TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

活動事例

相続により発生した会社経営の課題を組織再編で解消

POINT

  • 相続によって新規事業展開などの会社経営に支障が発生
  • 事業ごとに別会社化する組織再編の提案
  • 多額の株式譲渡所得課税を回避しつつ、持分に応じて会社の所有と経営を分離
  • 株主ごとに独立した会社経営を実現

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C社は、店舗系の不動産と住居系の不動産の賃貸を行っている会社です。創業者が亡くなり、遺言により長男(C社社長)が60%、長女が40%の株式を保有することとなりました。ただし、長女は遺言の内容に納得できず、兄弟間の関係も芳しくなかったため、店舗系の不動産の建て替えや新規事業計画にも協力的ではありませんでした。

当事務所からは、会社分割を活用して店舗系の不動産賃貸事業と住居系の不動産賃貸事業を分割する新法人(C‘社)を設立し、別会社化する提案をさせていただきました。適格分割で分割するため、店舗系の不動産賃貸事業を引き継ぐC社の株式を住居系の不動産賃貸事業を営むこととなるC’社の株主に対して、持ち株数に応じて交付する按分型分割を実施しました。

結果として、C社(店舗系の不動産賃貸事業)[持分割合:長男60%/長女40%]とC‘社(住居系の不動産賃貸事業)[持分割合:長男60%/長女40%]の事業を分割する事ができました。
本来であれば、この後に長女が保有するC社の株式40%部分を長男に、長男が保有するC‘社の株式60%部分を長女に売却するのがベストでしたが、多額の株式譲渡所得課税が生じるため、発行済株式のうち、長女が保有するC社株40%部分と、長男が保有するC‘社株60%部分を無議決権株式(経営に関わらない株式)に転換し、結果的に長男と長女の所有を分離する事が出来ました。

親族の中で、経営に実際に携わっている株主と、単に所有しているだけの株主がいる場合には、お互いの利害が一致しない場合があります。今回のケースでは、普通株式から無議決権株式への転換により、本当の意味で「所有」と「経営」が一致し、トップの意のままに会社経営が行えるメリットを享受していただくことができました。