ユーザー事例

株式会社伊予銀行 様

3つのシステムの活用で決算・申告業務の正確性が向上

愛媛県松山市に本拠を構える伊予銀行は、愛媛県内に117店舗を展開するとともに、瀬戸内圏域を中心に強固な営業基盤を築いている。同行総合企画部の平野志郎取締役総合企画部長と片山貴寛課長代理の2人に、「連結納税制度」を適用した経緯やTKCシステム活用のメリットなどを聞いた。

伊予銀行

全国地銀ナンバーワンの「広域店舗網」を展開

――愛媛県以外の他県にも店舗網を広げているところが、伊予銀行さんの特徴だと聞いています。

平野 13都府県にまたがる、全国地銀ナンバーワンの広域店舗網を展開しています。特に瀬戸内圏域(広島県、岡山県、香川県など)についてはすべての県に支店を置いており、強固な営業基盤を築いています。近年は、地銀のなかにも広域店舗網を志向する動きが高まりつつありますが、当行の場合は古い店舗は戦前から他県展開しており、それぞれの地域のお客さまとのしっかりとしたリレーションがあります。そこが私たちの最大の強みともいえ、全国の銀行で当行のみが預金等・貸出金ともに15年連続で増加している理由でもあります。

――愛媛県内には多様な業種が集まっているそうですね。

平野 ええ。東予地方(今治市等)は工業、中予地方(松山市等)は商業、そして南予地方(宇和島市等)は一次産業と、いろいろな産業がバランスよく分布しています。また特徴的なのが、海事産業が盛んなことです。今治沖の来島海峡は海の難所で、かつてそこを通る船の運航を手助けしていた村上水軍の名残もあり、海運業や造船業が発達しました。「海事クラスター」の一員として、私たちも積極的に金融面から応援しています。

――平成24年4月から3カ年の中期経営計画をスタートされていますが、経営方針として現在特に力を入れていることは何でしょうか。

平野 当行が目指しているのは、「親切で頼りがいあるベストパートナーバンク」になることです。その実現のためにも、地域のお客さまに対して安定的に貢献することができるよう当行の「持続的成長力」を高めていくことに努めています。少子高齢化や産業空洞化など、今後10年で地域の経済環境はいっそう変わることが予想されます。そうしたなかでわれわれが有力地銀として勝ち残っていくためには、地域のお客さまから信頼を得ることで地域での取引シェアをさらに拡大していく必要があります。そのためにはお客さまとの強固な「リレーション」を築くとともに、さまざまな課題を解決する「ソリューション」を提供していくことが求められます。

将来のリスクヘッジを考慮し「連結納税制度」を適用

――伊予銀行さんでは平成21年9月に、法人電子申告システム『ASP1000R』を導入されました。導入の狙いはどこに?

片山 以前は、自作のスプレッドシートで計算し、申告書と別表は手書きでというやり方でした。それらの申告業務は当時の担当者がほぼ1人でやっていて、スプレッドシートを作った本人以外はそのロジックがわからないという状態でした。いわば「属人的」な要素が強かったのです。そのため、もし担当者が異動すると、誰も分かる人がいなくなるという事態に陥りかねない。さらにもう一つ、大きな懸念材料だったのが「制度対応」でした。毎年の税制改正による変化をすべてフォローし、手元のスプレッドシートに確実に反映できるかどうか不安があったのです。この2つを考慮し、何らかのシステムを導入することを検討した際、目にとまったのがコストパフォーマンスに長けた『ASP1000R』でした。

――平成24年4月から「連結納税制度」を適用されていますが、どんな狙いから採用を決めたのですか。

片山 いまは好調な経営を続けていますが、将来の経済環境の変化などを見据えると、これがずっと続くかどうかはわかりません。子会社を含め、浮沈のリスクにさらされる事態も想定して、予防的に連結納税を適用しようという話になったのです。連結納税の主なメリットとして、連結納税グループに赤字法人がある場合、連結納税グループ内の黒字法人と損益を相殺することで全体の税金コストの削減ができることがあります。いわゆる「損益通算」です。いま現在は長期間赤字が継続している法人はないため、損益通算のメリットがすぐに得られるわけではありませんが、将来におけるリスクヘッジの意図から連結納税適用会社になるための申請をしました。

――対象となる連結子会社の数は現在いくつですか。

片山 連結子会社の数は全部で11社ですが、そのうちの3社が連結納税の対象子法人となっています。ATM網の保守管理などの業務を受託する「いよぎんビジネスサービス」や、証券子会社の「いよぎん証券」などがあります。いよぎん証券は平成24年10月に開業したばかりの証券子会社で、これまで伊予銀行で取り扱っていた金融商品に加えて証券会社ならではの専門性の高い商品やサービスを提供しています。

――連結納税制度を適用するにあたり『eConsoliTax』を導入されましたが、最終的にTKCのシステムを選んだ決め手は何だったのですか。

片山 もともと単体申告で『ASP1000R』を使っていたことが大きかったですね。入力の仕組みが似ているのはもちろん、システム全体に共通する“思想”も似ていることから、馴染みやすい印象がありました。『ASP1000R』と同様に、『eConsoliTax』も別表形式の入力画面ではなく、ワーキングシート(専用入力画面)に必要最小限のデータを入力すればそれが別表に反映される仕組みとなっています。入力イメージが似ているおかげで、『eConsoliTax』の導入はスムーズに進みました。

TKCシステム導入の利点は「安心感」にある

――決算申告業務のフロー(流れ)を教えてください。

片山 「会計上の決算時の税金引き当て計算」をしてその後、税務上の申告書を作成し、所轄の税務署に提出するという流れです。ちなみに、会計上の決算時の税金引き当て計算は基本的に四半期ごとに実施するので年4回、計算をすることになります。そして、税務上の申告書作成については、多くて年2回。中間申告のときに納付額を勘案して、仮決算にするか予定申告にするかを決定するので、中間申告をすることがあれば年に2回、『eConsoliTax』を使うことになります。

――連結納税制度適用初年度であることから、伊予銀行さんではまだ中間申告のときでしか『eConsoliTax』を活用されていませんが、実際にシステムを使ってみての印象はどうでしたか。

片山 事前にいろいろ学習していたものの、やはり実際にシステムを使って計算するとなると時折、頭を悩ますこともありました。でもそんなときはヘルプデスクに電話すると、たいてい即答してくれます。これは非常に助かりました。「ここの部分に数字が入っていないから、考えている表示にならない」などと細かなことを親切に教えてもらいました。おかげで滞りなく中間申告の作業ができました。

――伊予銀行さんでは、決算時の税額計算・税効果計算を支援する『eTaxEffect』もお使いになられていますが……。

片山 平成24年3月に連結納税制度を加味した「繰延税金資産(負債)」を計算するのに初めて使いました。さらに平成24年6月の第1四半期の計算でも使っています。税効果会計を適用した場合、繰延税金資産(負債)が貸借対照表に計上されます。これが連結納税制度を適用するとどのように計算の仕組みが変わるのかが、意外とわかりにくい。なので必要最小限のデータを入力すれば、自動的に計算してもらえるのはありがたいですね。また以前は、決算時の税金引き当て計算、税効果会計をスプレッドシートで計算していたので、単体での税効果計算もできる『eTaxEffect』を『ASP1000R』といっしょのタイミングで導入しておけばもっと効果があったかもしれません。

――TKCシステムの導入メリットを一言で表現するとしたら、どんな言葉が思い浮かびますか。

片山 ずばり「安心感」ですね。計算ロジックに間違いがないという前提でデータを入力できるのは、実際に作業する者にしてみれば本当にありがたいことなんです。

――最後に今後の目標をお聞かせください。

片山 平成25年3月の連結納税制度適用初年度の申告作業を無事に終えるのが当面の目標ですね。システム・コンサルタントである会計事務所のサポートも充実しているので、問題なく作業が進むのではないかと思っています。

会社概要
名称 株式会社伊予銀行
創業 1878年3月
所在地 愛媛県松山市南堀端町1番地
預金等 4兆9002億円(2012年3月31日現在)
貸出金 3兆5590億円(同)
従業員数 2903名(同)
URL http://www.iyobank.co.jp/

『戦略経営者』2013年1月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2013年1月現在のものです。
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