TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

活動事例

上場子会社の悩みに応える 身近な専門家として税理士の活用を!
TKC全国会中堅・大企業支援研究会員 税理士 服部久男(左)、税理士 矢吹泰正
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巡回監査で税務上のリスクや内部統制の状況を確認

私の事務所の特長の一つは、法人関与先を中心に業務を行っていることです。そのため月次巡回監査をベースにして企業経営者の方々が遭遇する経営上のさまざまな問題に、事務所のスタッフが対応できるような体制作りに努めてきました。いまは4名の税理士をはじめとする事務所体制を構築し、上場企業子会社への連結納税や連結会計の導入支援などに力を注いでいます。
現在、あるカー用品の上場企業の6つの子会社に関与しています。関与のきっかけは十数年前に私の事務所がその上場企業のグループ企業を受託したことです。それが縁ですべての企業グループも他のTKC会員が受託し、TKC全国会に開発委員会が設置されて『統一会計マニュアル』の開発をしました。
2年前、その親会社が「税のコンプライアンス」の観点から税務戦略を立て、連結納税を始めました。そのときにTKCのeConsoliTax(連結納税システム)とeTaxEffect(税効果会計システム)を導入し、当事務所が税務面の顧問事務所となりました。
それらの法人企業には巡回監査を実施し、試算表ベースでの異常値の確認などを行っています。その際、事務所で作成したチェックリスト『月次試算表 監査調書』を用いて重要な取引契約の有無の聴取や試算表の科目内容を重点的にチェックするとともに、会社からの説明の聴取内容を記載しています。
さらにこのチェックは、子会社にとって内部統制が整備されているかどうかの確認にもつながっています。 私たちにとっても、上場企業のグループ企業への巡回監査は税務上におけるチェックポイントが複雑なため、通常の単体の関与先にもそのノウハウが生きてきます。
また決算のときは、別表上の加算項目・減算項目などを抽出した事務所独自の『決算チェックシート』を活用し、企業と税理士事務所双方で確認しています。規模の大きな企業では少しのミスが全体に影響するので、巡回監査を中心にしながらしっかり見ています。

最新情報を提供して信頼関係を築いていく

私の事務所では、親会社に提案し、経理部への税制改正研修会を実施しています。昨年は子会社に対して「消費税95%ルール改正」の実務対応をテーマにしたセミナーを開催しました。
目的は、昨今、税務が複雑になってきているので子会社の経理担当者のスキルアップということもありますが、最新情報をタイムリーに提供し、「信頼関係」を築いていくことを企業グループ支援において重視しているためです。
親会社の経理担当者は、業務量が多いことや特定の人への業務の集中などによって、子会社へのフォローがなかなか行き届かない面もあるようです。そうした日常業務、経理業務を合理化していくためにも、税理士をうまく活用してもらえればと思います。
上場企業の経理担当者であってもさまざまな悩みをお持ちだと感じています。たとえば退職給付引当金の取り扱いなど、税務について知らないことがあるがゆえに損していることもあると思います。
一般的には「税理士事務所のお客さんといえば中小企業」というイメージがありますが、大企業やその子会社におけるさまざまな課題の解決のために、身近な頼れる税務の専門家として私たちをもっと活用していただきたいと思います。

<電子ブック「Gプロ」第5号(2013年5月発行)より転載>