TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

活動事例

「組織再編」と「連結納税」を活用した円滑な事業承継【親族外承継】

POINT

  • 高い自社株式の評価額が事業承継・相続対策の懸念事項
  • 会社の保有と経営を分離することで後継者の債務保証が免除
  • 持株会社設立により自社株式の評価額を20~30%削減
  • 連結納税制度の採用でグループ全体でのタックスメリットを享受

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B社は、社長が65歳、家族は娘だけで、承継する親族もいなかったため後継者を社内外で探していました。結果として、社内昇格にめどがつきましたが、後継者は40歳前後と若く保有資産も潤沢ではなかったため、高額な株式の買い取りが難しい状況にありました。またB社は実質無借金とはいえ運転資金の借入もあったため、連帯保証問題などのハードルもあり。さらに自社株式の評価額が数億円に達しており、オーナー家の相続対策も喫緊の課題となっていました。

上記課題に対して当事務所が立案した対策は「株式移転による純粋持株会社B社(資産管理会社)の設立」。後継者の資金力では株式の買い取りが難しいため、オーナー家が株式を保有し、後継者はB社の経営に専念できる体制を構築することとしました。また、後継者の連帯保証問題に対しては、資金調達を持株会社が実施し、グループファイナンスにより事業会社に貸付けするスキームを立案。B社は財務体質が強固だったこともあり、後継者の個人連帯保証が免除されました。

相続対策の面では、持株会社の設立により、B社の株式が直接保有から間接保有に切り替わったため、相続税法上の株価が結果として20~30%程度引き下げることができました。

B社は収入のほとんどが受取配当金収入。グループ間の受取配当金は税務上、全額益金不算入となるため、課税の面で問題は発生しないものの、持株会社B社の課税所得がマイナスになるという構造上の問題が発生します。そのため、「連結納税制度」を採用することにより、持株会社の欠損と事業会社の所得を相殺するとともに、新設株式移転の形式をとることで、初年度から連結納税制度を採用してメリットを享受することが可能になりました。また、新設株式移転を採用したことで登記コストの削減にもつながりました。