ユーザー事例

オークマ株式会社 様

グループ全体で精度の高い「連結納税申告書」作成を実現

好不況の波が激しい工作機械業界で、5期連続増収増益を目指しているのがオークマだ。その成長要因と、2年前にTKC連結納税システム『eConsoliTax』を導入した狙いなどについて、同社取締役経理部部長の冨田俊雄氏、伊藤真佐弥課長、安藤達治主事、猪子加奈子税理士に聞いた。

オークマ株式会社

グループの組織再編を行い競争力を高める

――御社は来年1月に創業110周年を迎えますが、当初は製麺機を製造販売していたそうですね。

冨田 ええ。当社は「うどん」などを作る製麺機の製造からスタートしましたが、その後、工作機械に徐々に特化していきました。現在は、NC旋盤、複合加工機、マシニングセンターを主力製品に事業展開しています。が、昨今、工作機械業界も経済のグローバル化に伴い、同業他社との競争が一段と激しくなってきています。そこで“工作機械のエクセレントカンパニー”を目指して、グループの組織再編に乗り出しました。具体的には、第1段階として2005年10月に当社(オークマ)が分社型分割で持株会社「オークマホールディングス」を設立し、その下に新たに「オークマ」を子会社として設立する一方、「大隈豊和機械」と「大隈エンジニアリング」を完全子会社化しました。次に、第2段階として昨年7月にオークマホールディングスが、この事業会社3社を吸収合併して社名を「オークマ株式会社」に変更しました。

――なぜ旧オークマが最初から吸収合併(大隈豊和機械と大隈エンジニアリング)しなかったのですか。

冨田 オークマと大隈豊和機械は兄弟会社とはいえ、この数十年間、人事交流はさほどありませんでしたし、生産システムなども違っていたため、いきなり合併するより、ワンクッション(持株会社設立)置いて、緩やかな形で経営統合した方がいいと考えたからです。

――グループ企業の組織再編を行ったことで、どのようなメリットが生まれましたか。

冨田 一つは当社の花木義麿社長が常々言っていることですが、「開発コストゼロ(大隈豊和機械の製品を加えること)でラインナップの充実・強化をはかることができた」点です。NC旋盤・複合加工機で五九製品、マシニングセンターで49製品を取り扱い、業界随一のラインナップを実現することができました。当社の主なお客様は部品加工メーカーさんですが、これだけの製品群を揃えると、“満足度”の高い工作機械を提供することができます。
 第2は「技術力を高めることができた」点です。当社は同業他社と違って工作機械だけでなく、工作機械をコントロールする制御装置も自社で開発・製造しています。「機電一体」を持ち味にしており、そこに大隈豊和機械の特徴である「剛性の高さ」を加えたことで、より当社特有の、オンリーワン製品をお客様に提供できるようになりました。
 工作機械業界は、ご承知の通り、好不況の波を受けやすく、業績の振幅が大きい特性があります。このため、以前からグループの組織再編は考えていたのですが、そのタイミングは景気のいいときに行うべきだと思っていました。

――直近の業績を教えてください。

冨田 07年3月期の連結売上高は1888億円です。主な製品別の売上高は、NC旋盤547億円、複合加工機339億円、マシニングセンター932億円などとなり、4期連続で増収増益を達成しました。その要因は建設機械や航空機関連産業を中心に、国内外ともに好調な受注環境が続いていること、組織再編によるコスト削減などがあります。今期の売上高は2040億円、営業利益は298億円(前期比9.3%増)を見込んでいます。
 今後は、第1にグローバル戦略を強化していく方針です。現在、海外での売上高比率は50%強ですが、BRICs諸国など経済発展の著しい地域での需要を掘り起こすことで、2~3年後には60%台に引き上げたいと考えています。今一つは生産性の向上です。現在、国内には3つの生産拠点がありますが、企業再編時には製品の棲み分けがきっちりできていなかったため、非効率なところがありました。それを今後は工場別製品ごとに一貫して生産できる体制に改めることで、生産リードタイムの短縮化と短納期化をはかっていきたいと考えています。

システム導入を決めた3つの理由

――御社は2004年9月に「連結納税制度」を導入することにしたと聞いていますが……。

伊藤真佐弥課長 まず「連結納税制度」を導入するかどうかを04年7月から検討し始め、9月に導入することを正式に決めました。先ほど冨田が申し上げたように、工作機械業界は好不況の波を受けやすいところがあるため、当社も一時赤字となり、多額の繰越欠損金がありました。他方、その頃(04年)から景気も上向きになり、子法人のなかには親法人(オークマ)より先に納税するところが生じたため、連結納税制度を採用すれば、子法人の課税所得に親法人の繰越欠損金を充当してグループ全体の納税コストを削減することができると考えました。また、子法人の一部で申告業務を行うためのリソース(税務スタッフ)が不足していたので、申告作業を親法人に一元化してグループ全体の業務効率を上げようと思いました。問題は、どこのソフトメーカーの連結納税システムを導入すればいいかでした。

――御社はTKC連結納税システム『eConsoliTax』を導入されたわけですが、その決め手になったのは。

伊藤 当社が『eConsoliTax』を採用した理由は3つあります。1つ目は「サポート体制」が充実していることです。TKC全国会会員の税理士さんがコンサルタントとしてシステム導入や運用サポートにあたっていただけることや、連結納税専用ヘルプデスクも備えており、非常に心強いと思いました。2点目は「単体申告システム」の販売で、TKCさんが高い実績を誇っていたこと。つまり、TKCさんへの安心感があったということです。3点目は税制改正に対応したソフトウェアを毎年提供していただけることです。実は、システム価格自体は、TKCさんが一番安かったわけではないのですが、サポート体制を含めた使い勝手のよさでいけば、一番だったということです。

猪子加奈子税理士 TKCでは「連結納税システム推進プロジェクト会員」というのを設けており、私もそのメンバーの一人です。オークマさんは、連結納税制度についてよく勉強されていて、システム導入はスムーズに行きましたね。

今後は「業務マニュアル」を作り経理部門全体の底上げをはかる

――実際に『eConsoliTax』を導入するにあたり、どのような支援・研修が行われたのですか。

安藤達治主事 導入作業は05年10月からやり始めました。まず親法人・子法人(5社)のインフラ調査と親法人でのシステム利用環境の構築を行い、11月~12月にかけて親法人向けのシステム操作研修会を猪子先生に行っていただきました。翌年1月に過年度(04年度)の申告書を利用してテストデータの入力を行い、それが正しく処理されているかどうかを猪子先生に検証してもらいました。“本番”に備えて一度練習を行ったわけです。そのうえで、3月に子法人に『eConsoliTax』のプログラムを配布するなどして、7月に初めて連結納税申告書を作成しました。

――要は、子法人から税額を確定するために必要なデータを収集して、親法人である御社で集中入力されているということですね。

安藤 そうです。それは『eConsoliTax』の〈業務メニュー〉に基づいて行いますが、それほど難しいことではありません。ただ、当社の場合はグループの組織再編を行ったため、会社分割とか合併のときの税務処理(入力)をどうすればいいのかがよくわかりませんでした。そういう場合、猪子先生に尋ね、一つひとつ解決していきました。

猪子 正直いって私も会社分割・合併に関する税務については即答できないこともあり、そういう場合は国税庁に問い合わせ、お答えしていました。

――『eConsoliTax』を導入して、どのような点にメリットを感じていますか。安藤 申告業務の精度が向上したことですね。前述したように連結納税制度採用後に、グループの組織再編を行ったため、非常に複雑な申告調整を余儀なくされました。手作業での対応は困難な状況でしたが、『eConsoliTax』を導入したことで、精度の高い、法令を遵守した申告書の作成を行うことができたと思います。

伊藤 今後、システムをよりうまく使っていくにあたってはいくつか課題があります。一つは、現在は連結納税申告業務を安藤がメーンでやっているわけですが、「業務マニュアル」を作り、経理部門全体の底上げをはかっていくことです。もう一つは、これまでは親法人で一括入力していましたが、連結納税制度に関する知識と経験を積んできたことで、今後は子法人から直接データを入力する方法に改めたいと考えています。

会社概要
名称 オークマ株式会社
代表者 花木義麿
所在地 愛知県丹羽郡大口町下小口5-25-1
TEL 0587-95-7822
売上高 1888億円(2007年3月期連結ベース)
社員数 2674名(同)
URL http://www.okuma.co.jp/

『戦略経営者』2007年12月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2007年12月現在のものです。
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