年7月に初めて『eConsoliTax』を使って連結納税申告書を作成しました。

連結納税申告書の作成業務を大幅に軽減

――具体的には、どのような流れで連結納税申告書を作成しているのでしょうか。

鈴木 当社では、財務部の中にグループ企業の決算を行うチームがあり、(1)そこから親法人・子法人に関する決算及び申告データをもらい、(2)親法人は私が、子法人は宝来清行が担当して連結法人税の入力作業を行い(連結法人税の仮計算・確認)、(3)親・子法人の地方税の入力作業を実施(地方税の仮計算・確認)したうえで、(4)連結納税グループ全体の申告計算を行う、という流れです。

――実際に『eConsoliTax』を使ってみて、どういうメリットがあると感じていますか。

鈴木 1つは先ほども言いましたが、小泊会計事務所のサポートを随時受けられることで業務の大幅な軽減がはかられたこと、2つ目は税制改正にソフトが完全対応していること、3番目はTKCさんの「ヘルプデスク」の対応が迅速で丁寧なため、業務が停滞することなくできることです。また、『eConsoliTax』にはいろんな機能がありますが、とくに当社が活用しているのは、(1)法人税の検算式確認表や事業税・都道府県民税の一覧確認表、市町村民税の一覧確認表、(2)入力したデータが正しいかどうかを税法上論理的にチェックしてくれる「エキスパートチェック機能」です。

中村 実際、都道府県民税や市町村民税などが一覧表で出力されるため、キャッシュフローがどれくらい必要なのかが簡単にわかります。
 ところで、今年10月に京阪電鉄の「中之島線」が開通しますが、それによって地下通路で「中之島駅(終着)」と当ホテルが直結するため、交通アクセスが格段によくなります。例えば京都の中心部からなら、約1時間で当ホテルにくることができるようになります。これは当社にとって“フォローの風”であり、リーガロイヤルならではのサービスでおもてなしをすれば、新たな需要を取り込んでいくことができるだろうと考えています。

会社概要
名称 株式会社ロイヤルホテル
代表者 川越一
所在地 大阪府大阪市北区中之島5-3-68
TEL 06-6448-1121
売上高 583億6500万円(連結ベース)
社員数 2855名(連結ベース)
URL http://www.rihga.co.jp

『戦略経営者』2008年8月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2008年8月現在のものです。
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