TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

活動事例

会社オーナーのためのハイブリッド型相続対策【親族承継】

POINT

  • 持株会社を活用したグループ経営による相続対策
  • 投資育成や資産保有会社、配偶者への贈与などを組合わせた相続対策
  • 安定株主対策としての投資育成等導入によるスムーズな親族承継
  • 相続税対策の副次的効果として、グループのガバナンスも向上

この事例のPDFファイルはこちら

tax_vol1.png

A社は会長が75歳、社長に50歳の息子を据えられることとなりました。グループ内には複数の会社がありましたが、会長個人で保有されており、グループ全体が会長を中心とした体制となっていました。また、グループ各社には古参の役員が社長として就任されており、株式も保有していました。現会長が存命のうちは問題ないものの、現社長だけでグループ各社の統率がとれるか不安な状況にあり、また、自社株式の評価額が十数億円にも達しており、オーナー家の相続対策も喫緊の課題でした。

上記課題に対して当事務所が立案した対策は「株式交換によりA社を事業持株会社とし、グループ各社をA社の100%子会社とする」という事でした。まず、100%子会社にすることによりグループの意思決定をA社に集中させることで経営の安定を図りました。また、同時に安定株主対策として中小企業投資育成株式会社(※)の導入などを実施し、株主構成の安定化や株式の買取リスクの軽減を実現することができました。同時に、定款に「相続人への売り渡し請求権」を明文化することも行いました。

相続対策では、持株会社の設立でグループ各社の株式が直接保有から間接保有に切り替わったことから、結果として相続税法上の株価を4割程度引き下げることができました。また、中小企業投資育成株式会社や従業員持株会の導入により、第三者割当増資を行うことで結果的に自社株式の純資産価額の低減効果がありました。

贈与税の配偶者控除については、二次相続も含めた試算を行った結果、贈与による相続税の圧縮効果が見込まれることから活用しました。また、代々保有されていた賃貸物件についても、共有関係が複雑化しており、将来の「争続」につながりかねないことや、法人税率と個人所得税率の乖離などを踏まえ、資産保有法人の設立と不動産の法人所有への移行を行いました。また、相続税の生命保険金の非課税枠の活用なども提案しています。

※中小企業投資育成株式会社は、優良企業への成長を支援するために中堅・中小企業が発行する株式・新株予約権付社債などの引受けにより、長期安定資金を提供する公的な投資育成機関です。