ユーザー事例

株式会社トムス・エンタテインメント 様

連結会計システム導入で“30日以内決算開示”を実現

現在『名探偵コナン』『それいけ!アンパンマン』などを手がけ、『巨人の星』『アタックNo.1』といった中年以上には垂涎のコンテンツを多数持つトムス・エンタテインメント。アミューズメント施設を手がける会社など6社の連結対象子会社を持ち、連結会計の整備は喫緊の課題だ。昨年度からTKC連結会計システム『eCA-DRIVER』を導入し、その課題解決に余念がない。経理財務部の岡山仁部長と辻政弘課長に話を聞いた。

株式会社トムス・エンタテインメント

過去作品の有効活用で厳しい環境を突破する

――昭和21年設立ということですが…。

岡山 当社の歴史は、繊維業で創業した旭一編織(後にキョクイチ)という会社が、平成3年にゲームセンターなどのアミューズメント事業に参入し、さらに、平成7年に、アニメーション制作・販売を手がける東京ムービー新社と合併したというのが大体の流れです。その後、繊維業からは撤退、アミューズメント事業は平成20年に子会社(AGスクエア)として切り離したので、現在はアニメの制作・販売が、当社単体での業容ということになります。

――どんなアニメを手がけておられますか。

岡山 『それいけ!アンパンマン』と『名探偵コナン』『ルパン三世』の3つで、当社の売上の約3分の1を占めています。『それいけ!アンパンマン』は放映開始から21年、いまや、このアニメを見て育った人の子供が見ているほどの長寿アニメになりました。『名探偵コナン』も、おかげさまで14年目に入り、安定した人気を誇っています。『ルパン三世』は現在はシリーズものではなく、年1回のテレビ用の特番やオリジナルビデオ作品を手がけています。

――安定したコンテンツを持っておられますね。

岡山 とはいえ、実情は非常に厳しくなってきています。我々は、制作と販売という2つの機能を持っていて、従来は制作費をコンテンツの“2次利用”つまりビデオやDVDなどの販売で回収するスキームでビジネスを展開してきました。テレビの放送枠にしても、深夜を含めて今よりも随分多かった。
 ところが、インターネットの普及などによって、ビデオ・DVDが以前ほど売れない。また、テレビ局もご承知の通り厳しい状況なので、比較的制作費がかかるアニメは敬遠される傾向にあります。

――そんな厳しい状況を乗り切る戦略は?

岡山 東京ムービーの時代から、数えられないほどの優れたコンテンツを蓄積してきましたから、まず、それらを有効利用して収益を上げていくことです。
 たとえば、『オバケのQ太郎』『鉄人28号』『巨人の星』『アタックNo.1』『ムーミン』『天才バカボン』『エースをねらえ!』『ど根性ガエル』など、挙げれば切りがありません。これらをネット上の配信サイトで流すことで収益を上げたり、あるいは食品や玩具メーカーなどに、当社キャラクターを使ったリバイバル商品を作ってもらう…といったタイアップ事業などが考えられます。

――ほかには。

岡山 テレビ用のアニメではなく、最初からコアなファンをターゲットにしたDVDのみの作品を、今後はより多く手がけていくことも必要でしょう。あとは海外戦略ですね。今後当社は海外売上高の比率を上げていくことを目標にしています。
 例えば、『爆丸(ばくがん)』というアニメは、海外で火がつき、いまや北米や韓国などで大ヒット作品となりました。これほど“クールジャパン”と日本のアニメが持てはやされる時代ですから、最初から海外のアニメファンにターゲットを絞った作品づくりも、今後は考えていかなければいけないでしょう。

連結キャッシュフローが難なく計算できた!

――さて、昨年度(2009年3月期)から『eCA-DRIVER』を導入されましたが、その経緯は?

岡山 昨年度4月から、基幹システムとして新しく統合業務パッケージの『Super Stream』(SS)を導入し、その際に、システム化の対価として年度決算を10日以上短縮し「30日」にしようという目標を立てました。しかし、内部統制の問題なども出てきて、いまの人員を維持したまま、この目標をクリアするためには、基幹システムの周辺部分もシステム化しなければ難しい。とくに連結会計の部分がネックになるという認識で、SSにマッチングしたシステム導入が検討されたのです。

 従来は、連結会計の計算をスプレッドシートを使いながら1人で行っていたのですが、30日ということになるとより負荷が強くなる。現場担当者として、このままでは危ないなあと感じていました。その意味でも、連結会計システムの導入は必然だったと思います。

――他社システムではなく、TKCにされた理由は?

 とにかく、SS→連結会計システム→決算開示まで、シームレスにつなげたかったというのがあって、キヤノンITソリューションズ(『Super Stream』の提供元)さんの助言のもと、SSと最も相性が良いと思われる『eCA-DRIVER』に決定したという経緯です。

――連結対象企業は?

岡山 アミューズメント事業を展開しているAGスクエア、そしてアニメーション事業を展開しているテレコム・アニメーションフィルム、トムス・フォト、トムス・ミュージック、海外現地法人のTMS MUSIC(UK)LIMITED、TMS MUSIC(HK)LIMITEDの合計6社になります。

――システムを導入されていかがですか。

 まず、SSとの連携で、スプレッドシートに書き出す必要がなくなったので安心感が増しました。また、連結対象会社が6社とそれほど多くないので、従来もBSやPLは何とかつくれていたのですが、「キャッシュフロー計算書」のところで手間取っていました。数字をチェックするのに5日くらいかかることも珍しくなかったのです。ところが『eCA-DRIVER』の整合性チェック機能を使えば、自動的にエラーが表示され、しかもそこから修正すべき画面へジャンプできる。この機能は重宝しました。結果的に、キャッシュフロー計算書のチェックだけで、3日くらいは短縮できたと思います。

会計・税務のプロがシステム導入・運用を支援

――子会社とのデータ連携はどのように?

 当社では、子会社の経理もSSを使って本部で行っています。伝票は子会社が切りますが、それを月次でまとめるのは親会社なんです。そこから直接、『eCA-DRIVER』にデータがはき出されるので、変なデータが入り込む余地がない。科目も統一されていますからね。当社の負荷は大きくなりますが、連結の管理は非常にしやすくなりました。

――導入時の苦労はありましたか。

 実務面では、何といっても福田武彦(公認会計士・税理士)先生のコンサルティングが有り難かったですね。スプレッドシートでやっていた頃は、独学でしたから知識面での裏打ちがなく常におっかなびっくりの状態でした。福田先生には、1週間に1度くらいの頻度で来社いただき、システム導入のプロセスはもちろんですが、会計知識の面での不安なところをサポートしていただいたことが大きかったと思います。
 実は私の下に1人キャッシュフロー計算書の担当のスタッフがいるのですが、導入支援が終了したときに、彼のスキルが目に見えて上がっているのが分かるんです。とてもありがたかったですね。

――監査法人の評価は?

 帳表などの提出資料が分かりやすくなったということと、あと、やはり安心感があると言ってもらえています。

岡山 実は、従来作成していた資料はあまり評判がよくありませんでした。というのも、まとまりが悪く、細かすぎて分かりにくかったのです。知りたいこと以上のものまで盛り込まれていたので、監査もどこをチェックしたらよいのか分かりにくかったのだと思います。ところが、システム導入後は、必要なデータがびしっと出てきますから、監査自体が短くなりました。

 TKCさんは税務の専門家なので、法改正などにも適切に対応していただける。そのへんの安心感も大きいですね。

――今後の課題は?

岡山 まだまだ『eCA-DRIVER』の機能を使い切れていませんから、今後は熟練度を増していき、入力から決算開示までの完全なシームレスを実現したいですね。それから、データを経営指標としてどう活用していくかも課題です。
 現在、各部署が個別に会議用の管理資料をつくっていますが、それらを『eCA-DRIVER』からの資料で、ある程度まかなえるようにしたい。そのためには、四半期決算だけでなく月次決算へのシステムの取り込みが必要でしょう。『eCA-DRIVER』で月次決算ができるようになれば、四半期決算もより早く、より楽になると思っています。

会社概要
名称 株式会社トムス・エンタテインメント
業種 アニメーション制作・販売
代表者 岡村秀樹
所在地 東京都新宿区西新宿3-2-4
(2月22日以降:東京都新宿区西新宿7-20-1)
売上高 141億円(連結)
社員数 306名(連結)
URL http://www.tms-e.co.jp/

『戦略経営者』2010年2月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2010年2月現在のものです。
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