ユーザー事例

大日本コンサルタント株式会社 様

業務効率の飛躍的向上で作業時間が従来の半分以下に

全国各地の社会資本整備プロジェクトに携わる大日本コンサルタント。最近は外国でのコンサルティング業務の受注も増え、事業展開は海外にも広がっている。一方で法人電子申告システム『ASP1000R』を導入し、申告業務の効率化にも乗り出した。同社執行役員の長谷川敦経理部長、経理部財務室の山田晶庸主幹、同経理室の米田健二係長、貝瀬知子氏に話を聞いた。

大日本コンサルタント株式会社

全国各地のプロジェクトを総合的にプロデュース

――御社は総合建設コンサルタント会社として全国各地の社会資本整備プロジェクトに携わっているとお聞きしています。具体的にはどんなことを行っているのでしょう。

長谷川 国や地方自治体が各地で推進する道路や橋、港湾といった社会資本整備プロジェクトで、調査・計画、設計から施工管理、保全、マネジメントまでをトータルにプロデュースしています。当社はもともと1963(昭和38)年に橋梁技術者が中心になって設立した会社ですが、現在では橋梁のみならず道路や河川、都市や交通計画、環境など、社会インフラ全般に事業領域を拡大しています。最近は外国でのコンサルティング業務の受注も増え、事業展開は海外にも広がっています。

――橋梁の設計では、業界でも圧倒的な強さを誇っているそうですね。

長谷川 お陰さまでこれまで数多くの橋梁設計を手掛けてきましたし、ずいぶん多くの賞もいただきました。最近では東京・隅田川の足立区と北区を結ぶ「新豊橋」が「土木学会デザイン賞2009」の最優秀賞を受賞しています。また現在ベトナムでは2010年10月のハノイ遷都1000年を記念する「ニャッタン橋」が建設されていますが、当社はその斜張橋の設計を担当し施工監理も行っています。

――なるほど。ただ政権が変わり公共事業の一層の削減が打ち出されるなど、経営環境は厳しいようですね。

長谷川 おっしゃるように、コア事業である橋梁や道路などの需要は非常に厳しい。そのためにいくつかの対応策を打ち出していますが、その1つが周辺領域の拡大です。具体的には地震、台風、集中豪雨といった自然災害に対する防災で、もともと土石流や道路の斜面防災、地震など個々の防災技術は保有しているので、これらを集約して防災分野をさらに強化しています。

山田 その面で期待されるのが、例えば空中電磁法による地質調査です。この空中電磁法は地下の地質状況を三次元的に測定・解釈し判定するもので、広範な地域やアクセスが困難な山岳地域などの地質調査、地すべり調査などに有効な調査技術です。

長谷川 その一方では高度成長期に建設された社会インフラの老朽化がすすみ、それに対するニーズも急速に高まっています。

山田 例えば高齢化した橋梁を維持管理するために必要な構造物の点検、解析・診断、計測・監視といったニーズですね。当社ではそうした需要に総合的に対応するために保全エンジニアリング研究所を設立し、大学などと連携しながらノウハウを蓄積しています。先端技術の粋を集め、安全性の確保と施設の長寿命化を目指しているわけですね。同時に国や自治体など道路管理者の施設管理を支援するためのソフトなども開発し、ご利用いただいています。

――確かに政権が何度交代しても、防災分野は削減しません。

長谷川 ええ。それと今後は発注者支援業務にも本格的に対応していきます。発注者支援業務というのは各省庁などの業務を発注者の立場に立って支援することで、例えば国道や河川などの現場で設計図面との整合性の確認や設計変更用の基礎資料づくりなどを行うことで発注者の業務の遂行を補助するわけです。それを担当する子会社「NEテクノ」も今年から稼働を開始しています。

地方税の業務効率化を『ASP1000R』に託す

――さて、2年ほど前(2008年6月期)から『ASP1000R』をご利用いただいていますが、導入の経緯は?

米田 当時は四半期決算開示制度と内部統制報告制度の開始が迫っていた時期で、それへの対応で経理部の業務負荷がいずれどんと増えることはわかっていました。といっても単に人を増やせば解決するという問題ではないので、いかに効率化をはかるかという観点で考えました。そうした流れのなかで申告業務の効率化も検討し、いくつかのソフトを比較検討したわけですが、最終的に残ったのがTKCの『ASP1000R』だったわけです。

――業務の効率化が課題だったということですが、具体的には申告業務のどんな部分ですか。

米田 まず地方税です。当社の場合、支社や事務所、営業所が全国に44ヵ所あり、地方税の申告ではいつもものすごい手間がかかっていました。当時使っていたソフトは一応地方税の計算もできましたが、『ASP1000R』のように全都道府県・全市町村の税率マスターを搭載していないので毎回、関係する自治体の税率変更の有無を一つひとつ確認しなければなりませんでした。
 それに申告書や添付資料の印刷、封筒への封入作業、株主総会後の郵送といった手間を考えると、地方税は一刻も早く電子申告に切り替える必要がありました。ところが従来使っていたソフトは電子申告に対応していなかったわけですね。
 電子申告ということでは当時、消費税だけはe-taxソフトを使って申告していましたが、その業務プロセスが煩雑でミスをしないかいつもひやひやしていたし、税務関連の申告書はいずれ1つのシステムで作成管理が可能になるようにしたいという思いもありました。

――それらの課題の解決を『ASP1000R』に託したわけですね?

米田 そうです。課題はほかにもありました。その1つが肝心の四半期決算への対応です。従来のソフトは四半期別の税額計算ができず、事業年度を調整して税額計算を行うほかなかったわけです。決算業務の迅速化と四半期税額計算への対応はまさに喫緊の課題でした。

――『ASP1000R』は任意の計算期間を設定することで、四半期、中間申告、確定申告における税額の計算・申告書の作成ができるし、第1・四半期から第2・四半期へのデータの引き継ぎもできます。

米田 ええ。それによって効率化をはかり、結果として業務負荷を大幅に減らすことができたわけです。
 もうひとつは、外国税額控除への対応です。従来のソフトにも別表をつくる機能はあったのですが、スプレッドシートで計算したデータを各別表にただ入力するだけのものだった。だから入力ミスや転記ミスがしょっちゅう起きていました。

――外国税額控除は制度自体が複雑で、適用を誤るケースも少なくないそうですね。

米田 ええ。税額計算も複雑で、スプレッドシートを使って計算ロジックをきっちり組んだつもりでも、考えたようにはなかなか反映されません。それに何か違うなと思ってチェックを入れても、計算式のどこに間違いがあるのかを探すのがまた大変でした。『ASP1000R』の導入でスプレッドシートを使う必要がなくなったのは、ほんとうに助かります。たとえば分割基準などもすべて自動で計算するし、別表間でデータが連動してるので入力ミスや転記ミスも防止できますからね。

――御社が100%海外子会社を置いているベトナムは税率が低く、事実上のタックスヘイブン地域ですね。

米田 標準税率が25%なので、そうなります。ただタックスヘイブン対策税制の適用除外基準に該当するため最終的な計算でははずしています。そのあたりは別表に入力して判断するわけですが、『ASP1000R』にはそうした機能もついているので非常に楽ですね。

全体の作業時間を従来の半分以下に削減

――結局、それらの課題は『ASP1000R』の導入ですべてクリアできたわけですね。

米田 ええ。特に地方税の業務の効率化をはかれたことが大きかったですね。今は申告書が決算とほとんど同時にできあがります。以前は決算の数字から5日くらいかけて全部のチェックをかけていましたが、そうした作業も1日あれば終わる。恐らく全体の作業時間は、従来にくらべ半分以下になったと思います。

――システムの導入に際して問題はなかったのですか。

米田 1つだけありました。当社の場合、大学などと協同で研究をすることが多いので、寄附をするケースがけっこうあるわけです。ところが『ASP1000R』は寄附金の明細が4件までしか入力できなかった。困ったなと思いました。しかし導入後しばらくして、TKCの開発陣がその機能を拡張してくれました。迅速な対応に感謝しています。

――いろいろお話しいただきましたが、導入するにあたって最後の決め手になったのはどんな点ですか。

米田 とにかく電子申告に対応できることがシステム導入の絶対条件でした。地方税の業務をどうしても効率化したかったですからね。その点、TKCさんはなんといっても電子申告のノウハウが豊富だし、実績もありました。それにシステムの運用にあたって、システムコンサルタントの税理士さんからアドバイスが受けられる仕組みになっていることも信頼できる点でした。

――申告業務はいま何人で?

米田 入力作業はすべて私が行い、そのための準備的な作業を貝瀬に担当してもらっています。

貝瀬 自治体の税率変更の有無のチェックや、申告書の郵送作業などですね。「電子申告・納税かんたんキット」も私が担当しています。

――なるほど。あと1、2年で全市町村の電子申告対応が完了するといわれているので、貝瀬さんの作業もずいぶん楽になりますね。

米田 ええ。ただ先ほど話にでた子会社のNEテクノの申告業務もわれわれが担当するので、近い将来には『ASP1000R』の分散入力機能を使って組織的に申告業務に取り組む体制をつくっていかなければなりません。『ASP1000X』(計算書類XBRL変換システム)を導入して税務用財務諸表の作成を自動化するなど、業務の合理化も着々と進めています。

会社概要
名称 大日本コンサルタント株式会社
業種 建設コンサルタント
代表者 川神雅秀
所在地 東京都豊島区駒込3-23-1
売上高 約100億820万円
社員数 584名
URL http://www.ne-con.co.jp/

『戦略経営者』2010年3月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2010年3月現在のものです。
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